“Ç”ダルデンヌ最高傑作!「サンドラの週末」

サンドラの週末(2014)
deux jours, une nuit

監督:ダルデンヌ兄弟
出演:マリオン・コティヤールetc

カンヌ映画祭で珍しく主要部門一切受賞しなかったダルデンヌ兄弟最新作。ついに日本公開5月に決まりましたね〜邦題も「サンドラの週末」となかなかイイぞ!そんな作品を実はブンブン、フランスでDVD買って一足先に観ました。

クセの強いダルデンヌ映画だが今回はブンブンのツボにジャストヒット(≧∇≦)大大傑作でした♡

何が凄いかって?マリオン・コティヤールが「女優感ゼロ」。まさに、ヨーロッパのそこらへんにいる女性を演じきっているのだ!

昨年ねカンヌ映画祭で女優賞を獲ったのは、狂気を演じまくったジュリアン・ムーアだが、この地味感溢れる演技も負けてないぞ!

痛烈なジレンマ物語

ストーリーは私たちにいつ降りかかるか分からない辛いものだ。主人公サンドラは突然解雇を宣告される。職を失ったら路頭に迷う彼女に残された選択肢は、月曜日までに同僚を説得し、投票で過半数を獲得すること。しかし、それは同僚に「自分の為にボーナスを諦める」よう説得することだった…

到底映画館で観るようなテーマではないのだが、グローバル化による甚大な格差社会の闇が日本にも訪れ、いつ解雇になるか、いつ非正規雇用になるか分からない社会を生きる者は観なければいけない作品である。

サンドラは、週末を活かして片っ端から同僚の家を訪ね説得する。一つ返事でボーナスを捨ててサンドラに投票するものもいるが、中にはボーナスがないと子どもを養えない家もあり辛すぎる。サンドラは仲間や家族の前では、「投票で勝ってみせる!」と意気がっていても、一人になると泣き始め、発作を起こす…観てるほうまで泣きたくなるよ。一つの小さなピザをシェアする現代。小学校の時に「分け合う」ことを教わったが、現代のピザは小さすぎる。分けたら共倒れである。そんな社会をダルデンヌは、
エンディングまで目を背けず描き切った。

「ロゼッタ」のように、激しいアクションこそないが、考えさせられ泣かせられる作品だ。

高校の授業で観せるべき作品だな!

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