“Ç”盗撮魔な放校教師、10年後の欲情「ローリング」

ローリング(ROLLING)

監督:冨永昌敬
出演:三浦大貴、柳英里紗etc

評価:85点

日本の映画ファンはインディーズ系の
邦画が面白いと語る。
キネマ旬報ベストテンを観れば分かる通り
邦画はミニシアター作品が多い。
今年のミニシアター系邦画は
恋人たち

」を始めユニークで凄まじい作品
に恵まれていた。
今回紹介する「ローリング」もその一つである。

エロ教師と教え子が…出会った

話は、10年前に女子高生を盗撮して学校を追い出された
教師と教え子がばったり再会したところから始まる。
元教師は、女の教え子に慰謝料を払えと追い込まれる日々。
慰謝料を払うために教え子にすがり仕事を得ようとする。
そして、やがて元教師が未だに所有する盗撮ビデオ
を巡って物語はさらに底なし沼を突き進むのであった…

このあらすじ読んだだけで、只者じゃない雰囲気を
醸し出している。しかも、所謂エロ映画とも
何かが違う。観ていくとそれが何か分かってくる。
てっきりシリアスドラマ、あるいは官能シーンの
多い作品かと思いきや、ブラックコメディだ。
しかもきちんと物語の輪郭を作り込んでいる。

本作に出てくる人物は皆どうしようもない人だ。
教え子ですら、おしぼり工場でどん底の
日々を送っている。下層でくすぶっている
他の教え子はバーに入り浸って下らない生活を
送っている。そんな教え子たちが、
元教師の隠し持っていたエロビデオを発見。
なんと現在女優の教え子のレズビアン映像だったため、
事務所を脅して大金を得ようとする。

そのやり取りのテキトーさ!
本当にこいつら大丈夫かというほどの
クズさが嫌らしくならないほど露骨に
描くからにやりとさせられる。
丁度、「おそ松さん」を観ているかのようだ。

元教師も教え子も頭が悪いため、
シリアスなのに爆笑するシーンまである。
例えば、人をドリルで殺そうとして
道路にジェイソンが如く元教師が
そびえ立つ。さて、ターゲットに
迫ろうとすると電源コンセントから
ドリルが外れ、思うように攻撃のできないシーン。
そりゃ、ドリルで襲ったら様にはなるけれど
電源を運びながら相手に迫るのは無理がある。

しかも、脅す相手も脅す相手で
キャリアに「おいおい!」と思わせる。
しかも元○○なのに、エロビデオの
入ったHDの処理の仕方が
バカすぎる。

そう、これは全員間抜け。
エロティックで下品、
そしてゲスの極みなんだけれど
パンチの効いたギャグが
異常に凝ったカメラワークの下で
暴れ回るから、臭み無く楽しめる作品だ。

予告編の数倍は面白いので、
アップリンクの「見逃した映画特集」で
イチオシだぞ!!
上映日:1/4,1/5,1/6,1/16,1/17,1/23,1/25,1/28

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