“Ç”何故ギャルにウケて映画人に不評なのか?「ギャラクシー街道」

ギャラクシー街道

ギャラクシー街道

監督:三谷幸喜
出演:香取慎吾,綾瀬はるか,遠藤憲一etc

評価:10点

今年の邦画は恐ろしい駄作が
出まくる中々激しい年である。
現在、映画人の間では
「進撃の巨人」バリに
熱く酷評されている作品がある。
「ギャラクシー街道」だ。
あの「ラヂオの時間」で
有名な三谷幸喜がトンデモナイ作品を作ったようだ。

しかし、「進撃の巨人」と決定的に
違う怪奇現象が起きている。
映画人は酷評で罵声をtwitterに流している
一方、プリクラを貼り付けているような
JK,ギャルの間では相次いで「面白かった」
と絶賛されているのだ。

てっきり、ヤラセか裏操作かなと思いきや
ブンブンが観た回で本当にギャルたちは
腹を抱えて笑っていた。「進撃の巨人」
では総スカンだったのにこの違いは
なんだろうか?今回その謎に迫る。

そもそも「ギャラクシー街道」何がいけなかったのか?

映画人は何故、この作品をけなすのか?
それは「ラヂオの時間」や「みんなのいえ」
「12人の優しい日本人(脚本のみ)」

三谷幸喜のキレッキレの時代を知っているからであろう。

絶妙でくすりと笑える脚本捌き、
観客の斜め上を行くギャグが
三谷幸喜のトレードマークだった。

しかし、近年は「ステキな金縛り」「清洲会議」
とキャストは豪華だが脚本にキレがない作品を
作り映画好きからそっぽを向かれようとしている。

そして、今作。ついに彼は超えてはいけない壁を
超えてしまった。
まず、前半から下ネタ全開なのだ。
何故PG12すらついてないのかと疑問になるほど
下品で、セックス絡みのネタを披露する。
そして、そもそも接客業として0点極まりない
神接客が繰り広げられる。

とある客には、店を汚くするからと
明らかに差別的な席を提供する。
客の注文にいちゃもんをつける。

そうこれは一見すると宇宙人差別の
映画だが、言葉を変えると
人種差別万歳な映画になってしまっている。

確かに、「サウスパーク」のように
ドギツイ差別描写で観客に真実を
突きつける高等テクニックや、

差別的な人がある事件を乗り越えて
更正するパターンとかあるので
物語前半までは我慢していた。
三谷幸喜どうしちゃったの?と
思わざる得ないつながりが低くく
退屈な小話を懸命に耐えていた。
そもそも、SFって設定なのに
昭和のイメージ溢れる内装や
役者のコスプレもノスタルジー溢れる感じ。
何をやりたいのかよく分からない。
これは映画館で魅せるものではなく、
「LIFE!」みたいなコント番組で
10数分魅せるものだ。
110分も魅せたらバックグラウンドが
すかすかなのが露見する設定である。

いろいろ頭痛が起きそうなぐらい
凄惨な映像を
魅せられてカタルシスを
期待したあげく…何もなかった。
最後になっても
誰一人進歩しなかった。

そもそもこの話、
寂れた高速道路にある
今にも潰れそうなハンバーガー屋の
話だ。ってことは主人公が改心し、
ハンバーガー屋を繁盛させることで
高速道路を復活させるか、
あるいは別の惑星に移住して
過去に囚われない生活を始めるか
ぐらいしかエンディングはないにも
関わらず、最もやってはいけない
エンディングが用意されている。

これでは、差別万歳。
自分の殻に閉じこもって
奇跡を待とうと言っているのに等しいのだ。

ギャルたちに何故ウケるのか?

これがギャルたちに何故ウケるのか?
それは差別的視点にあるのだと思う。
よく町を歩くとギャルたちが
「あのおっさんハゲだ!」
「きゃーあの人チビだ」

と大声で悪口を言う。
まさにあれと一緒である。

「ギャラクシー街道」に出てくる
きてれつな人。登場する度に
誰かしらが差別的なことを言ったり、
嫌な顔をする。相手のアイデンティティを
自分の殻でシャットアウトし批判する。
それも大声で。

この描写がギャルたちの批判する心と
同調したのであろう。

正直、ギャルのアレは不特定多数の人々を
不快にさせる。テレビとは違って、観たくなければ
観なければよいみたいに逃げられないので
犯罪的だ。更正して頂きたいのだが、
そういった道徳の植え付け描写すら
この作品にはない。

ヨーロッパでは移民問題や
パリの同時多発テロで
人種について非常に問題と
なっているこのご時世。
これほどまでに自分勝手な
差別で平和に終わる作品が
日本で公開され興行収入上位に
君臨しているとは嘆かわしい。

映画人は観た方が良いが、
TOHOのポイント等で
観ないと絶望の淵に立たされる
トンデモナイ作品でした。

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