【東京フィルメックス】「ざ・鬼太鼓座」:Don’t think, Feelな程にトランスする

ざ・鬼太鼓座(1981)
ZAONDEKOZA(1981)

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監督:加藤泰
出演:鬼太鼓座

評価:60点

今年のヴェネチア国際映画祭で、
「緋牡丹博徒シリーズ」の加藤泰
幻の遺作
がデジタルリマスターとして
蘇った!

予告編の段階で興味を抱き、
東京フィルメックスで
観てきました(^_^)

「ざ・鬼太鼓座」あらすじ

1971年に発足した創作和太鼓集団「鬼太鼓座(おんでこざ)」。
彼らの活動を、「緋牡丹博徒シリーズ」の
加藤泰が、同時録音、当時最高レベルの
映像技術で撮ったドキュメンタリー。

しかし、松竹側とのいざこざで
お蔵入り、長年一般的に公開する
ことのなかった幻の作品でもある。

トランス・ドキュメンタリーだった!

まず、謝らないといけない。
というのも、本作をまともに
評価することは限りなく難しかったのだ。

加藤泰の「和」の美学が全面に出過ぎている、
一方、和太鼓のサウンドを邪魔する
ようにエレクトロでドープなサウンド
が横槍を入れる。
無駄なカットも多い。

ドキュメンタリー映画としては、
「これどうなの?」という描写が
あまりに多いのだ。

しかしながら、それを吹き飛ばす。
シネフィルが考えることを諦める
程トランス状態に落とし込む
音楽と映像の融合に唖然、圧倒、
感動する。

前半、鬼太鼓座はなんなのかを
説明的に描く、鬼太鼓座の方々が
パワーを内秘めている様子を
伺うことができる。

それが後半、「大太鼓」の演目から
爆発する!
太陽のように大きな大太鼓を
茶色に輝く筋肉が火花を
飛ぶ中ドゥオオーーーン
ドゥオオオオオーーーン

ならす圧巻さ。
立て続けに小太鼓が
ポコポコポコポコと
リズミカルに世界観を盛り上げる。

そして室内セットによる演出から、
外によるロケでの太鼓演奏へと
シフトしていく。

そして、太鼓の鼓動が絶頂に
行くと….「津軽じょんがら節」
始まる。「破」を想起する太鼓
の音色から三味線が織りなす
「雅」へ観客を誘導
していく
格好良さ、痺れましたね~

エンドロールが凄い!

そして、ラスト。
雪道を走る男女。
鬼太鼓座の人々が、
何故メンバーに入ったのかを
テロップで解説する。

ランニング姿とテロップが
シンクロし、最後の最後まで
演目の躍動感を失わない演出に
ブンブン放心状態になりました。

そう、「ざ・鬼太鼓座」は
ランニング映画としても
最高レベルに傑作でした。

ドキュメンタリーとしては
不格好だが、
そんなのは無視よ!
Don’t think,Feelな
映画でした。

日本公開は2017/1/21
ユーロスペースにて!

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