【ネタバレなし解説】「ダンケルク」エースコンバット好きはIMAXど真ん中で観てくれ!!

ダンケルク(2017)
DUNKIRK(2017)

監督:クリストファー・ノーラン
出演:フィオン・ホワイトヘッド、
トム・ハーディ、キリアン・マーフィ、
ケネス・ブラナー、
フィオン・ホワイトヘッドetc

評価:80点

↑「インセプション」のメイキング

↑「ダンケルク」のメイキング1

↑「ダンケルク」のメイキング2

クリストファー・ノーラン、CGをとことん嫌う鬼才。「ダークナイト」では本当に病院を爆破させたり、「インセプション」の回転廊下での死闘は本当にセットを回転させて撮った。そしてこの鬼才はとことんIMAX70mmフィルムでの撮影に拘っている。今となっては死に絶えている技術にも関わらず。そんな鬼才クリストファー・ノーランが初めて実話、それも戦争映画に挑戦。「ぼくのエリ 200歳の少女」「インターステラー

」で一躍有名になったオランダの撮影監督ホイテ・ヴァン・ホイテマ、「すばらしき映画音楽たち

」でフィーチャーされていた名作曲家ハンス・ジマー、そして「マッド・マックス/怒りのデス・ロード

」のトム・ハーディ、「ハイドリヒを撃て

」のキリアン・マーフィーという完璧すぎる布陣で映画を完成させた。Twitterでは、IMAXが日本でも有名になったここ10年の中で異例なほど「悪いことは言わん。IMAXで観ろ!」と言う口コミが相次いだ。

ブンブンも先日TOHOシネマズららぽーと横浜で観てきました。TOHOシネマズららぽーと横浜は比較的空いていました。なので、ど真ん中席で鑑賞できたぞ!

「ダンケルク」あらすじ

1940/05/24~1940/06/04にフランス・ダンケルクで起きた戦闘の映画化(実は「激戦ダンケルク(Dunkirk)」「ダンケルク (Week-End A Zuydcoote) 」と何度か映画化されている)。ドイツ軍の圧倒的強さにより、ダンケルク追い詰められたイギリス軍とフランス軍。もうじき、ドイツ軍による大殺戮が行われようとしている。
本作は陸地(一ヶ月)、海(一週間)、空(一日)で戦う人々を交差させながら人々を地獄の戦場に誘う…

本作をIMAXで観なければいけない訳

実際にIMAXで観たのだが、これは「インターステラー」以上にIMAXで観なければいけない案件だった。IMAXは通常のスクリーンと比べて、縦に映し出される範囲が40%程大きい。なので、通常のスクリーンで観ると戦闘シーンの奥行きや、登場人物の表情が十分に観られないのだ。

そしてIMAXレベルの音響(立川シネマシティの爆音上映も代替可)で楽しまないと、本作の凄まじさは分からない作品になっています。

まず、ストーリーについて語る前にこれだけは言っておきたい。それはエースコンバット好きはゼッタイにIMAX且つど真ん中の席で観ないといけないということだ。エースコンバットとは、戦闘機ゲームの大人気シリーズ。熱いストーリーに、リアルなドッグファイトを楽しめるのでブンブンも好きなゲームだ。

本作のドッグファイトシーンは、まさにエースコンバット好きにとってよだれが出るほど魅力的だ。まるでコックピットに乗っているかのような臨場感に、なかなか弾が敵機に当たらないもどかしさ。それを、IMAXならではの繊細な爆音で体感できるのだ。クリストファー・ノーラン監督は恐らく、ジョン・フォードの「ミッドウェイ海戦」等1940年代に作られたプロパガンダニュース映画を相当研究したであろう、徹底的な戦闘機描写のリアリズムに圧倒されました。

なので悪いことは言わん。エースコンバット好きはゼッタイにIMAXど真ん中席で観てくれ!

