【東京国際映画祭特集】「ミュージアム」大友啓史監督、暴力描写は良いけどよ…(ネタバレなし)

ミュージアム(2016)

監督:大友啓史
出演:小栗旬、尾野真千子、野村周平
カエル男(妻夫木聡)etc

評価:50点

巴亮介の人気サイコスリラーを
るろうに剣心

」シリーズ、
秘密

」、
そして現在「3月のライオン」と
漫画映画専門の大友啓史監督が
映画化!

主演に抜擢されたのは、
「ルパン三世」
ギャラクシー街道

」、
テラフォーマーズ

」、
そして次回出演作に
「銀魂」を控えている
地雷役者小栗旬。

今年は、
アイ・アム・ア・ヒーロー

」、
ヒメアノ~ル

」とバイオレント
漫画もの当たり年なので
期待はしているのだが果たして…

「ミュージアム」あらすじ

雨の日に発生する猟奇殺人事件。
現場に残されたのは、
謎の紙と雨合羽を着た男の
目撃情報のみ。

家族サービスを怠り、
息子を連れ妻に逃げられてしまった
警察官は犯人を捜すのだが、
どうやら犯人が妻の命を狙っている
ことを知り…

バイオレント描写GOOD!

やはり、今年はどうしたの?
韓国から暴力描写の手法を教わったの?
ってぐらい、暴力描写が上手い。
血糊のどす黒い感じなんかも
しっかり描いていて、
大衆向け映画にしては
攻めてるなーと感じる。

大友監督×小栗旬という危険な組み合わせ
ですら、ちゃんと「痛み」
描けているから凄い!

予告編にもあった、
ニート殺害シーンは
ふぉふぉーーーーい!!!!
とあまりのレベルの高さに興奮
した。

また、後半登場する、
カエル男の気持ち悪さも
ホントウにピカイチで
邦画界もちゃんと観客目線で
映画を作るようになったんだなー
と感心した。

ちなみにカエル男を
演じたのは
バイキング小峠…ではなく「妻夫木聡」です。

でも脚本がねぇ

「プラチナデータ」も8月に紹介した
「秘密」もそうだが、
大友監督の作品は
ストーリーが頭でっかちだ。
只でさえ、少しでもSF感や
ミステリアス感な描写になると
ハリウッドの足下にも及ばない
チープさが目立つのに、
さらにやっていることが、
説得良くもなければ、
吹っ切れてもいないので
微妙を極めてしまっている。

本作の場合、完全に
カエル男が姿を現してからが
蛇足にしか見えない。

折角、医者のシーンが伏線に
なっているのに、観客に分かってもらおう
とする脚本になっていない。自己完結
しちゃっているから、結局ラストシーンの
意味が分かりにくくなってしまっている。

また、カエル男との試練のシーンが
明らかに某脱出系ホラー映画の
二番、いや五番煎じ。
文化祭・学園祭レベルかというほど
ダサい。しかも主人公が感情移入できない
ぐらい行動がバカすぎて
あきれてものが言えなくなる。

原作も恐らく同じような展開
なんだろうけれど、
攻めて日本クオリティでも
黒沢清レベルにまでは妥協せず
演出してほしかった。

そして、邦画の悪い癖である。
すべてが終わった後に
グダグダとその後の展開を
描く演出があまりに長すぎる。
あれはカットして欲しかった。

まあ、案の定酷い作品なのだが、
数年前に比べたら邦画の水準は
明らかに高い。
本作ですら、暴力描写は
及第点を大きく超えている。
大友監督が「るろうに剣心」
の時みたいに再び覚醒することを
楽しみにしている。

とりあえず、ブンブンが大好きな
「3月のライオン」を大友監督が
映画化するとのことなので、
これだけは言いたい。
「川本家を全力で可愛く撮るんだ!」

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