日本公開

2021映画

『ベルイマン島にて/Bergman Island』私とベルイマンイキリマンとの思い出

第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された『Bergman Island』を観ました。タイトル通り、スウェーデンにあるフォール島、通称「ベルイマン島」を舞台にした映画である。フォール島といえば、『仮面/ペルソナ』の撮影をきっかけにリヴ・ウルマンと住むこととなった地である。ミア・ハンセン=ラヴはオールタイムベスト映画に『ファニーとアレクサンデル』を挙げているぐらいベルイマン好きとのことですが果たして…

2021映画

『カード・カウンター』男は運命を数える、再び暴力のカードを引き当てぬように

『タクシードライバー』の脚本家として知られ、今でもコンスタントに監督、脚本作を世に放っているポール・シュレイダー。彼の新作『THE CARD COUNTER』が第78回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門に出品された。予告編を観る限り、ソダーバーグ映画のような作りをしていたのですが、観てみると『魂のゆくえ』から進化したブレッソンショットが楽しめる大傑作でした。

2021映画

【フランス団地映画】『GAGARINE』団地は青かった

カンヌレーベル2020に選出されたファニー・リアタール、ジェレミー・トルイ長編デビュー作『GAGARINE』を観ました。本作は2015年の短編映画の長編映画化であり、パリ郊外にある公営団地シテ・ガガーリンの解体直前に撮影された作品だ。シテ・ガガーリンは1961年に建設、1963年に落成した。ソビエト宇宙飛行士ユーリイ・ガガーリンに因んで命名され、落成式には彼も訪れている。しかし、70年代からフランスの産業構造の変化に伴い、団地を離れる人が増えていき、団地を維持するために移民を受け入れるようになった。そして2019年から解体工事が始まり2020年、完全に取り壊された。本作は、そんなシテ・ガガーリンの最期がドラマチックに描かれた傑作であった。