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第71回カンヌ国際映画祭ラインナップ発表 濱口竜介だけじゃない!シネフィル燃えるオールスター感謝祭だ

第71回カンヌ国際映画祭ラインナップ発表 濱口竜介だけじゃない!シネフィル燃えるオールスター感謝祭だ

第71回カンヌ国際映画祭ラインナップ発表


今年もこの季節がやってきました。カンヌ国際映画祭。今年で第71回を迎える本祭は、Netflixを締め出す声明を出し、それにキレたNetflixが出品を取りやめるという事態が発生。カンヌというブランドをいつも以上に前に打ち出した映画祭となりそうだ。そして、昨晩、コンペティション一覧が発表されました。日本勢からは、常連の是枝裕和が『万引き家族』を提げ安定ノミネート。意外なダークホースとして、『ハッピーアワー』で国内外のシネフィルを驚愕させた鬼才・濱口竜介の『寝ても覚めても』がコンペティション入りを果たした。カンヌ国際映画祭は、新鋭監督の作品をまず《ある視点部門》に選出し、そこで評価を得た監督の次回作をコンペティションに入れる傾向があり、いきなりコンペティションという花道を歩けることは少ない。てっきり、『淵に立つ』である視点部門審査員賞を受賞した深田晃司の新作『海を駆ける』が来るのではと思っていただけに意外だ。

さて、今回は、日本人監督作2作品もコンペティション入りを果たし、また村上春樹の小説を韓国の巨匠イ・チャンドンが映画化した『納屋を焼く』もコンペティション入りを果たしているだけに、日本のメディアが盛り上がっているが、私は言いたい。他のラインナップも凄いと!ゴダール、ファルファディー、ジャ・ジャンクーの常連はもちろん、アリーチェ・ロルヴァケルにジャファール・パナヒ(イラン映画2作コンペ入り!)、『イーダ』のパヴェウ・パヴリコフスキ監督作まであるではありませんか!

ってことで、分かる範囲で、ラインナップを紹介していきます!

コンペティション作品

1.Todos lo saben(誰もが知っている)

監督:アスガー・ファルファディ
出演:ペネロペ・クルス、ハビエル・バルデム

セールスマン』のアスガー・ファルファディ監督が撮る観光映画(しかもユニバーサル社映画)。ブエノスアイレスに住むスペイン人女性がアルゼンチン人の夫と共にマドリードに帰郷するが、トラブルに見舞われ家族関係が悪化するという作品。ファルファディー監督お得意の、いやーな家族の軋轢描写がイランを超えて繰り広げられそうです。彼の作品は、毎回女性描写に力が入っている。ペネロペ・クルスはファルファディーを前にどんな演技を魅せてくれるのかに期待が高まります。

2.EN GUERRE(戦時中)

監督:ステファヌ・ブリゼ
出演:ヴァンサン・ランドン、Mélanie Rover etc

昨年末、岩波ホールで公開された『女の一生』のステファヌ・ブリゼ監督作。多くの人を鬱にさせた名作(?)『ティエリー・トグルドーの憂鬱』に引き続き
ヴァンサン・ランドン主演に撮った作品。今度は工場の経営陣と従業員のバトル映画だ。ヴァンサン・ランドン、、、かわいそう、、、
カンヌ国際映画祭のパルムドール作品は、『わたしは、ダニエル・ブレイク』、『ディーパンの闘い』のような社会派作品が強いのでひょっとして…

3.DOGMAN(ドッグマン)

監督:マッテオ・ガローネ
出演: Adamo Dionisi, Francesco Acquaroli etc

『ゴモラ』のマッテオ・ガローネが『五日物語』でファンタジーをやるものの、またギャングスタ映画に戻ってきた!1988年に起きた実話を元に、元ボクサーのギャングが犬のグルーマーを拷問死させた事件を描く。

4.LE LIVRE D’IMAGE(イメージの本)

監督:ジャン=リュック・ゴダール

さらば、愛の言葉よ』で監督を引退した筈のゴダールが某ロリコンアニメ監督さながら、何度でも蘇るさ!完全復活!Allocineに書かれたあらすじによると、

“Rien que le silence, rien qu’un chant révolutionnaire, une histoire en cinq chapitres, comme les cinq doigts de la main.”(静かなことばかりではなく、革命的な歌だけで、手に5本の指があるように5つの章からなる話)

