【ネタバレなし】『未来のミライ』決してお子さんを連れて観てはいけない3つの理由

未来のミライ(2018)
Mirai(2018)

監督:細田守
出演:上白石萌歌、黒木華、星野源、
麻生久美子、吉原光夫、
宮崎美子、役所広司、
福山雅治etc

評価:95点

海外の映画サイトRotten Tomatoesでは驚異の100%(2018/07/22現在)を叩き出し、高評価スタートとなっている細田守監督最新作『未来のミライ』。それが日本では、今年最大級の酷評フェスティバル状態となっている。試写会の時点から、観た人が口々に「これは…ちょっと…」「つまらん!」と言う。甘めの評価で有名なFilmarksですら、試写会後の段階で平均点3/5と低評価だった。そして金曜日。ついに一般公開されると、Twitterは荒れに荒れた。『エヴァンゲリオン』の予告編を観にいくようなものとまで言われてしまった。

ただ、実際に観てみてみたところ、ブンブンにとっては大傑作だった。と同時に、「これはお子さん連れて観てはいけない映画だ!」と思った。この記事では、これから観に行こうと思っている方に対して注意喚起、助言をしていきます。

ネタバレ解説記事はコチラ→『未来のミライ』ベルイマンの『野いちご』から謎を読み解く

『未来のミライ』あらすじ

甘えん坊の男の子くんちゃんの平穏な日常は突如失われた。ミライちゃんという妹の出現によって。家族は皆、ミライちゃんのことばっかり気にしていて全く構ってくれない。孤独に苛まれたくんちゃんの前に未来のミライちゃんが現れる…

子連れ厳禁な理由1:もはやR-15!細田守監督の性癖全開変態映画

本作は、『おおかみこどもの雨と雪』からパワーアップした変態映画である。予告編を観て想像する「妹に対し嫉妬を抱いている男の子が、未来のミライちゃんと困難を乗り越えることで成長する物語」とは全く違ったストーリーが展開されます。『おおかみこどもの雨と雪』を思い出してほしい。狼男にレイプされ、ヤリ逃げされた女。彼女から産まれた2人の子どもは奇形児で、社会の目を気にしながら女手一つ子育てをしていくというセクハラど畜生映画だったのだ。ある種、細田守版『イレイザーヘッド』なのだが、あまりに後ろめたさなく明るく描いているのでデヴィッド・リンチを上回る狂気さがあった。

そんな、彼が猛省し、本物の育児映画を撮ろうとした。確かに、本作では男が育児に翻弄される姿をしっかり描いている。育児ドキュメンタリーである。しかしながら、彼の性癖はまたしても爆発してしまったのだ!

予告編でもあった、ア◯ルに棒(=尻尾)を突っ込んでエクスタシーを感じるあの場面。物語的意味づけがあるんだろうと思う。しかし、実際に観ると、これが皆無なのだ。唐突に昇天シーンがぶっこまれている。それどころか、本作はくんちゃんが性癖に目覚めることで、成長していく物語へと舵を切っていくのだ。あまりのショッキングでクレイジーなストーリーテリング、これはお子さんに、特にくんちゃんと同じ境遇の長男、長女に魅せてはいけない。良からぬ悦楽の門を開いてしまう危険性があります。

子連れ厳禁な理由2:トラウマ必至!終盤の不意打ちが怖すぎる!

本作は、『時をかける少女』『サマーウォーズ』のように清々しい色彩を基調としたタッチで描かれている。しかし終盤に急展開を迎え、壮絶な地獄絵図が大スクリーンに映し出されるのだ。これは観てのお楽しみであるのだが、大人であるブンブンですら、「ヒィ!」と悲鳴をあげそうになるほど怖かった。

実際に、劇場に来ていたキッズはこのシーンで号泣していました。

これは町山さんが紹介してもおかしくないほどトラウマ映画案件だったのだ。夜眠れなくなること間違いなし!大人になるまで、心に深い傷跡を残すので、お子さんを連れて観るのはやめた方がよい。

子連れ厳禁な理由3:とにかく難解!だってベルイマンだもの

極め付けが、この映画、ものすごく難解なのだ。通常、この手の異世界もの、タイムスリップものは、その現象にしっかりとした意味づけがされる。映画ドラえもんシリーズに置き換えて考えると分かりやすい。

のび太が欲を提示する→ドラえもんの力によって異世界へ行く→異世界での問題を救う

必ず、異世界と通じたのであれば、何らかの異世界の問題を解決する。そうすることで、異世界に対して存在意義を与えるのだ。しかし、本作の場合、それが皆無。当の未来のミライちゃんも全然出てこない。ただただ、くんちゃんが時空を、空間を素通りするだけなのだ。だから、多くの人が観終わった後「訳がわからん」と愚痴を溢す。映画ブロガーですら、あまりの難解さに頭を抱えた。

実は、この難解さはネタバレ記事

の方で詳しく書いているが、イングマール・ベルイマンのタッチにそっくりなのだ。特に『野いちご』と『仮面/ペルソナ

』にそっくりな演出がされている。小学校にもあがっていない子どもにベルイマンたる世界を魅せても、猫に小判、退屈し寝るだろう。

でも、ママさん、パパさんに観て欲しい!

ただこの作品、今育児真っ盛りのママさん、パパさんには是非とも観て欲しい。子育てにおける、女性と男性の心理的移ろいを120%全力全開で描いており、必要以上に子育ての苦労を事細かく演出している。実際に本作は、細田守監督の実体験に基づいている、まさしくBASED ON A TRUE STORYなのだ。これを観ると、何故妻は最近自分に対して強くあたるのだろう?どうして夫は、こうも育児が下手なのかといったことがよく分かる。そして、観終わった後、人生のパートナーに対して共感し、「育児は二人三脚、一緒に頑張らねば」と思うことでしょう。

なので、ママさん、パパさんは子育ての合間を縫って、是非本作を観てください。得るものは大きいと思います!

それにしても….

日本人は、幼少期から4次元5次元を扱ったアニメや特撮を観て育っているので、この手の作品に強い筈だと思っていたが、ここまで鬼畜な話だとドン引きするのはやむ得ないなと思った。と同時に、児童虐待や、児童ポルノに対して厳しい筈であるアメリカでこうも賞賛されているとは驚きだ。本当に、彼らは『未来のミライ』を観たのか?と疑うレベルだ。

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