【ネタバレ】『羊の木』はおもてなし課から出向した錦戸亮のエクストリームおもてなし映画だ!

羊の木(2018)

監督:吉田大八
出演:錦戸亮,木村文乃,
北村一輝,優香,
市川実日子etc

評価:65点

吉田大八監督最新作『羊の木』が公開された。山上たつひこ原作・いがらしみきお作画の同名コミックの映画化。富山の片田舎にやってきた6人の殺人犯に振り回される市の役人を描いた作品。映画ファンの集いで、参加者の方からオススメされ、今回観ることにした。これが、『スリー・ビルボード』を観た後に鑑賞したことを非常に後悔した惜しい作品であった。本作は、『スリー・ビルボード』同様、何語ってもネタバレになってしまうので、未見の方は今すぐこのページを閉じて映画館へ向かってください。

『羊の木』あらすじ

過疎化が進む富山県魚深市に6人の男女が一気に越してくる。その6人の面倒を任された役人・月末一。は部長から衝撃の事実を告げられる。「彼らは刑務所から来た奴だ。これは極秘の国家プロジェクトだ。」果たして月末一は6人の犯罪人をもてなすことができるのだろうか…?

錦戸亮エクストリームおもてなし日記

『県庁おもてなし課』で意識高い爽やか役人を務めた錦戸亮が、高知県から富山県に異動。『県庁おもてなし課』時代がイージーモードだとすれば、『羊の木』の富山県魚深市ライフは、ゲーム全クリ後に出現するエクストリームハードモードさながらの難易度だ。

錦戸亮は、部長から今度移住してくる6人の男女をおもてなしするというミッションが与えられる。爽やかシティーボーイの錦戸亮君は爽やか笑顔で、「ココは良いところですよ。人も良いし、魚も美味い。」という。しかし、やってくる人が、狂った大食い魔、バインミーボインミーな姉ちゃん、YASKUZA☆に、ピエール瀧っぽいヤバ男、尾頭ヒロミ

サイコパス高田

と可笑しなピーポーでドン引く。「ココは良いところですよ。人も良いし、魚も美味い。」という必殺台詞もどんどん力が抜けて来て大草原不可避だ。

このシーンだけでこの映画は大傑作だと思った。しかも、何故富山の田舎町に犯罪者が6人も移住するのかという理由が、「過疎化対策と、刑務所維持費の削減で、犯罪者を早めに仮釈放し、田舎町に10年閉じ込めておく国家プロジェクト」だというのだ。このアイデアを考えた原作者すげーな。村上龍の『希望の国のエクソダス』を思わせる狂ったユートピア像に、ブンブンはヨダレが出るくらい気に入りました。

しかし、これが物語が進むに従って残念な映画と成り果ててしまった…

時間切れ!キャラクターの深掘りが甘すぎる!

ココまでの導入で、観客はこう思うであろう。「6人の犯罪者が、巧みに絡み合い、衝撃のどんでん返しが展開される。」と。これが、ないんですよ。6人の特徴的な登場人物が一堂に交差する場面は、のろろ祭の集まりのみ。それ以外は、ピエール瀧っぽい男とサイコパス高田のバトルシーンぐらいでしか、犯罪者は絡まないのだ。狂った大食い魔も折角、呑みの席で暴力性を露わにしたのに、その後はすっかり音沙汰ない。尾頭ヒロミなんか空気でしかない。

これでは、物語前半で語られていた各犯罪者のヤバイ噂が宙に浮いただけだ。恐らく、登場人物の描き方が勿体無い作りになってしまった理由として、上映時間に収めきれなかったことが挙げられるであろう。約2時間に6人もの登場人物の交差を描くのは無理があった。なんたって、本作にはダレるシーンが全くないのだ。吉田大八の軽快な語り口で、ドンドン、この映画はどう動いていくのかと引き込まれていく。めちゃくちゃ面白いのだ。だからこそ3時間ぐらいかけてもいいから、しっかり登場人物同士の暴力性をしっかり見せて欲しかった。ミステリーとしてちゃんと謎を解決して欲しかった。

これでは、ただただ観客の興味を惹くだけの予告編レベルだ。ちょっと原作読んでみたくなったぞ!

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