『いぬやしき』ブリュッセル・ファンタスティック国際映画祭は制したが…

いぬやしき(2018)

監督:佐藤信介
出演:木梨憲武、佐藤健、本郷奏多、
二階堂ふみetc

評価:40点

アイ・アム・ア・ヒーロー

』に引き続き、ブリュッセル・ファンタスティック国際映画祭を制したアクション映画『いぬやしき』が遂に公開された。果たして…

『いぬやしき』あらすじ

冴えないサラリーマン犬屋敷は家族から疎まれ、会社でもうだつが上がらない。ガンが発覚し、余命僅かとなった犬屋敷は公園で大事故に遭遇する。気がつくと機械の身体になっており…

アニメの下手なZIP圧縮

実は先日、アマゾンプライムでアニメ版が配信されていたので10話程鑑賞してから映画館へ行った。本作は傑作であろうと確信していた。アニメ版は、キャラクターの動かし方が下手で脚本も鈍重だった。それを佐藤信介監督が2時間に圧縮したら、さぞかし面白いだろうと思っていた。

しかし、冒頭から不穏な空気が私を包む。犬屋敷の新居の映し方から、「撮影下手すぎないか?」と不安にさせる。家族が新居に向かう。「お父さんやるじゃん」とイカした家を前に娘が言うと、母が「いや、こっちだよ」と地味な家を見せる場面。しかし、映し出された家の後ろにあるボロい建物が存在感大きすぎて、そのボロい家が新居だと勘違いしてしまうような撮影になっているのだ。

そして、セリフは「ロイホ」「まんじゅう」と固有名詞単位でアニメのまんま。キャラクターも、アニメで余分に感じた渡辺しおんというキャラクターをしっかり登場させている。では、上手く再構成できているのかと思うと、これができていない。アニメだと渡辺しおんは、ある種のストックホルム症候群のように獅子神皓(敵役)を庇う。恋愛感情と、機械人間となった獅子神皓に対する恐怖が入り混じる様子を描いていたからこそ、渡辺しおんはかろうじて活きているキャラクターだったのだが、映画版では時間を意識してなのか、事務的に登場させて映画から退場させている。あまりに雑なのではと感じた。

極め付けは、予算の都合か、なかなかトランスフォームを魅せてはくれない。予告編であったようなバトルシーンは最後の最後になるまでない。かといって、そこに行き着くまでのプロセスにキレがないので途中で飽きてくる。

ヤバいぞ、ヤバいぞと思ったらまさにその通り。アクションシーンこそ面白いが、アニメ同様、キャラクターを動かしきれず、脚本も非常に動きが鈍。ただのアニメの下手なZIP圧縮に過ぎずがっかりしてしまった。

P.S.個人的に犬屋敷役をアニメ同様、小日向文世でやってほしかった。木梨憲武は、セリフを《読んでいる》感じが強すぎました。

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