“Ç”アンジェ映画祭潜入レポート3:『グッドナイト・マミー(ICH SEH,ICH SEH)』

ICH SEH, ICH SEH

監督:Veronika Franz&Severin Fiala
出演:Susanne Wuest, Lukas Schwarz, Elias Schwarz etc

アンジェ映画祭コンペ作。
今回観たのは、新宿武蔵野館で
上映してそうなゲテモノ映画。
プログラムにはR12していと
あるが、日本なら間違いなく
R18になるであろう鬼畜な作品だ。

双子の少年が母の帰りを待つ。
なんと、母は顔を包帯でグルグル
巻きにされた状態で帰ってくる。
何があったのか教えてくれない
上に、やたらと躾が厳しい。
実はこの人はママでないのでは?
と妄想し始めた双子は…

一見、監禁サスペンス。
あるいは少年目線でオモチャを
武器に謎を解き明かす
ミステリーに見えるが、
そんな予想を180度変えてしまう
トンデモ展開に観客悲鳴と爆笑の
二極端な反応を魅せる。

ブンブンは思わず悲鳴w
予告編の数倍直視できない
痛々しい描写に圧倒された~_~;

でも、観終わった後考えて
みると結構奥深い内容だ。
オイディプスコンプレックスを
愛を持つ過去の「母」と今目の前にいる女ではない「母」。その差に苦しむ少年の様子を双子に演じ分けることで効果的に少年の心の揺れを演出することに成功している。
双子の一人は、一線を越えようする
ことに躊躇するが、もう一人は
ガンガン攻める。次第にニコイチ感溢れてきます。現に双子役の子がマジで
似ているから、見分けすら
付かなくなる。
段々、本当に狂っているのが
誰か分からなくなるカオスさが
映像から滲みでる。

オーストリアはミヒャエルハネケや
ウルリヒザイドルとゲテモノに
哲学をぶち込む監督を生み出す
国らしい。
Veronika Franz&Severin Fiala
の今後の活躍に期待である。

P.S.「グッドナイト・マミー」日本公開決定しました!
2016/01/12(火)よりヒューマントラストシネマ渋谷
にて公開!みんな備えろ!

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