【デプレシャン特集1】『あの頃エッフェル塔で』回想シーンがくどい

あの頃エッフェル塔で(2015)
Trois souvenirs de ma jeunesse

監督:アルノー・デプレシャン
出演:カンタン・ドルメール、ルー・ロワ=ルコリネ、
マチュー・アマルリックetc

評価:30点

妹がデプレシャンのゼミに入ったとのことなので、急遽実家でリスペクトライブ。残念ながら、マスターピースである『そして僕は恋をする』は自宅に置いてきてしまったので、姉妹作の『あの頃エッフェル塔の下で』を観た。

『あの頃エッフェル塔で』あらすじ

外交官で人類学者のポールは空港でパスポートに問題が見つかり止められてしまう。そこからポールの過去が紐解かれていく…

回想の使い方に難あり

映画単体として観た際に、本作は明らかに失敗作だ。

『失われた時を求めて』がマドレーヌの味でもって幼少期を回想したように、本作ではSEXによって幼少期から現在までが回想される。

SEXが《破壊》の象徴であるかのように、陰惨で暴力的な過去が紐解かれていく。母親にナイフを突きつける、盗んだチャリで走り出さずぶっ壊す。火炎のイメージを宿した男が、やがてスパイとして亡命を手伝うようになる。暴力的な人生は段々と落ち着き、不倫レベルに留まるようになる。

そう、これは不器用な男が、不器用なりに大人としての落とし所を見つけていく様を魅せる作品なのだ。

しかし、デプレシャンは主人公の不器用さを作品の構造にまで宿してしまった。各挿話の繋がりは唐突で投げやり。『見出された時-「失われた時を求めて」より-

』と比べると、回想がワンパターンでくどく退屈だ。回想のトリガーであるSEXが全くもって必要性を感じられず、イキナリ幼少期から物語始めてもいいのでは?と感じてしまった。

どうも私はデプレシャンと相性が悪い。ただ、妹がデプレシャンのゼミに入ったからには、コンプリートしたいものだ。

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