「100人の子供たちが列車を待っている」映画の、教育の素晴らしき教科書

100人の子供たちが列車を待っている(1988)
CIEN NINOS ESPERANDO UN TREN(1988)

監督:イグナシオ・アグエロ

評価:95点

自宅からチリのドキュメンタリー映画「100人の子供たちが列車を待っている」を観てみた。映画を観たことのない子ども達に映画の面白さを教える活動を追ったドキュメンタリーと聞くが果たして…

「100人の子供たちが列車を待っている」あらすじ

チリのサンチアゴ郊外で週末映画学校が開幕。映画を観たことのない子ども達に、映画の面白さを伝えようとする先生の活動を追った中編ドキュメンタリー。

素晴らしき映画教育

若い人が映画を1年に1本観るか観ないかの時代になってしまった現代日本。若い人に映画を観てもらう為のヒントがそこにあった。

「ミツバチのささやき」を彷彿させられるチリの田舎町、ほとんどの子どもたちが映画館で映画を観たことがない。観ていても「ロッキー」ぐらい。そんな子どもたちに映画の面白さを伝えに先生がやってきた。
まず、子どもたちにとって抽象的な「映画」に親近感を覚えさせるため、映画を0から作らせる。ゾートロープを作らせる。自分の手で作った映画に子ども達は喜ぶ。
そして、「列車の到着」から「父、パードレ・パドローネ」を観せる。普通なら「パルムドール作品を子どもが観て理解できるのか?」と思う。しかし、しっかり映画への愛を植え付けた上で観せているので、子どもたちは興味津々楽しむ。しかも、そこから子ども達は自分たちの物語を考え始める。アイデアがあふれ出てくる。

そう、映画はシネフィルが格式高いものと線引きしてはいけない。誰でも楽しめる娯楽であり続けなければならないことを「100人の子供たちが列車を待っている」は教えてくれます。

それは教育も一緒、難しいから教えないは罪だ。小学校のテストでで、かけ算の順序を違えたり、習っていないことを使ったから減点することが如何に不毛か。子どもの発想力を失う以外ない。本作で、映画のテーマ決めで子どもたちが自主的に「あるモノ」を選んだところを観るとそれを痛感せずにはいられない。

最後に「映画の誕生日は1895年12月28日です。よく覚えておいてください」という名言を残していることにブンブンの心は燃え上がるくらい熱くなりました(*^_^*)

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