2016年ブンブン映画ベストテン(旧作邦画編) 1位は「サウダーヂ」

2017年ブンブン映画ベストテン
(旧作邦画編)

今年は、就活ということもあり、
また基本的に映画館で鑑賞していた
こともあって、あまり旧作の
邦画を観ていません。

なので、10作品選ぶのには
少し苦労しましたが、
それでも人生観を変える
素晴らしい日本映画と
沢山で会えた年でした。

学生時代最後の10作品
として悔いのない
10本だと胸を
張って言えるので、
未見の方は是非お試しあれ。

2015年旧作方が部門ランキング

2014年旧作邦画部門ランキング

※青下線をクリックすると各作品のレビューが観られます。

1.サウダーヂ(2011)

鑑賞環境:シネマヴェーラ

2011年に公開されてからずっと
観たかった作品。
というのも、本作を作っている
空族というグループは、
製作映画全て一切DVD化しない
方針を貫いており、
数年に一度劇場でかかるのを
待たないと行けないのだ。

今年、ようやくタイミングが合い、
シネマヴェーラで35mmバージョンを
観たのだが圧巻だった。

日本に夢を見て山梨に流れ着いた
外国人達、都会に憧れを抱く
現地人。それぞれが、
憧れと郷愁=サウダーヂを
抱くがもろくも崩れ去る苦悩は
「ズートピア」以上に切なく
心に刺さった。

また映像がとてつもなく
クールなのもあって、
人生観を揺さぶられた一本だ。
空族の新作「バンコクナイツ」が
2月に公開するようなので楽しみだ。

2.㊙色情めす市場(1974)

鑑賞環境:シネマヴェーラ

卒業論文テーマが
1970年代デンマーク
ポルノ映画であり、
また今年はロマンポルノ
リブートプロジェクトの
年でもあることから、
全盛期の日活ロマンポルノ
をいくつか観たのだが、
本作はレベルが段違いであった。

娼館でも働けない、
ドヤ街の娼婦一家から
見える負のスパイラル、
地獄絵図のような性描写
から見える悲哀に
打のめされた。

そして、モノクロと
カラーを使い分けることに
より、
時の止まったドヤ街が
強調され、時代の
終わりが露見する
高度な技術、
ドールを
使ったとあるシーンなど
インスピレーション
かき立てられるシーンの
数々に心を鷲掴みに
された。

3.映画クレヨンしんちゃんガチンコ! 
逆襲ロボとーちゃん(2014)

鑑賞環境:Amazonプライムビデオ

個人的に「オトナ帝国」の次ぎに好きな
クレヨンしんちゃん映画だ!
あたしンちの3D映画版という外れクジを
引かされた高橋渉が、ここで本領を発揮。

週末、家族から煙たがれ居場所を
失う親父の哀愁、
そしてロボットになってしまった
ヒロシがロボットとしての
特徴を活かし、
家族サービスを頑張ろうとするが
空回りし逆に煙たがられる
負のスパイラルという地獄。

97分の中に親父の嘆きが
凝縮された一本だ。
97分という短い中で
凝縮された哀愁が
ラストの腕相撲
で絶妙なカタルシスを生む。

本当に子供向けなのか?
と思う程、大人向けな内容だw

4.県警対組織暴力(1975)

鑑賞環境:Netflix

ブンブンの深作欣二最高傑作は本作だ!
日本の一番悪い奴ら

」にも
恐らく影響を与えた作品。

戦後、たまたま県警に就職した男と
ヤクザになった男で創り上げる
ユートピアが、コントロールできない
警察官が赴任してきたことで
友情もろとも崩れ去る哀しさは
普遍的なものを感じる。

またアクションシーンの見所が多く、
狭い路地でのパトカー追跡シーンや、
何よりも「こんにちは赤ちゃん」
が流れる中で、
血みどろな肉弾戦が繰り広げられる
ギャグアクションシーンは
圧巻だ。

5.ニッポン国 古屋敷村(1982)

鑑賞環境:DVD(レンタル)

長らく、DVD化もされずYoutubeにも
予告編すら載っておらず、
幻となっていた小川紳介監督作が
今年一挙DVD化された。

その中の一つがこの
「ニッポン国 古屋敷村」だ。
製作当時8軒しかない、
蔵王山系中の村に監督が
実際に移住し、
凶作や戦争体験を聞き出す
貴重なドキュメンタリー。

この手の潜入ドキュメンタリーは
どうしても主観的になりやすいのだが、
小川紳介監督はまるで
理科の教材VTRのように、
凶作の原因を数値データや
グラフを用いて論理的に
考察している。

理系チックな手法と、
滅びゆく村の歴史の
侘しさを3時間半かけて
体験していく切なさに
ぐっときた。

実際に本作を観終わった後、
ネットで検索すると、
一時期観光名称として
改修工事等されたらしいのだが、
今は完全に廃墟になっている
模様…タイムカプセルを
開いたような不思議な作品である。

→NEXT:6~10位

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