【ネタバレ】「カーズ クロスロード」は大人向けディズニー映画だった件

カーズ クロスロード(2017)
Cars3

監督:ブライアン・フィー
声の出演:オーウェン・ウィルソン(土田大)、
クリステラ・アロンゾ(松岡茉優)、
アーミー・ハマー(藤森慎吾)、
ラリー・ザ・ケーブル・ガイ
(山口智充)

評価:80点

ディズニー×ピクサー映画「カーズ」シリーズ3作目。実は、最初の作品はマイケル・J・フォックスの「ドク・ハリウッド」のパクリ且つラストが気にくわなかったので、食指が動かなかったのですが、観てきました。

これが怪作。本当に子ども向け?いくらなんでもハード過ぎるのではと思う程、鬱の薫り包む傑作でした。

「カーズ クロスロード」あらすじ

レース界のスーパースターことマックイーンだったが、次世代レーシングマシンのジャクソン・ストームが出現したことから試合に勝てなくなってしまう。次々と、従来機が引退する中、マックイーンはある闘いに出る…

人生の蹉跌が辛すぎる…

本作は、華のレーサー、マックイーンが次世代レーサーに勝てなくなるところから始まる。IoTの限りを尽くしたレーサーの出現で次々と老レーサーが引退していく。世間もマックイーンに引退を囁く中、彼はもう一度返り咲く為に奮闘する。

大人になった者が観ると、「やめて、もうマックイーンのライフはゼロよ!」と叫びたくなる程徹底して嫌な地獄、厭世的な世界を魅せてくる。完全にレーサーとして引退する流れができているのならまだ天国。

しかし、マックイーンの前に下手に新しいスポンサーが付いてしまうのです。一抹の光をチラつかせて、何度も「引退」を突きつける地獄。結果が出せなかったら即クビな状況。相変わらず、世間はマックイーンを忘れず執拗に追回し嘲笑する。なんて生々しい世界なんだと圧倒させられました。

それでもって、希望を失わずに、新しい自分の生き様、居場所を開拓する。その淡い青春っぷりに私の心は鷲掴みにされました。栄光からの挫折、そして復活を経験した人には堪らない作品なのは間違いない。

子どもは退屈?

TOHOシネマズ海老名で観たのですが、夏休みということもあって多くの子ども連れが来ていました。しかし、思った以上にレースシーンが少なく、金と名誉のドラマ部分を長々と描いているため、子どもたちは次第に座席を蹴ったり身体をウネウネさせ始め、かなり退屈そうに観ていました。そう考えると、本作は完全に大人向けな作品と言えよう。

問題のラストシーン

ディズニー、ピクサー映画は、グローバルな問題を徹底的に取り込もうとしている。しかも、それでもって丸く収めようとする。それこそ「ズートピア

」がその成功例です。

ただ、本作は物語を丸く収めようとし過ぎて、ラストが「えっ〜それでいいの〜」な内容だったのが憎き紅のシミ。非常に惜しい作品と言えよう。なんたって、レースに出場したマックイーンが途中でレースを棄権して、トレーナーであるクルーズ・ラミレスに残りのレースを託すのです。調べたら、どうやらレースの途中で車(?)人(?)を変えるのはアリらしいのですが、あまりの投げやりな試合運びに唖然としました。

まあ、分からなくもない。「ハスラー2」的要素を強調させたかったのかな(余談だが、本作には「ハスラー2」のポール・ニューマンの声が当てられている場面がある)とは思う。しかし、1作目同様。レースという「勝つか負けるか」の世界においてこうも中途半端に物語を締めくくるのはどうかと思ってしまう。

とはいえ、人生の蹉跌を経験したことのあるブンブンの心にはぐっとくる一本でした。

P.S.オリエンタルラジオ藤森慎吾の演技が上手い

今回、吹き替え版で観たのだが、ライバル役のジャクソン・ストームを演じたオリエンタルラジオ藤森慎吾の演技が上手かったです。若きレーサーとしてのチャラサが滲みでまくっていました。

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