“Ç”【ネタバレ&解説】「ヘイトフル・エイト」オマージュはアルトマンではなく「遊星からの物体X」??

ヘイトフル・エイト(2015)
HATEFUL EIGHT(2015)

ヘイトフルエイト

監督:クエンティン・タランティーノ
出演:サミュエル・L・ジャクソン、
ティム・ロス、ジェニファー・ジェイソン・リーetc

評価:70点

脚本流出問題や、モリコーネ楽曲拒否など
様々な壁がありましたが、ついに
タラちゃんの最新作
「ヘイトフル・エイト」が公開になりました。
今回タランティーノ映画初めて、
映倫がR-18指定にした為、
都内のTOHOシネマズだと
六本木と西新井でしか上映
されてない不遇な状態では
あるがそれも納得の作品でした。

↓映倫の基準表示に力が入ってますw
映倫

「ヘイトフル・エイト」あらすじ

猛吹雪の山で駅馬車が突然停まる、
目の前に立っていたのは元北軍少佐の
黒人賞金稼ぎだ。
彼はレッドロックへ連れて行ってほしいという。
1万ドルの賞金首である女を抱えている
「首吊り人」ジョン・ルースは渋々
受け入れるが、これは悪夢の始まりだった…

ミステリーではないw

まず始めに言っておく、
本作はミステリーといわれており、
タラちゃん自身も隠し味に「オリエント急行殺人事件」
を入れたと公言しているのだが、
ミステリー映画目当てで観に行くとかなり
辛い作品だ。

なんと本作、密室殺人が起きるまでに90分
ぐらいかかるのだ!
今回は、タラちゃん毎度おなじみの
「ダラダラ会話」がメイン、
なので最初90分は「デス・プルーフ」や
「イングロリアス・バスターズ」の
カードゲームのシーンのような、
駄話が続くのだ!ブンブンの隣に
座っていたおばあちゃんは耐えきれず、
ちょくちょく退出してましたw

そして、「ヘイトフル・エイト」は
致命的なことに謎解きは全て
登場人物の会話で完結or
後出しじゃんけんでトリック云々
よりか「セコい!」と言わざる負えない。

しかし、流石映倫がR-18認定しただけに
後半のバイオレンス描写は
待ってました!の如くすばらしい。
フリーフォールの頂上で焦らされるような
感じで、観客を煽り、徹底的に肉体損壊が
起きる!とある裸シーンも今回は
モザイクがかかっていないので、
日本公開作品としては珍しい
オトコのイチモツが観られる作品に
なっています。

ジェニファー・ジェイソン・リーが凄い!

今回、アカデミー賞助演女優賞にノミネート
されているジェニファー・ジェイソン・リー
演技が神がかっています。賞を獲らせてあげたいほど、
殴られて血で顔面ぐちゃぐちゃになりながらも、
シニカルにトークを繰り出す感じサイコーかよ!
パンフレットによると、テンションがあがってきた
彼女は「エクソシスト」の悪魔に取り憑かれた
リーガンのモノマネを始めたそうです。
(この現場ぜってー楽しいよ!)
この女優さん「ジョージア」や「未来は今」等に
出演しているが、映画人の間でも無名な存在だ。
クリストフ・ヴァルツのように
今回もタラちゃん、すばらしい俳優を発掘
しました。

映像もすごい!

本作は今となっては珍しい70mmフィルム
撮られている。昔の「戦艦バウンティ」や
「バルジ大作戦」といった昔の超大作でしか
使われない手法だが、タランティーノ曰く、
風景だけでなく、密室劇において画面の手前と
奥でそれぞれ物語を進行させたり、
クローズアップするときに上手くいくから
起用した模様。

オマージュ・引用の元ネタ

今回、てっきり雪山のロッジを舞台に
しているからロバート・アルトマンの
「ギャンブラー」
をベースに
しいていると思いきや、パンフレットで
タランティーノ全否定していました。

どうやら下記の作品をオマージュしたようです。

1.遊星からの物体X

↓ピングー版ですw

本作のベースは西部劇ではなくSFホラーだそうです。
確かに、後半のバイオレンス展開の構図は
一見するとわからないが「遊星からの物体X」と
同じシーンをいくつも使っている。
サンプリング上手いです!

2.ワイルド・バンチ

サム・ペキンパーお得意のスローモーション
シーンをオマージュしている模様。

3.オリエント急行殺人事件

密室殺人ものの教科書

4.太陽の中の対決

未見なのでなんともいえないが、
あらすじを読んでいると、ストーリーベース
にかなり影響を与えているようです。
北軍南軍のくだりとか、馬車の下りとか、
第五章とかetc

5.カーツーム

タランティーノがオマージュを認めている
作品だが、未見なのでわからなかったm(_ _)m

6.シェーン

タランティーノではなく、
美術担当の種田陽平が
セット作りに反映させた模様。

7.エクソシスト2

本作には「エクソシスト2」の
「リーガンのテーマ」が使用されている。

8.鮮血の美学

ジェニファー・ジェイソン・リー
が歌うカントリーフォークは
「鮮血の美学」の「ナウ・ユー」
からの引用とのこと。

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