“Ç”ブンブン映画ベストテン2015外邦画部門1位は橋口亮輔7年ぶりのあの怪作

ブンブン映画ベストテン2015外邦画

今年は、ミニシアター系作品に恵まれていた。
東京都ではテアトル新宿でしか公開されなかった
「恋人たち」や5時間を超えるオトナ女子ドラマ
「ハッピーアワー」、ランク外だが
「お盆の弟」も良かった。
一方、今年はガチで少女マンガ
映画に恵まれていた。
ロザムンド・パイクもびっくり
有村架純の悪女っぷり全開
「ストロボ・エッジ」やギャグが
キレッキレな「ヒロイン失格」、
「orange」も文句こそあれどかなり
楽しませて貰った。
さて、早速ブンブンの映画館で観た
(試写会、飛行機、Festival Scope
と一部例外あり)
邦画ベストテンを観ていきましょう!

第1位:恋人たち

監督:橋口亮輔
出演:篠原篤、池田良、光石研
製作年:2015

「ぐるりのこと。」から7年の沈黙を経て放った作品は、
「地獄」そのものだった。人生のどん底にいる人々、しかも自分のせいではないにも
関わらず降りかかった不幸が、映像からじわじわにじみ出す。
映像から橋口監督の悲鳴がこだまするトンデモナイ作品だ。
昨年キネマ旬報ベストテン1位の「そこのみにて光輝く」なんか比じゃない!
「恋人たち」というタイトルから想像もできない地獄絵図が、
綺麗な映像のコントラスト上で暴れまくる凄まじい作品だ。
ぶっちぎりの1位である。

第2位:天空の蜂

監督:堤幸彦
出演:江口洋介、本木雅弘、仲間由紀恵、綾野剛
製作年:2015

東日本大震災を経たこんなご時世に
TOHOシネマズでこんな娯楽作品が大々的に
公開されていること自体奇跡としか言い様がない。
今年は「進撃の巨人」「ソロモンの偽証」と不可能に
挑戦し惨敗した作品に恵まれていたが、
本作は例外である。邦画にありがちな蛇足さは
なく、「新幹線大爆破」「太陽を盗んだ男」の
時代を取り戻した。賛否両論はあれど、
私はこの作品をマジでリスペクトする。
「イニシエーション・ラブ」と合わせて、
堤幸彦監督を見直しました。

第3位:百円の恋

監督:武正晴
出演:安藤サクラ、新井浩文
製作年:2014

昨年フランス留学につき、
見逃した作品。アップリンクで観たら
噂通りハイレベルなスポ根映画でした。
安藤サクラのクズクズなボディが
泥沼に包まれた退廃の生活のそこから
愚直に磨き磨き磨かれ、
リングで光り輝く、
ラストに流れるクリープハイプまで
含め、この和製「ロッキー」の
高揚感は私を魅了させた。
「ロッキー」にはないユーモラスな
ギャグも特徴的だ。

第4位:野火

監督:塚本晋也
出演:塚本晋也、リリー・フランキー
製作年:2014

ゲテモノ映画の巨匠が、
狂気性を戦争に向けると
怪物が出来上がる。
モラルなどない。
味方ですら、衰弱から
同志を理不尽に巻き込む。
誰も信用できず、
暑苦しい迷宮で彷徨うことが
どれだけ苦痛かを短い時間で
濃縮。観客の体感時間が焼き尽くされる。
インディーズ監督だからこそ
演出できた本物のホンモノがそこにあった。

第5位:劇場版 テレクラキャノンボール2013

監督:カンパニー松尾
出演:カンパニー松尾、
製作年:2014

はい、AVです。
昨年密かに話題になり、お堅い映画芸術
の人を夢中にさせた映画館で観るAV。
しかし、そこには観客のかゆいところに
如何にして手を届けるかに執着する監督の
ソウルがあった。監督の身を犠牲にしても
ギャグとエロスを提供するスタイル、
元ネタの「キャノンボール」同様
個性的選手のコミカルな業の数々。
私は彼らを「匠」と呼んだ。
映像作りたい人必見のAVである。

→NEXT:6~10位

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