特集:ブンブン推薦!知られざるクリスマス映画3選

特集:ブンブン推薦!知られざるクリスマス映画3選

時はクリスマスシーズン。街はイルミネーションに照らされ、街ゆくカップルの底抜けな明るさが恍惚さ生み出す時期となってきました。この時期、映画ファンにとって辛いのは、「オススメなクリスマス映画教えて」と聞かれることだ。クリスマス映画なんか、たかがしれている。『ダイハード』でも観ておけ!『ジングル・オール・ザ・ウェイ』でも観ておけと言いたくなります。ただ、気になったので「クリスマス映画」と検索をかけて、まとめサイトの浅いオススメ映画リストを眺めてみた。そうしたら、幾つかクリスマス映画として全く紹介されていない作品があった(意外と『サタンクロース』を挙げているところが少ないw)。海外のまとめサイト的なものを調べても全然出てこなかったので、ここはブンブンが紹介するしか!と思い立ち、今回この企画を立ち上げました。ってことで早速、ブンブンのオススメクリスマス映画3選を紹介していくぞ!!

1.サンタクロースの眼は青い(1963)
Le Père Noël a les yeux bleus

監督:ジャン・ユスターシュ
出演:ジャン=ピエール・レオ、ルネ・ジルソン、ジェラール・ツェメルマンetc

ジャン・ユスターシュという監督をご存知だろうか?どす黒い白黒世界の中でチクチクと、観る者の心を突き刺す陰鬱な映画を撮るポスト・ヌーヴェルヴァーグの代表的な監督だ。シネフィルの中ではジャン・ユスターシュと聞くと『ママと娼婦』を思い浮かべるが、ブンブンは断然『サンタクロースの眼は青い』を思い浮かべる。『大人は判ってくれない』で家にも学校にも居場所がない少年を演じたジャン=ピエール・レオが青年になり、過酷なクリボッチを経験するというところが肝となっている。

貧しく、ダッフルコートを買う為にサンタクロースのコスプレをして働く。そこに漂う哀愁は、胸が締め付けられるほど辛いものがある。しかも、バイト中に知り合いと遭遇する。相手は自分がサンタコスプレ故分からないのだが、自分は分かる。キラキラと恍惚とした知り合いを見て心苦しくなる様が本当に悲しくてたまらなくなります。ヌーヴェルヴァーグとかフランス映画と聞くとお堅いイメージがあるかもしれないが、本作は普遍的なクリボッチの辛さを代弁した傑作といえよう。

2.あるクリスマスイヴに関する物語※デカローグ第3話(1988)
Dekalog 3

監督:クシシュトフ・キェシロフスキ
出演:ダニエル・オルブリフスキ、マリア・パクルニス、ジョアン・チェプコスカetc

ポーランドの巨匠クシシュトフ・キェシロフスキの傑作テレビ映画第3話がクリスマスに関する物語でした。『デカローグ』といえば、TSUTAYA 渋谷店にいくと毎回1~10話のどれかが欠けていたりする。だから観ている人は少なかったりするのだが、別に3話から観ても問題ありません(個人的には1話が一番オススメ!)。さてこの作品はめちゃくちゃ怖いクリスマス映画です。タクシー運転手のヤヌスはサンタクロースのコスプレをして子どもたちを楽しませていたら、昔の恋人が現れて、「今晩、一緒に過ごしましょう」と言い寄ってくる。家族持ちなので通常断るのが筋だろうと思うのだが、何故かヤヌスは家族に内緒で昔の恋人と一晩過ごすこととなるのだが、その恋人がやたらと無理心中を仕掛けてきて朝まで生き残れるか?という壮絶な内容になっています。クシシュトフ・キェシロフスキの強烈な赤の色彩と、凝りに凝った演出の美しさがより一層恐怖を掻き立てます。比較的TSUTAYA渋谷店に置いてある率が高いので是非挑戦してみてください。

3.荒野の千鳥足(1971)
WAKE IN FRIGHT

監督:テッド・コッチェフ
出演:ゲイリー・ボンド、ドナルド・プレゼンスetc

意外な作品がクリスマス映画だったりする。この『荒野の千鳥足』は一見するとクリスマスに無関係な映画に見える。なんたって舞台は太陽が燦々とてったオーストラリアの荒野だからだ。真夏の映画に見えるかもしれない。しかしながら、オーストラリアは南半球なので、日本やアメリカ、北欧とは真逆の気候だ。だからサンタクロースはサーフィンしながらやってくるのがオーストラリアのクリスマスだったりする。さて、この作品はオーストラリアのど田舎の先生がクリスマス休暇で恋人のいるシドニーにいく道中で起こる怖い物語が語られる。シドニーにいく道中でとある町で足止めを食らうのだが、町の人が異常に優しくて酒を飲ませまくり、アル中になるはギャンブルで金をするはで、町から抜け出せなくなっていく恐怖が描かれている。みんな笑顔なのに、とてつもなく怖い作品だ。ふと思えば、サラリーマンにとって今は忘年会のシーズン。友達と盃を交わすのは楽しいが、大して楽しくない忘年会に参加させられるのは苦痛だ。アルハラ、モラハラ、セクハラに悩まされるサラリーマンも多いのでは、本作を観ると、連日会社の飲み会に付き合わされ、全然会いたい人とクリスマスを過ごせない者の悲哀が薄ら見えて切なくなります。長年、日本で観られなかった作品ですが、最近DVDが発売され、TSUTAYAでもレンタルされているので是非挑戦してみてください。

最後に…


いかがでしたでしょうか?他にも『サンタクロースはゲス野郎』とか『アイズ ワイド シャット』とか隠れたクリスマス映画は沢山あります。変わったクリスマス映画に挑戦してみようと思った方は是非上記の作品に挑戦してみてください。

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