訳がわかりません(泣

ただ、噂によると中東を舞台に虚実入り交えた実験映画だそうです。それにしても今回のカンヌ国際映画祭ポスターはゴダールの『気狂いピエロ』フィーチャーだ。まさしくゴダールの為の映画祭と言えよう。

5.PLAIRE, AIMER ET COURIR VITE(好む、愛する、そして駆け抜ける)

監督:クリストフ・オノレ
出演:Vincent Lacoste, Pierre Deladonchamps etc

カイエ・デュ・シネマ出身の批評家クリストフ・オノレ監督最新作。20歳の学生アーサーが作家と出会い恋に落ち一夏を過ごすゲイ映画…んっこれって『君の名前で僕を呼んで』とストーリーが一緒なのでは?

6.LES FILLES DU SOLEIL(太陽の女達)

監督:Eva Husson
出演:Golshifteh Farahani, Emmanuelle Bercot

カンヌ国際映画祭コンペティション部門新人枠。デビュー作『Bang Gang』で若干注目を浴びたらしい。クルド人女部隊《LES FILLES DU SOLEIL》の壮絶な戦いを描いた戦争映画。これは、審査員賞あたりを狙えそうな作品ではないか?

7.ASH IS PUREST WHITE(灰は純白だ)

監督:ジャ・ジャンクー
出演:Tao Zhao, Fan Liao etc

カンヌの定番ジャ・ジャンクー新作がやってきました。2001年から2017年までの暴力的な愛が描かれる。ジャ・ジャンクー映画はいつもオフィス北野が配給しているのだが、あの騒動があった今、日本公開できるのか?果たして我々は観ることができるのか不安がよぎります。

8.Capharnaüm

監督:ナディーン・ラバキー

レバノンの女性監督ナディーン・ラバキー最新作。正体不明の作品につき、最強映画祭まとめサイト《海から始まる!?》さんの解説をお待ちくださいzzz

9.BUH-NING(納屋を焼く)

監督:イ・チャンドン
出演:ユ・アイン、スティーヴン・ユァン

『ポエトリー アグネスの詩』以来久しぶりのイ・チャンドン監督作は、なななんと!村上春樹がザ・ニューヨーカーに掲載した小説『納屋を焼く』だった!広告モデルの「僕」付き合っている「彼女」が別に付き合っている男と食事をする。その彼の趣味が納屋に放火することで…という内容。確かに、この内容は韓国で映画化すると傑作に化けるかもしれない。

10.BlacKkKlansman

監督:スパイク・リー
出演:ジョン・デヴィッド・ワシントン、
アダム・ドライバーetc

スパイク・リーの犯罪ドラマ。タイトルから御察しの通り、KKKが関わってくる作品です。

町山智浩の解説がいりそうな厄介案件。軽く調べてみたら、ブラックスプロイテーションが流行る直前の作品『The Black Klansman(1966)』の影響を受けていそうな感じがあります。

11.UNDER THE SILVER LAKE(アンダー・ザ・シルバー・レイク)

監督:デヴィッド・ロバート・ミッチェル
出演:アンドリュー・ガーフィールド、ライリー・キーオetc

イット・フォローズ』でカンヌを熱狂させたデヴィッド・ロバート・ミッチェルがカルト映画製造会社A24と組んで制作したコメディスリラー。何故か自宅のプールに迷い込む美女。彼女に惚れたガーフィールド君が美女を追って追って追いまくるという作品。根底はフィルムノワールなんだけれども、ポップでコミカル。安定のA24クオリティ。これまたカルト映画になりそうだ。

12.THREE FACES(3つの顔)

監督:ジャファール・パナヒ

今年はイラン映画が2本もコンペティションにいる。しかし、個人的に応援したいのはジャファール・パナヒだ。彼は、既に三大映画祭全てで賞を受賞している凄腕監督。しかし、内容が過激すぎてイラン政府から軟禁状態にあっている可哀想な監督だ。とはいっても、彼の反骨精神は恐ろしい。『人生タクシー』はタクシーの中にカメラを仕込み、車内だけで物語を展開させ、こっそりベルリンに送って最高賞を獲っていたりするのだ。今回の内容はまだ分からないが、パルムドールを獲って欲しい。『白い風船』でカメラドールを獲った彼ならきっとできるはずさ!

