「ハイドリヒを撃て!『ナチの野獣』暗殺作戦」ショーン・エリスが放つ銃撃戦の美学

ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦(2016)
ANTHROPOID(2016)

監督:ショーン・エリス
出演:キリアン・マーフィー、
ジェイミー・ドーナンetc

評価:75点

ブンブンシネマランキング2015旧作洋画7位を獲得した「メトロマニラ 世界で最も危険な街」(NETFLIXにて配信中)のショーン・エリス最新作。注目のアイルランド人俳優キリアン・マーフィ(「28日後…」「インセプション」etc)とジェイミー・ドーナン(「マリー・アントワネット」、「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ

」etc)を起用し描くナチス高官暗殺事件の映画化。

日本では「ハイドリヒを撃て!『ナチの野獣』暗殺作戦」(原題はエンスラポイド作戦から取り「ANTHROPOID」)と凄い邦題で8/12に公開だが、今回、マルタ行きの飛行機で観てきました。

「ハイドリヒを撃て!」あらすじ

1942年、チェコを支配していたナチスドイツのハイドリヒ暗殺を目指しエンスラポイド作戦を計画する。厳重な監視下で、若者達が着々と準備を整えていく…

リアリズムのショーン・エリス節炸裂!

ショーン・エリス監督は、リアリズムとアクションのバランス感覚に優れており、「メトロマニラ 世界で最も危険な街 」同様、
まるで観客も激動の渦中に放り込まれたようなスリルを味わうことができる。

物語前半、少し冗長に作戦の準備を整えていく。ナチスや密告者にいつバレるか分からないハラハラドキドキを誘う。若者たちは、決して
ヒットマンとかジェームズ・ボンドのようなプロではない。やはりボスキャラことハイドリヒ暗殺となると冷や汗がでてしまう。

暗殺当日、広場に若者が集まり、今か今かとハイドリヒの車を待つのだが、この暗殺時刻数分前の焦らし方、若者たちが焦りのあまりに見せる隙にハラハラドキドキさせられる。もう無理なんじゃないかと不安にさせられる。

本作は凄いところは、映画的ハラハラドキドキ感を演出しつつも、リアリズムを共存させているところにある。この手の映画は敵(この場合SS側)が、あたかも強そうに描き人間味を失いがちだが、どちらも銃弾を外したり、痛みを感じつつ攻防させるので、非常に人間臭い戦いが観られる。

特に教会でのバトルは、銃撃戦なのにしっかり心理戦に仕上げているので好きだ。

角に回り込めば背中を取れるのでは?相手の手榴弾をとっさに返していく仕草。熱い熱いバトルにのめり込みました。

この夏の戦争映画は、「ハイドリヒを撃て!『ナチの野獣』暗殺作戦」で決まりだ!

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