“Ç”【小ネタ解説付き】「神様メール」聖☆おにいさんもびっくりの挑戦

神様メール(2015)
Le tout nouveau testament(2015)

監督:ジョコ・ヴァン・ドルマル
出演:ブノワ・ポールブールド、
カトリーヌ・ドヌーブ、
フランソワ・ダミアン、
ヨランド・モロー、
ピリ・グロワーヌetc

評価:65点

59歳にして本作含めたった4本しか
撮ってない。しかし、どれもユニーク
で奇怪な作品を作るベルギーの鬼才
ジャコ・ヴァン・ドルマル最新作。

↑ドルマル映画予告編
「ミスターノーバディ」
「トト・ザ・ヒーロー」

どうやらベルギーのアパートに
神様が住んでいるようですよ~

「神様メール」あらすじ

ブリュッセルに住んでいる神様。
彼はアパートの一室で
世界を創っている。

しかし、そんな神はハゲで酒飲みで
DVととにかくクズ野郎。
娘はそんな神に嫌気を差していた。

そんなある日、娘のエアは怒りを爆発。
神のパソコンにいたずらし、
下界の人々に余命を伝えてしまう。

そして父に代わって「新・新約聖書」を
創るべく、エアも下界に降り立った…

ポップに見せかけて、
炎上ぎりぎりハード宗教映画

日本の予告編では、とっても
ポップに本作が紹介されていたのだが、
本作はタイトルから熱狂的なキリスト教
信者、イスラム教徒から反感を買いそうな
事態となっている。

Le tout nouveau testamentって
フランス語は直訳すると、
「新・新約聖書」なのだから。

日本の立川でブッダとイエスが
バカンスを送る「聖☆おにいさん」
ブンブンが留学したフランス・アンジェ
で不評だっただけにホントウに
恐ろしい。

さらに、「新・新約聖書」を
創るためにエアという女の子が
使徒を6人集めなきゃいけないのだが、
それがキモ童貞、殺人鬼、
ゴリラフェチ、冒険家と
ヤバそうな人だらけ。
おまけに執筆者はホームレスときた。

さらには、下界にやってきた
神は「ディクテーター」
ような事態に…

シュールな映像とキレッキレ
の音楽捌きでごまかされているが
相当攻めた内容だ…そして
これが爆笑!面白い!

エアって女の子がこれまた
大人びているようで純粋。
ホームレスにおんぶしてもらった
時に「蛇のような肌触り」と
事細かくホームレスの特徴を言った上で
こんな人が父親だったらな…と言う。
純粋過ぎて萌えます。

ただ…脚本が…

各使徒のエピソードも秀逸で、
変な人にしか好かれない女
のエピソードなんか、
「アンチクライスト」のテーマ曲
といえようヘンデルの
「私を泣かせてください」
が流れながら生首ならぬ
生手が踊るのを眺めるシーン
なんかあったりして
シュールの極み。
ブンブン好みだったのだが、
脚本がちょっと単調鈍重だったかなー

ただ単に6人の使徒のエピソードを
紹介するだけで、全然使徒同士
絡めていない。
神との対比が甘いなど、人によっては
キツい脚本となっている。

また、以前「猿と人間の情事特集」を
組んだ程楽しみにしていた、
カトリーヌ・ドヌーヴとゴリラの
ラヴシーンも、明らかに
「マックス・モン・アムール」
の二番煎じ。真新しさや、
ゴリラとの情事で発生する
問題も描かれない薄いものと
なってしまった。

シュールさと映画の小ネタの
多さにブンブン魅了されたぞ!

小ネタ1:ジャン=クロード・ヴァンダム

エアちゃんはイエスキリストのことを、
JCと略して呼んでいたのだが、
ホームレスにジャン=クロード・ヴァンダムのことか
と言われてしまう。
彼は「エクスペンダブルズ2」の敵役としても
登場したベルギー代表のマッチョ男優である。

小ネタ2:ドラゴンへの道

ホームレスと神が
ブルースリーの「ドラゴンへの道」
を真似て戦いますw

最後に、主題歌がいい!

主題歌An Pierléの「Jours Peinards」がめっちゃ
可愛くてすき!
歌詞は下記リンクにて
※仏語のみ和訳なし
(An Pierlé歌詞

)

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