“Ç”フランチクラブの裏側「EDEN/エデン」ダフト・パンクが染みるぜ!

EDEN/エデン

EDEN/エデン

監督:ミア・ハンセン=ラヴ
出演:フェリックス・ジヴリ、ポーリーヌ・エチエンヌetc

感想:85点

フランス留学中、うっかり見逃して
しまったフレンチハウス
の栄枯盛衰を描いた青春ドラマ
「EDEN」を観てきました!
個人的にこの手の音楽青春映画って
音楽オタクの人がまさにDJ感覚で
描いているイメージが強いが、
この作品はなんと女性が監督しており、
実兄であるDJのスベン・ハンセン=ラヴ
をモデルにしているとのこと。
早速感想を述べていくぞ~

フレンチハウスって?

この作品を語る前に、
まずフレンチハウスって音楽ジャンルについて
語っておこう。
フレンチハウスとは、1970年代後半に
NYで生まれたハウスってジャンルの一つ。

1970年代後半、フランキー・ナックルズが
開発した、音楽の一部を引用(サンプリング)して、
レコードや音のスピードやテンポを切り替えることによって
独特なトランスミュージックをベースにしたDJ音楽。
これをきっかけにブロンクスの黒人を中心にヒップホップ
が作られ音楽史を変えたと言われている。

↑ハウスミュージックの進化形Hip-Hop(映画『ワイルドスタイル』)

それがフランスに渡りエレクトロ強めなハウス
ミュージックのことをフレンチハウスと言うとのこと。
このジャンルは無数に細分化出来るため、
詳しくはよく分からないが、
主人公が専門とするのはその中の「ガレージ」
というのに分類されるらしい。

そして、人々の流行に合わせてサルサベースや
バラードベースのスタイルと彼は対峙、
プライドから敵対することになる。

ダフトパンク誕生の瞬間に

1995年、17歳で誰もが羨む
音楽引用のセンスでクラブを席巻した
DJポール、当時まで知名度の低かった
ダフトパンクを引用し一気に頂点に
のし上がっていくのだが、2000年代後半に
掛けて音楽性の違いからハウスのオーナーと
喧嘩し、時代の流行に適応できず、
どんどん借金がたまって破滅する
様子をおフランスなドキュメンタリー
タッチにオシャレ過ぎる文字アートで描いている。

ブンブンが生まれたのは1994年。
そう思うと時代の流れの速さに
本当に泣けてくる。
ダフトパンクって最近のイケイケアーティスト
だと思ったらめっちゃ古くて衝撃。
たった20年で主人公の持つ電子機器が、
ごついデスクトップからスマートフォンに
変わっていく当たりとか、
それだけで泣けてきます。

また大学なりたてで周りの大人からチヤホヤ
され、「意識高い系」みたいに
傲慢に振る舞う。それが数年後、
クラブに来るのは常連客だけ。
若々しさを失い、あがきまくる様子。
大学2年生の留学でやりたいことを
やり尽くした感あるブンブンは、
本当に観ていて辛くなった。

また、音楽がトランス系なんだけれど
どこか懐かしく、ブンブンこういった
混雑したところ嫌いでまず行かないのだが、
どんどん世界に引き込まれます。

重厚なストーリー構成×映像×音楽

ジャンルは若干違うが、ヒップホップは
グラフィティと音楽(DJ,ラッパー)と
ダンスが一体化して初めてアートとして成立する。

この作品もアートと音楽、そしてストーリーを
重厚に組まれていて、まさにDJ映画となっている。

冒頭のタイトル出しや、物語随所に織り交ぜられる
ドット調の文字アートのセンスがクール!
観たことのないアート手法、
まさに新しいジャンルの音楽を創り出す部分と
リンクしていて新鮮だ。
そしてストーリー。元々、文学センスのある主人公設定
故に一見チャラそうに見えるが、台詞の随所に
文学用語や詩的な台詞を織り交ぜていく。

語りすぎず、ほどよい台詞のノリで青春特有の
葛藤を醸し出すことに成功している。

そして、音楽!
フレンチハウスなんて無縁な人も、
これを聴いたらノックアウト!トランス状態に
させられるSYMPA(イケイケ)なミュージック
が映画を支配している。

↑ブンブンが気に入ったのは、Joe Smooth
のPromised Landですなー

音楽好きはWhy Don’t You Watch This?
是非シネマカリテに聴きに来てみてください!

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