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【ネタバレ解説】『リメンバー・ミー』今年ベスト邦題当確?このタイトルの意味に涙する

【ネタバレ解説】『リメンバー・ミー』今年ベスト邦題当確?このタイトルの意味に涙する

リメンバー・ミー(2017)
Coco(2018)


監督:リー・アンクリッチ、
エイドリアン・モリーナ
出演:アンソニー・ゴンザレス(石橋陽彩)、
ガエル・ガルシア・ベルナル(藤木直人)、
アラナ・ユーバック(松雪泰子)etc

評価:85点

第90回アカデミー賞長編アニメーション賞、オリジナル歌曲賞受賞、第45回アニー賞11部門受賞したピクサー最新作『リメンバー・ミー』が遂に日本上陸した。正直、ブンブンはディズニーやピクサーの映画に対して斜に構えている。なんたって、アカデミー賞の長編アニメーション賞は決まってピクサーやディズニーだ。アメリカの映画人の目は節穴か!と思いたくなる。

しかも、今年は『この世界の片隅に』を差し置いて、『ボス・ベイビー』というナメた赤ちゃん映画や、ロッテントマトで一般客評が悪い『Ferdinand』がノミネートしていたのでこの部門に愛想を尽かした。なので、観る前は、「どうせいつも通り優等生な映画なんでしょ?70点くらいの映画なんでしょ?」と思いながら鑑賞した。

…観終わった後、私はピクサーに謝りたくなった。大傑作ではないか!よく、当ブログで「泣けた」と書くが、ブンブンは冷徹な男なので目から涙が出ることはない。出るとしたら花粉症による影響だけだ。しかし、本作はラストのラストの、胸の奥から込み上げてくるものがあった。目からツーと雫が一つ、また一つと垂れた。ハンケチを持ってくるのを忘れて後悔した。

ってことで、今日はなぜ、『リメンバー・ミー』が凄いのかを語っていくとしよう。ネタバレ記事になるのだが、未見の方は目をかっ開いて聞いて欲しい。

GET OUT!!!!!!!!!!!

真面目に本作は、何も耳に入れず観て欲しい。今すぐハンケチ片手に劇場へ向かって欲しい。

それではいってみましょう!『リメンバー・ミー』

『リメンバー・ミー』あらすじ

メキシコ・サンタ・セシリアに住む少年ミゲルは、伝説の歌手エルネスト・デラクルスに憧れている。しかし、彼の家庭は音楽を禁じていた為、なかなか音楽に接する機会がなかった。そんなある日、死者を弔うDía de Muertos。彼は、家族と喧嘩する。そして彼は家を飛び出し、町の音楽祭に出場しようとする。でも彼の隠し持っていたギターは家族に壊されてしまった。やむ得ず、ミゲルはデラクルスの墓に侵入しギターを盗むが…

今年最強の邦題

本作の中身について語る前に、本作の邦題がいかに素晴らしいかを語っておく必要がある。通常ディズニーやピクサー映画は原題を踏襲するか、「AとBのC」「AのBのC」という型に当てはめたタイトルにするのが習わし。しかしながら、本作は珍しく、劇中何度もかかる主題歌『REMEMBER ME』から取られている。原題は、『Coco』とミゲルのおばあちゃんの名前になっているのだが、明らかに『リメンバー・ミー』の方が上手だ。何故、《私を思い出して》という言葉が重要なのかがわかった途端、ブンブンは涙がツーと滴り落ちました。

お見事!

ミスリードを誘う超絶技巧の脚本

本作の何がいいって、これが終盤「えーーーー!」とびっくりするような展開が連べ打ちのように観客に迫ってくるのだ。Twitterなんかをみていると、「展開があっさり読めた」なんていっている人がいるが、それは町山さんの解説から推測したせいなんじゃないかな?と思うほど、巧妙なトリックが仕掛けられています。

まず、本作はミゲルと家族の関係を重厚に映し出す。家族のことは好きだが、音楽はもっと好き。音楽にだけ厳しい家族とミゲルとの葛藤が酷なほどに描かれる。そんな彼が、《Día de Muertos(死者の日)》にご先祖の写真立てを破壊してしまう。音楽祭にも行けないし、大事な先祖の写真立ても壊すしで最悪なミゲルの目に映ったのは、憧れの歌手エルネスト・デラクルスのギターだ。観客もミゲルも、「音楽が将来を導いてくれる」という希望の光を見る。

そしてミゲルの冒険が始まるわけです。デラクルスのギターを盗んだせいで死者の国に墜ちたミゲルは、まともとは到底思えないチャラ男(生前はナオトインティライミw)ヘクターと一緒に珍道中をする。喧嘩もしたりするが、お互いに高め合い、やっとの事でデラクルスに合うわけですよ。

あれっ尺にしてはデラクルスに会うの早すぎるのでは?何かがおかしいと思うわけですよ。すると、何とデラクルスが「チャンスを掴め」をモットーにヘクターから曲を盗み、さらにはヘクターを毒殺していたことが明らかにされるのです。

今まで観客は、毒親から離れ「チャンスを掴む」ことこそ美徳とされていた世界から突き落とされるわけですよ。

そして、誰も自分のことを覚えておらず、死者の国からも消えそうになっているヘクターのことを唯一覚えているのが、アルツハイマーのおばあちゃんCocoだったということが明かされるのだ。

しかも、これが唐突などんでん返しというわけではなく、しっかり前半に伏線が張られていたこともわかる。Cocoはしきりにヘクターを呼んでいたにも関わらず、ボケ老人として家族がCocoを軽く扱っていたこと。ヘクターが本当にデラクルスのことを知っていて、悲しみと憎しみがずっと彼を包んでいたことを観客は知るのだ。

そして、ミゲルは必死の思いでCocoにRemenber Meを歌うわけですよ。ヘクターがCocoに籠めたメッセージがシンクロする。もう号泣ですよね。

本作は、「チャンスを掴む為ならしがらみから逃げろ」という内容から「チャンスを掴む為ならしがらみに向き合え」という内容へとシフトした。確かに、綺麗事でいかにもディズニー、ピクサーらしい解答なのだが、それでも圧倒的温もりのあるRemember Meに親や先祖、恩師を敬いたくなった。ディズニー、ピクサー映画の前に建てたベルリンの壁はあっさりと瓦解しました。お見事!

おまけ:フリーダ・カーロ

本作では、死者の国パートでフリーダ・カーロが出現する。彼女はメキシコを代表とする画家です(1907-1954)。1925年にバスの事故に遭い、入院中に絵を描いており、そこから画家を目指すようになりました。彼女は当時、時代遅れだと言われていた肖像画に執着し、生涯かけて200点以上もの作品を世に送り出した。

そんな彼女の半生を描いた『フリーダ』は現在Netflixで配信中です。気になったら是非!

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