【ヴェネチア映画祭】「エル・クラン」アルモドバルは後輩育成もできるぞ!

エル・クラン(2015)
EL CLAN(2015)

監督:パブロ・トラペロ
出演:ギレルモ・フランチェラ,
ピーター・ランサーニ,
ジゼル・モッタetc

評価:70点

9/17(土)は「怒り」に
映画 聲の形

」「BFG」
「レッドタートル」など
話題作激戦区だ!

そこで、陰に埋もれてしまった
作品がある。
それは、「エル・クラン」だ。
昨年のヴェネチア国際映画祭で
監督賞にあたる銀獅子賞

受賞した実録犯罪ドラマだ。

制作はあのペドロ・アルモドバル。
人生スイッチ

」に次いで
後輩育成を頑張っている
人だけに期待値が高まる。

ってことで新宿
シネマカリテで観てきました!

「エル・クラン」あらすじ

1983年アルゼンチン。
政府転覆が発生したため、
政府職員の職を失った男は、
家族を養うため、
また社会に対しての恨みを
晴らすべく富裕層の人を
狙った誘拐&身代金詐欺を
行うようになる。

最初は男一人で行っていたのだが、
息子にバレ、息子にも
身代金詐欺の片棒を担がせる。
そして家族ぐるみの
犯罪へと発展していくが…

えっ実話??大胆過ぎる
誘拐事件

本作は、衝撃的なことに実話である。
パブロ・トラペロ監督の徹底的な
調査を軸に、巧みなカットバック、
カメラワーク、音楽の使い方で
重厚且つメチャクチャ爽快で
面白い。

まず、特記すべき点はお父さんが、
人質に飯を与えに行くまでの
シークエンス。

キッチンで、肉を切る。
そして夫は肉を運びながら、
息子や娘に「飯が出来たよ!」
と所謂普通の温かい家庭描写が
描かれる。音楽もイケイケな
音楽だ。

しかし、ふっとある扉を開けると、
人質が「んっんっ」と唸っているのだ。
そう、ノリノリな音楽を部屋中に
流すことで、人質の声が外部に
漏れないようにしているのだ。

そして、誘拐シーン。
用意周到、厳格に誘拐を
しているように見え、
段々油断からアラが出てきて、
素人感溢れる誘拐になっていく
過程がこれまたリアル。

アフロヘアーの息子の、
父に応えようとするが、
倫理観から葛藤する描写
からのラストまでの
爆走っぷりがこれまた
コミカルで魅せてくる。

アルモドバルは凄い!

昨年、日本でも公開された
「人生スイッチ」の
ダミアン・ジフロンも
「エル・クラン」の
パブロ・トラペロ

そうだが、どちらも
ペドロ・アルモドバル
が製作に入っている。

彼はどちらの作品も
見事成功させており、
新鋭監督プロデュース
力が高いなと感じた。

そんなアルモドバルの新作
「ジュリエッタ」は2016年11月5日
公開。
これは楽しみだな~

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