【ネタバレなし】『ラブレス』ズビャギンツェフ最新作はマジでLOVELESSだった

ラブレス(2017)
英題:LOVELESS
原題:Нелюбовь

監督:アンドレイ・ズビャギンツェフ
出演:マリアナ・スピヴァク、
アレクセイ・ロズィンetc

評価:75点

キリル文字の方が読みやすい名前No.1(ブンブン調べ)のアンドレイ・ズビャギンツェフАндре́й Звя́гинцев監督最新作。日本公開4/7(土)ですが試写会で一足早く拝見してきました。

『ラブレス』あらすじ

ボリスとイニヤは離婚を決めている。既に二人には新しいパートナーがおり、一刻も早く事務処理を終わらせて別れたがっている。そんな中、息子が疾走する事件が発生。ボリスとイニヤは警察や地元のボランティア団体に相談して捜索するのだが…

マジでLOVELESSだった

このタイトルに偽りなし。愛のない世界の地獄が描かれていた。

互いに不倫をしていて、離婚も決まっている夫婦。対面するなり激しい口喧嘩が繰り広げられる。そして、離婚後の息子を誰が引き取るかでヒートアップ。互いに押し付けあう。悲しみにくれる息子。息子が涙を魅せているのに、父は仕事、別の女とのセックスに忙しく、母はスマホ、別の男とのセックスに忙しい。誰も息子を必要としていない。怒りと悲しみと憎しみに暮れる息子は復讐するかのように、、、消えた。

こうあらすじを聞くと、息子の失踪をきっかけにLOVELESSな関係が癒されていく話に見えるかもしれない。しかし、相手はズビャギンツェフだ。そんな展開になる訳がない。

徹底的にLOVELESSな溝を深めに深める。思わず笑ってしまうレベルで、夫婦のエゴが対立し混沌を極めていくのだ。

それを、ズビャギンツェフの右腕カメラマンであるミハイル・クリチマンの舐めるようなカメラワーク。アンドレイ・ポンクラトフのもはやSF映画さながらのインテリア配置で汚く廃墟な世界の中にある《美》が切り取られる。廃墟フェチ、長回しフェチにとっては発狂レベルだ。さらに、『メン・イン・キャット

』のガルペリン兄弟による緊迫したサウンドが映画を盛り上げ私の心をがっつり掴み離さない。

作品を経るごとにブラックユーモアレベルと凶悪さが増すズビャギンツェフ作品ではあるが、今回は集大成といえよう。

日本公開は4/7ヒューマントラストシネマ有楽町他にて。
是非劇場で、特に音響の良い映画館でウォッチしてみてください。

余談:狂気の抽選大会

今回の試写会は原宿クエストとのコラボで、上映後には111名に当たる商品券の抽選会が行われた。『ラブレス』を観た後に明るく行われた抽選会には狂気を感じました。とはいえ1000円券を頂いたので、私とダチはお蕎麦屋でせいろを有り難く頂きました。

ズビャギンツェフ映画記事

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