【Netflix】『動物世界』俺は実写版スプラトゥーンを見ていたのか?それともじゃんけんゲームを観たのか?

動物世界(2018)
动物世界/Animal World

監督:ハン・イエン
出演:リー・イーフォン、チョウ・ドンユイ、マイケル・ダグラスetc

評価:75点

Netflixに中国が『賭博黙示録カイジ』をリメイクした『動物世界』が配信されていた。カイジといえば、エスポワール号、じゃんけんゲーム、藤原竜也に「ざわ…ざわ…ざわ…」と原作漫画を読んだことがない人の間でもクズのアイコンになっている人気作品だ。興味惹かれ観たのだが、これがなかなか面白かった…

『動物世界』あらすじ

自堕落な生活を送っている若者に降りかかった多額な借金。彼はそれを返す為、一発逆転ゲームに挑むことに…デステニー号は彼に微笑むのだろうか…

実写版スプラトゥーンだった


いきなり、ピエロが無双するシーンから始まる。電車の中を蠢くモンスターをピエロが惨殺しまくる。そして赤に緑に青といった絵の具のようにねっとりした生き血が電車内に飛び散る。俺は「カイジを観ているんだよな…」と不安になる。目の前には、スプラトゥーンのような世界しか広がっていないのだから。やがて、これがピエロの回想だと知るが…いきなり、「俺はカイジ・ジョン」と自己紹介を始める。お前かよ!カイジは!

どうやら、妄想癖のあるこの男こそがカイジらしい。ピエロのマスクを脱ぐと、佐藤健そっくりなリー・イーフォンの顔が顕になる。そして、お決まりの闇の組織に借金を突きつけられる場面が展開されるのだが、CGクリエーターに仕事を回したいのだろうか?やたらと豪華ド派手なVFXが画面を支配する。ハエが飛ぶ姿ですら、緻密にVFXを施していて大草原不可避だ。

じゃんけんゲームに特化する強み

ただ、この後、しっかりと『賭博黙示録カイジ』になります。エスポワール号こそデステニー号に変えられているが、船の中でじゃんけんゲームが展開される。本作は、藤原竜也版とは違い、《じゃんけんゲーム》一つに特化したことで、人間が持つクズな側面を最大限引き出す魅力的な作品となっていた。ライバルに嵌めらるものの、負け犬を集めて徒党を組み、リベンジを測る。しかし、じゃんけんカードや星の価値の変化と共に、仲間内でも裏切りが発生し、誰が味方かが分からなくなっていく。最後に信じられるのは自分のみ。藤原竜也版では希薄になってしまい、彼の演劇的慟哭パワープレーで押し切ってしまったものが、ここでは重厚に描かれていて満足度が高い。

これぞ正しい中国リメイクだ。近年チャイナマネーでハリウッド映画が作られる。しかし、多くはチャイナに忖度して、映画としての面白さが損なわれてしまっている。本作は確かに、ピエロとかモンスターアクションとか一見余計なシーンが多いのだが、ここまで吹っ切りてこそリメイクとしての価値があると感じた。気軽に楽しめる娯楽映画なので、暇つぶしにどうぞ!

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