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『レディ・バード』6/1日本公開グレタ・ガーウィグの受験映画

『レディ・バード』6/1日本公開グレタ・ガーウィグの受験映画

レディ・バード(2017)
Lady Bird(2017)


監督:グレタ・ガーウィグ
出演:シアーシャ・ローナン、
ローリー・メトカーフ、
ティモシー・シャラメetc

評価:40点

『フランシス・ハ』で有名な女優グレタ・ガーウィグ初監督作にて、第90回アカデミー賞にて作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞、助演女優賞の5部門にノミネートされた作品。日本公開は6月1日ですが一足早く鑑賞しました。町山智浩曰く、300ページ以上、6時間分に渡るグレタ・ガーウィグの自伝的内容を90分に圧縮したとのことだが果たして…

『レディ・バード』あらすじ

カリフォルニア州サクラメントの片田舎。敬虔なカトリックの女子校に通うクリスティンは自らを《レディ・バード(テントウムシ)》と呼び、頭髪を赤に染め校則なんぞクソ喰らえと自由気ままに生きていた。しかし、彼女も受験シーズン。ニューヨークの大学に行きたい彼女だったが、親には反対され、学校の先生には「あなたの成績じゃ無理ね」と言われてしまう。果たして彼女は無事ニューヨークへ行けるのだろうか?

脚本が弱い

本作は、アカデミー賞脚本賞にノミネートされているだけに期待して観たのだが、予想外に脚本が残念な作品だった。これはグレタ・ガーウィグの高校生活最後の年にあった沢山のエピソードの中から90分抜粋したものだ。高校最後の年、大人の階段を登る中で体験する酒に、タバコ、恋、そして進路決定。全てが未知で、楽しく、でも不安な中、自分のアイデンティティがガッチリと固まって行き、親元を離れていく姿が描かれている。

毒親に付けられた名前を嫌がり、《レディ・バード》という芸名を名乗りる。学校では《自分は他の人と違う》と粋がっているイタイ女が、段々とイタさは変わらないが荒ぶる自己をコントロールできるようになるまでを『ブルックリン』で抜群の《成長》を演じきったシアーシャ・ローナンに演じさせているため、確かに上手い。小話も面白いし、女子高生の淡い恋の場面は本当にみずみずしい。

しかしながら、エピソード同士のアンサンブルに乏しくただ並べているだけなので、短くも長い、楽しい青春だが辛い青春という彼女が本当に描きたいものが形になっていない。人生を決める映画にも関わらず、彼女がまともに勉強を頑張ったりする様子はなく、カンニングしたり悪態ついてばかり。アメリカの受験戦争は日本より厳しいのだが、このピリピリ感が伝わってこない。メリハリがなく、常にヘラヘラしているので、たとえ実話だとしても《成長》という大きなテーマが霞んでしまう。別に成長しなくてもいいのでは?と思うのかもしれない。しかしながら、この『レディ・バード』は最後の最後で親目線の話になる。レディ・バードの成長に切なさを篭める作りとなっているために、いかにして最後に向かって成長を積み上げていくかが重要になっている。

そう考えた際に、6時間の脚本を90分レベルまで切り貼りされた本作は、各小話の繋がりに乏しく、小さい話が積み上がって大きなカタルシスを生む成長の物語として失敗だと感じてしまった。

とはいえ、受験時代大変だった人や、毒親を持っている人には刺さる映画間違いなし。ブンブンのぼやきなんか気にせず映画館へ向かってください!

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