ノーラン、ホイテマ、ジマーは観客を殺しに来る

さて、いよいよ感想を語るとします。

本作は例えるならば、「ハクソー・リッジ

」からドラマシーンを抜いた作品だ。通常、どんな戦争映画、エクストリームな映画だって登場人物紹介シーンやアクションシーンに移るための下準備がなされる。あのマイケル・ベイの爆破しかない戦争映画「パール・ハーバー」だって、ドラマシーンはあった。しかし、「ダンケルク」はいきなりクライマックス。ドイツ軍の大殺戮開始のタイムリミットが迫るダンケルクからの脱出が上映1秒から始まっているのだ。そう、起承転結の「起承」がないのだ。英国兵が、死にそうになりながら逃げる。ホイテマのドキュメンタリータッチの狂ったカメラワークに、ハンス・ジマーのチクタクチクタクと時計の秒針が木魂する狂ったサウンドに観客の心は不安に包まれる。

そして、その不安を100倍にした、「もうやめてくれー」と失神したくなるほどの絶望的な展開が津波のように観客に押し寄せてくる。

本作はクリストファー・ノーラン監督作にしては短い106分の作品だが、もし3時間の映画だったら映画館で死傷者が出るだろうと思うほど、マジで彼らは観客を戦地に引きずり出し殺しに来ます。

群像劇として一流

ただ、爆破と殺戮だけの映画なら、そこまで観客の心を鷲掴みにしないであろう。
本作が面白いのは陸・海・空で展開される3つの話が非常に面白い形で交差する、そう群像劇としてピカイチのクオリティを持っているからである。

人によっては混乱する話に見えるが、実はやっていることはシンプル。

↑ダンケルクはここです

まず、陸から船に乗ってイギリスへ脱出しようとするイギリス軍の一ヶ月の話、イギリスから小さいマイボートでダンケルクに向かう家族の一週間の話、そして燃料僅かな戦闘機でダンケルクに助太刀するパイロットの一日。各登場人物の期間が違う戦い最後の一日にフォーカスしてこの「ダンケルク」は作られている。

そして、各話に移ると、少し時間軸を巻き戻して、別の話と接点を持たせているのだ。なので、全く会ったことも、話したこともない赤の他人が一つの危機によって、見えないところで熱く関係していることが分かるのです。

それだけにラストに行くに従って、各登場人物の「生きてくれ!」という言葉が重層的に折り重なり、号泣もののカタルシスを生み出す。

なので、一見全編クライマックス爆破映画に見えて、実は脚本も優れている作品だ。

アカデミー賞への影響は?

来年発表される第90回アカデミー賞では間違いなく注目されるだろう。ノミネート可能性ある部門だけでも、
・作品賞
・監督賞
・脚本賞
・作曲賞
・音響賞
・撮影賞

の6部門はノミネート確実なのではないでしょうか?

本作は映画ファンはMUST WATCH!それもIMAXでMUST WATCHなのは誰が観ても揺るがないだろう。なので、今劇場で観られる今だからこそ観て欲しい作品でした。

おまけ1:フランスからイギリスへ行けるぞ!

映画の中では、イギリスからフランスに行くためには、飛行機か船しか選択肢はなかったのだが、今は車でドーバー海峡を渡ることができます。

ダンケルクから西に50kmぐらい行ったカレーという街に英仏海峡トンネル(Tunnel sous la Manche)が通っています。

ブンブン高校3年生の時に欧州一人旅をしており、その時にフランスからバスでイギリスに渡りました。長い筒状の巨大貨物列車にバス毎入り、30分ぐらいで渡れます。パリからロンドン行きのバスに乗ると、この経験ができるので、もしダンケルクに行く際は是非ドーバー海峡を渡ってみてください!

おまけ2:【BUN’Sキッチン】ダンケルク飯作ってみた

本作を観た人ならば、誰しもがジャムパンを食べたくなるだろう。そこで作ってみました。

ダンケルク飯作り方(3分)

・パン 一切れ
・ジャム 適量
・紅茶

1.お湯を沸かします
2.パンにジャムを塗ります
3.紅茶を入れます

大型バットにパンを入れたら完成。これであなたも戦場にいる気分になれるぞ!

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