“Ç”ヒップホップの歴史を変えたN.W.Aの仁義なき戦い「ストレイト・アウタ・コンプトン」

ストレイト・アウタ・コンプトン
STRAIGHT OUTTA COMPTON

straight outta compton

監督:F・ゲイリー・グレイ
出演:コーリー・ホーキンス、オシェア・ジャクソンJr.etc

評価:85点

ヒップホップ…一般人からすると
この音楽ジャンルの人は「怖い」
「アウトロー」と思う人が多いかも知れない。
ヒップホップ映画もエミネム主演の「8mile」
や「ハッスル・アンド・フロウ」、
「ドゥ・ザ・ライト・シング」

比較的アウトロー、あるいは危険な香りを
出すためにヒップホップが使われている。

そんなイメージを人々に焼き付けた
グループをご存じだろうか?
それはN.W.A.だ!
確かに、元々退廃していたブロンクスの
人々が社会の不条理をラップや
グラフィティ、ダンスで表し楽しんでいたことから
生まれたヒップホップではあるが、
彼らが登場したことによりギャングスタラップが
登場。アメリカ社会と戦い、またグループ内でも
仁義なき戦いを繰り広げ、楽曲も過激なことから
ヒップホップ史を変えた伝説的グループである。
(ブンブンがポピュラー音楽論で
書いたヒップホップレポート

はこちら)

今回、そんなN.W.A.を真っ正面から
描いた作品「ストレイト・アウタ・コンプトン」
を紹介するぞ!
実はこのタイトル、N.W.A.の楽曲から来ていて
意味は「コンプトンから出て真っ直ぐに」つまり、
コンプトンの刑務所から出たら即復讐するぞ!
という恐ろしい内容となってますひえ~

「ワイルド・スタイル」のその後

当ブログでも紹介した「ワイルド・スタイル

」では、
荒廃したハーレムで「ヒップホップ」を生み出し、
若者が希望に満ちあふれた笑顔を見せ終わった。
しかし、本作では終始地獄である。
「仁義なき戦い」そのものである。

1980年代後半、コンプトンという街は荒廃していた。
ギャングが街中で抗争を繰り広げており、
また警察官も無闇に黒人を逮捕するカオスな街だ。
例えば、スクールバスに乗っている学生達が
並走するギャングの乗った車に声を掛けただけで、
ギャングがキレ、スクールバスを停め学生達を
しめる。恐ろしい社会だ。

そこでくすぶっていた麻薬売りの黒人
イージー・Eが、
仲間に歌詞や音楽センスを認められ、
理解ある白人プロデューサーと
一緒にN.W.A.というグループを作る。

んで、コンプトンの理不尽な社会を
歌で世間に訴えようとする。
「STRAIT OUTTA COMPTON」や
警察の汚職を訴えた「FACK THE POLICE」、
N.W.A.って名前もNiggaz Wit Attitudes
(けんか腰の黒人達)と非常に挑発的である。

んで、本作が面白いところが
メンバー全員ギャングじゃないところである。
確かにリーダー的存在である、
イージー・Eは麻薬ディーラーをやっているが
ドクター・ドレーやアイス・キューブは至って
まとも。普通に学園生活を送っていたり、
警察に無実なのに逮捕されることについて不満を
抱いている人物だ。

アイス・キューブは今となっては映画俳優として
有名だ。「アナコンダ」、「スリー・キングス」etc
ブンブンのお気に入りは「ボクらのママに近づくな!」
の彼の演技かな~↓

んで、無実な黒人が警察官に逮捕される、
常にギャングに殺されることへの恐怖を
純粋に歌で伝えようとするのだが、
白人マネージャーのインチキ、
やくざものイージー・Eの
暴走で金銭トラブルが
生じ、やくざ映画さながら組分裂
暴力で血塗られた戦いに発展してしまう。
(後半になるに従い、メチャクチャ怖い
状況に陥る)

なるほど、今まで全く映画化されなかったのも
納得。あまりに複雑で血みどろな抗争である。
それを今は亡きイージー・E、ドクター・ドレー、
そしてアイス・キューブがプロデュースして
あの時代の抗争を見事に再現した。

スター・ウォーズ

」が物足りないと
感じた方は是非とも本作を観て頂きたい。
ラーメン二郎張りの情報量、
聴き応えのある音楽に、
サイコーにエキサイティングで切ない
N.W.A.の歴史に圧倒されることでしょう。
ストレイト1

↑シネクイントではN.W.A.クリスマスツリーが
飾られているぞ…じわじわ笑いがこみ上げてくるw
ヒップホップ系男子、カップル第集結で賑わってましたぞ!

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