13.ZIMNA WOJINA(冷戦)

監督:パベウ・パブリコフスキ

イーダ』でアカデミー賞外国語映画賞を受賞したポーランドのパベウ・パブリコフスキ最新作。ストーリーはまだ明らかにされていないが、原題のZIMNA WOJINAはポーランド語で冷戦という意味。監督賞、パルムドール狙いのアート系シリアスドラマが展開されそうな気がする。

14.LAZZARO FELICE(ハッピー・ラザロ)

監督:アリーチェ・ロルヴァケル
出演: Nicoletta Braschi, Sergi López

個人的にもっと日本で注目されて欲しいイタリアの女性監督アリーチェ・ロルヴァケル最新作。若い農家の人々の友情が嘘と欺瞞で崩れていく話。アリーチェ・ロルヴァケルは、宗教的な話を素朴な地方都市で繰り広げているにも関わらず、毎回ポップな音楽が映画を包み、みたこともないような景色を観せてくれる。『夏をゆく人々』『CORPO CELESTE』でアリーチェ・ロルヴァケルの世界にどハマりした私は応援したい。是非とも、監督賞を受賞してほしい。(審査員長がケイト・ブランシェットだから意外と監督賞通り越してパルムドール獲れるのでは?)

15.Yomeddine

監督:A.B. Shawky
出演:Rady Gamal, Ahmed Abdelhafiz etc

エジプト映画。孤児と犬のロードムービーとのこと。旅から見えてくる政治的、社会的問題。どこまで掘り下げられるかがポイントになってきそうです。

16.Leto

監督:キリル・セレブレニコフ
出演:Irina Starshenbaum

『Yuri’s Day』で評価されたキリル・セレブレニコフ最新作。

17.寝ても覚めても

監督:濱口竜介
出演:東出昌大、唐田えりか、瀬戸康史etc

ハッピーアワー』『親密さ』等、長時間の上映時間で少しずつ変化する登場人物の心情を描く作風で注目された濱口竜介が芥川賞作家・柴崎友香の同名恋愛小説を映画化。主演は東出昌大、上映時間も119分というある意味異色作がなんといきなりカンヌ国際映画祭コンペティション入りを果たした!大阪で暮らす女性がある日、麦という男と出会い恋に落ちるが、突然彼は消えてしまう。そして時が経ち、彼女は彼にそっくりな男と出会うという内容。濱口監督大出世作、ストーリーテリングは凡庸な気がするが果たして…

18.万引き家族

監督:是枝裕和
出演:リリー・フランキー、安藤サクラ、松岡茉優etc

最近、ブンブンの苦手監督になってしまった是枝裕和。彼の新作は『誰も知らない』を彷彿とさせる、原点回帰的な作品だ。それであり是枝監督集大成ともとれる。万引きをして暮らす家族の絆を描くという、斬新な内容。予告編を観ると面白そうではありませんか!まあ、カンヌで賞は難しい内容だとは思うが、外国の批評家、シネフィル熱狂は間違いないだろう。

おまけ

その他の部門について書く気力はないのですが、ピックアップして紹介します。

まず、スペシャル・スクリーニングに中国最強のドキュメンタリー作家・王兵(ワン・ビン)の新作『LES ÂMES MORTES(死の魂)』が出現。なんと上映時間が8時間15分あるではありませんか。最近は2時間半ぐらいに落ち着いたと思ったら、『鉄西区』に迫る本気度。これは流石のフィルメックスも対応できないと思うぞww

また、同部門にヴィム・ヴェンダースの新作『LE PAPE FRANÇOIS – UN HOMME DE PAROLE』が出品されています。これは2013年にカトリック教会の枢機卿就任したホルヘ・マリオ・ベルゴリオの活動を追ったドキュメンタリーだ。

短編部門では、だんご三兄弟やピタゴラスイッチを手がけた佐藤雅彦、日本映画界最強プロデューサー川村元気等が共同で制作した『どちらを選んだのかは分からないが、どちらかを選んだことははっきりしている(DUALITY)』が出品されています。

今年はどんな傑作が発掘されるのか?どんな闘いが繰り広げられるか楽しみになってきました。個人的には、クレール・ドゥニのSF映画やレオス・カラックスのミュージカル、そしてなんといっても深田晃司の『海を駆ける』がノミネートして欲しかったが、一切入ってなくてちょっぴり悲しくなりましたw

そんなカンヌ国際映画祭は5/8(火)~5/19(土)で行われます。また毎年恒例、結果速報も当ブログで発信していきますのでよろしくお願いします。

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