【ネタバレなし】星野源がストーカーに!「夜は短し歩けよ乙女」はドラッグ映画だった…

夜は短し歩けよ乙女(2017)
The Night Is Short, Walk on Girl(2017)

監督:湯浅政明
声の出演:星野源、花澤香菜、
神谷浩史、秋山竜次(ロバート)etc

評価:65点

女性を中心に絶大なファンを持っている作家・森見登美彦の小説のアニメ化!既に「四畳半神話大系」「有頂天家族」はアニメ化されているのですが、今回はなんと長編アニメとして劇場公開に至った。監督は「四畳半神話大系」を手がけた湯浅政明。森見ワールドを再現したサイケデリックでぶっ飛んだ世界観を今回も発揮している模様。
現在、シン・シャカイジンとして研修の日々を送っているブンブンですが、金曜日の夜にTOHOシネマズ日本橋に駆けつけました。同じ心持ちかシン・シャカイジンと思われる集団が沢山来ていましたよ♪
※「四畳半神話大系」はNetflixで配信中

「夜は短し歩けよ乙女」あらすじ

【ナカメ作戦】…「ナ」るべく「カ」ノジョの「メ」にとまる作戦のこと。要はストーカー。
後輩に恋をした大学せいの「私」は、一緒に行くことになった呑み会で、なんとか自分の恋に気づいて貰おうと「ナカメ作戦実行中」。しかし、イケイケドンドン進む後輩は、先輩の恋心なんぞ気づく筈がない。そんなショボい大学生と後輩の狂気に満ちた一晩を描く。

内容は酷い

最初に言っておく、本作にストーリーなんぞを期待しようものなら、「お友達パンチ」を食らわせたくなる程凄惨です。
なんと言っても、物語が破綻している。この世界ではどんだけ夜が長いのだと思う程、半日、いや一日で成し遂げられない程の事件が展開されている。しかも、ラブストーリーとしてショボイ大学生は1mmたりとも成長していないし、後輩が先輩の恋に気づかせる描写は今年ワーストといって良いほど酷い。また、某ロックバンドに謝って欲しい程、名曲を改悪している。なので、人によってはワースト直行。賛否両論別れるのも納得な作品になっている。また、常時クライマックス演出かつ、山場が何カ所もあるので冗長さを感じる。

でも嫌いにはなれない

しかし、ブンブンはこの「夜は短し歩けよ乙女」は嫌いになれなかった。寧ろ大好きです♡まず、なんと言っても落語的に畳みかける森見登美彦の世界観を完全再現しています。彼の小説を映画化するには、脳内に流れ出てくる情報の混沌、情報の暴力を完全に再現しなければいけない。それを湯浅政明は見事に演出している。

リチャード・リンクレイターの「ウェイキング・ライフ」を観ているかのような、グニャングニャンに動く、酔いそうな程の映像。そして、畳みかける文学の知識、現実と虚構が錯綜とする「ココはどこだ?」感溢れる描写。ブンブンはこの世界観にノックアウトされた。ストーリー的にも寺山修司要素があるため、寺山修司の演出を参考にしたとがあり、このサンプリングが怪物のようにカルトな世界観を創り上げていました。

また、今回主人公を演じた星野源が、常に早口で話すのだが、これが上手い。湯浅政明は「四畳半神話大系」に出てくる登場人物と、「夜は短し歩けよ乙女」の登場人物を同一に描いている。「四畳半神話大系」で主人公にあたる大学生を演じた声優・浅沼晋太郎に負けず劣らず演じきった点お見事と言える。

シン・シャカイジン必見!

でも、それだけならそこまで評価は高くしない。本作が、ブンブンの心を鷲掴みした理由。それはノスタルジーにあります。

本作は大学時代の自由を持てあましたインテリゲンチャの騒乱を描いている。その騒乱が、ブンブンの法政時代、それこそ大学1,2年の時を思い出させてくれる。嵐のように過ぎ去る大学生活を、本作はジェイムズ・ジョイスの「ユリシーズ」が如く一日にねじ込んでいる。だからどこか懐かしい。「もう、社会人になってしまったんだな…」と嵐の後のしんみりさがブンブンに押し寄せる。だからこそ、本作は嫌いにはなれなかった。

研修中のシン・シャカイジンの皆さんにオススメしたい。なんなら、会社の同僚、一目惚れした女の子と一緒に行ってみてはいかがでしょうか?

主題歌:ASIAN KUNG-FU GENERATION「荒野を歩け」

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