【ゴーモン特集】『ファントマ対ジューヴ警部』必見!100年前のZOZOSUIT

ファントマ対ジューヴ警部(1913)
Juve contre Fantômas(1913)

監督:ルイ・フイヤード
出演:ルネ・ナヴァール、エドモン・ブレオン、
ジョルジュ・メルシオールetc

評価:80点

ゴーモン特集『ファントマ』シリーズ2作目評です。

『ファントマ対ジューヴ警部』あらすじ

前回、ファントマを惜しくも逃してしまったジューヴ警部は落胆していた。そんな彼の前に、「キャピタル」紙の新聞記者ファンドールが現れる。今度は二人でファントマを追い詰めようとするのだが…

超絶面白いドタバタ

ゴーモン特集『ファントマ』フルマラソンする中で、一番面白かったのが第2話だ。

全体的に、冗長で、エピソードの切り貼り感が目立つ本シリーズにしては、リエゾン、繋がりが利いており、ドタバタコメディとしての精度が高い。

ジューヴ警部に新聞記者ファンドールという相棒ができ、ファントマを追い詰めようとするのだが、どちらもボケ担当。間抜けすぎて発狂するレベルにおかしい。例えば、樽が転がっている岸での銃撃戦、敵かと思ってお互いに銃を撃とうとしてしまったり、八方塞がりだからと樽の中に入って転がってその場を切り抜けようとしたりとかなり間抜けだ(敵も、明らかに明後日の方向に向かって銃を撃っていたりして、このシーンの滑稽さはシリーズ通して群を抜く)。

また、《静かなる暗殺者》が自分を殺しに来るからと、警部は、全身にトゲトゲをまとって寝るのだが、寝返りうったら死ぬぞ!と思う程道化している。それに、いくらなんでも全身トゲトゲつけている男が寝ていたとしても、顔や脇腹をナイフで攻撃したら一発KOだ。しかも、その静かなる暗殺者が意外なモノで全く棘が機能していない。しかもトゲトゲの服ではなく、その意外なモノが伏線になっているのが面白い。

フィルムの色

映画史の本を読むと、映画史初期のサイレント映画の強烈な赤とか青の演出は天気や朝夜等を表現する手法として使われていることがわかる。しかし、D.W.グリフィスの『イントレランス』を始め、その演出の意図が分かりやすい作品は意外と少ない。結構出鱈目に感じてしまう。しかし、本作は、明確に夜のシーンで青ベースの色彩に変わるため、非常に分かりやすかった。

必見!100年前のZOZOSUIT

本作でブンブンを一番驚かせたのは、後のシリーズでも多用される変装。《黒ずくめの男》だ。コナンのあれを実写で魅せられると、違和感しかない。怪し過ぎるw

しかも、ZOZOSUITの面影が強い。ZOZOSUITに挑戦しようと思っているブンブンには、ファントマがZOZOSUITを着て外出している人にしか見えず爆笑でした。

エンディングにも注目

これから観る人はエンディングにも注目。オラキオ体操クラブが泣いて喜ぶレベルに思わぬ展開過ぎて、拍手喝采ものだ!爆発で終わる映画は、1970年代のB級映画、アメリカン・ニューシネマに多いのだがここまで、衝撃的な爆発エンディングはなかなか見たことがない。あまりの衝撃に劇場のハードコアシネフィルの口々から、「えー」という阿鼻驚嘆が漏れに漏れていました。

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