スウェーデン映画「さよなら、人類」:動く絵画から滲め出る笑いレイキャビックHáskólabíóにて

本年度ヴェネチア国際映画祭で
金獅子賞を獲ったのは、
とてもシュールな作品だ。

イニャリトゥの異色ヒーローもの
「BIRDMAN」や
「アクト・オブ・キリング」の
続編などの強豪を倒した
ロイ・アンダーソン最新作
「A PIGEON SAT ON A BRANCH
REFLECTING ON EXISTENCE」
レイキャビック映画祭
観てきました。
映画祭価格なので1100円ぐらいで、
Háskólabíóという映画学校(?)
併設の映画館で観ました。

ロイ・アンダーソンと言えば、
「スウェディッシュ・
ラブストーリー」で高い評価
を受けるものの、次作「純愛日記」
が不作になったせいで25年も
干された監督だ。
その監督が、干されている間に
開発した絵画のような作風で
描く三部作の最終章が
この作品である。

この三部作の英題名は毎回
意味深だが、今回は本気度が
桁違いだ。
IMG_5621.JPG

本年度東京国際映画祭でも上映
されるので邦題が決まったのだが、
これが直訳すぎ!

「実存を省みる枝の上の鳩」
こんなタイトルじゃ観る気
失せるよ…

この意味深なタイトルの
意味は映画を観るとすぐわかります。

「冴えない人間を観察しよう!」
ってことだ。
辞書によるとEXISTENCEは
「実存」って意味の他に
「恵まれない生活」って意味も
あるんだってー

だから、この作品には沢山哀愁
漂う人が出てきます。

ワインを飲もうとして、
コルクを抜こうとしたら
心臓発作で死ぬ人。

笑袋と入れ歯とお面を売ろうと
奮闘するセールスマン。

BARに馬ごと入ろうとする兵隊。

などなど、どこにでもいそうな
しょぼい人が何処かズレた
ことをするシュールさ。
チェ・ブンブンこういうの
好きである。

NHKでやっている「LIFE!人生に
捧げるコント」を絵画チックに
描いたらきっとこうなるであろう。

徹底的に練られた遠近法の
構図、互いのネタが絡み合う
構成。まさにロイ監督の
集大成である。

そんな土鳩のような人間を
なんと東京国際映画祭で
観察できるらしいぞ!
10/11(土)12:00から
ネットでチケット取れるので、
みんな要チェックだぞ!
東京国際映画祭サイト「実存を省みる枝の上の鳩」

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