2016年ブンブン映画ベストテン(新作邦画編) 1位は「何者」

2017年ブンブン映画ベストテン
(新作邦画編)

今年は、異常な程
日本映画が豊作であった。
特に意外なことに、
大手の大作映画が
そろいもそろって傑作を
放っており、
東宝が「シン・ゴジラ」、
「君の名は。」

バケモノみたいな
大傑作を放ったのが
印象的だ。

また、今年はアニメ映画に
傑作が眠っていることが
多く、ブンブンも今回の
ベストテンはアニメ映画
だらけになりましたw

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※青下線をクリックすると各作品のレビューが観られます。

1.何者(2016)

鑑賞環境:TOHOシネマズ渋谷

今年は就活生として激動の1年を
送った年でした。
そんな生身の就活生が観ても、
一切偽りなく、今時の「就活生」
の縮図が本作に凝縮されていた。

すべてのキャラは実際に存在する。
ブンブンは、佐藤健の役同様
SNSで他人をあざ笑う立場だった。

また、岡田将生扮する
就活諦めて自分の軌道を
探そうと見栄を張る者、
二階堂ふみ扮する
見栄を張る女子も
ブンブンの周りには
ゴロゴロいて、
お互いに見えない
ナイフで差し合う
様子は観ていて辛かった。

何者でもない苦悩を
彷徨う中で、
何者になろうと
もがく青春の痛みが
良く描けており、
今年はこれ以外に
ベスト1が考えられなかった。

2.この世界の片隅に(2016)

鑑賞環境:ユーロスペース

今年就活がなければ、
間違いなく「この世界の片隅に」
をベスト1に持ってきていました。

本作は戦争映画として凄まじい発明を
している。終わりが見えない戦争の
日々の長さを演出しつつも、
「怒りのデス・ロード」よろしく、
たたみかけるカット割り、
時間によるカウントダウンという
長さとタイムリミットの2つの
相反する要素を結合させた
斬新さに度肝を抜かれた。

また、こうの史代の緻密で
アヴァンギャルドな原作を
忠実に再現しつつも、
ここは!というところを
カット&付け足しする
キラリと光る技巧、
なんといっても「のんさん」
とコトリンゴのシンクロ率
まさに神っているとはこのことだ。

しかも本作唯一の欠点である、
ギャグや爆撃描写を
十分に魅せずに次へと
シーンを切り替えてしまう問題は
予算の都合と言うことを考えると、
ブンブンもクラウドファンディングで
5万円ぐらい支援すれば良かったと
公開するほどだ。

これは日本の宝と言っても
過言ではない。

3.シン・ゴジラ(2016)

鑑賞環境:TOHOシネマズ新宿

東宝なめてーた!
樋口監督すみません!
3.11後、日本が放つゴジラは
ギャレス・エドワーズの「ゴジラ」
とは比べものにならないほど、
現実味を帯びたストーリーに
なっていた。

情報自体は閣僚に届いているにも
関わらず、鈍重で遅々と進まず、
どんどん酷い方向へ進んでいく
様子は東日本大震災時の
東電を思わせる。

ただの怪獣映画ではなく、
政治ドラマとしての魅力もあり、
しかもゴジラによる街破壊シーンも
これでもかというほどの
激しい戦闘を描いていて
非常に楽しかった。

また、一人の英雄がゴジラを倒す
話ではなく、個性的、
いやクズだったりコミュ障だったり、
変人だったりする人が協力して
総意でゴジラに立ち向かう様子は
日本的で、これぞ日本のゴジラ映画と
思いました。

4.淵に立つ(2016)

鑑賞環境:シネマート新宿

深田監督作品は非常にヨーロッパ映画
っぽいのだが、是枝監督や河瀬監督と
比べカンヌ国際映画祭に媚びない。
下手に日本らしさを出さないところに
好感を覚える。

そんな彼の新作は非常に
ミニマムながらも
怖く味わい深い作品となっている。

ある一家が浅田忠信扮する
招かれざる男によって壊されていく。

ずっと白い服を着ていた
浅田忠信が、あるシーンで
白い上着を脱ぎ、
赤シャツになる=悪魔性を魅せる
といったシーンに神話性を感じる。

間の使い方や、滲み出る
いや~な感じは
「クリーピー」より遙かに良かった。

5.君の名は。(2016)

鑑賞環境:TOHOシネマズ日本橋

正直一番驚かせられた作品だ。
予告編を観る限り、
ベタな男女入れ替わりもの、
「転校生」の二番煎じに
過ぎない印象を受けた。

確かにプロットは
大林宣彦版
「転校生」そのもの、
仕草まで大林感全開
だったのだが、
なんと新海誠監督は、
ベタにベタをぶつける形で
新境地を築き上げた。

なんと、
物語途中から
「時をかける少女」の
プロットをぶつけてきたのだ。

RADWIMPSの曲に合わせ、
核融合反応して見える
世界は美しかった。

新海誠監督の美しい絵は
そのままに、従来の彼の
作品が持っていたエモ過ぎる
描写を川村元気の
ブラッシュアップでもって
調整したあたり本当に
お見事。

コレ一本で何時間でも
語り合える、今年を代表とする
作品であった。

→NEXT:6~10位

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