【ハル・ハートリー特集】『ネッド・ライフル』ベタなエディプス・コンプレックスなのだが…

ネッド・ライフル(2014)
NED RIFLE(2014)

監督:ハル・ハートリー
出演:オーブリー・プラザ、パーカー・ポージー、
リアム・エイケンetc

評価:75点

ハル・ハートリー『ヘンリー・フール』三部作DVD-BOX完全走破!いやー、クラウド・ファンディングに参加してよかったと思いました。ますますハル・ハートリーが好きになりました。ってことでヘンリー・フール最終章『ネッド・ライフル』について語っていきます。

『ネッド・ライフル』あらすじ

フェイ・グリムは終身刑を言い渡され、獄中で生活している。息子のネッド・ライフルはことの頑強であるヘンリー・フールを殺そうと考え、旅に出る。しかし、道中で出会ったスーザンに邪魔され…

ベタなエディプス・コンプレックスものだが…

本作はリチャード・リンクレイターもびっくりな作品の連続性による魔法を魅せてくれる。本作は単体で観ると平凡なエディプス・コンプレックスものに見える。しかし、ヘンリー・フール三部作を通しで観ているものにとっては驚きの連続だ。

まず、朗報としてハル・ハートリーが正気に戻ったということだ。『ヘンリー・フール』で自身のコンプレックスを反映させ、『フェイ・グリム』では完全に壊れてしまったハル・ハートリーの暴走が繰り広げられていた。『ネッド・ライフル』では、スランプから脱出したハル・ハートリーが自信を持って自分の作家性を発揮した作品だ。常に彼が描いてきた、家族との確執、そしてアンニュイな世界観を自分のアイデンティティとして再度認め、全力でぶつける。

父であるヘンリー・フールに恨みを抱いている息子ネッド・ライフル。投獄中の母親に対してはスカした態度を取るが、実は母親のことが大好きでそれ故になんとしてでも父親を殺そうとする。リボルバー銃と一発の銃弾でもって。ただ、それを邪魔するのは魔性の女スーザン。彼女はいかにも怪しい女なのだが、ネッド・ライフルは突き放すことをしない。どこかそこには「父殺し」に対する躊躇いがあるようだ。

この様子を、1作目の主人公であるサイモンが冷ややかにでもソワソワと見つめる。1作目ではアイデンティティを獲得していなかったサイモン。しかし、今や偉大な詩人で完全なる人格者になっている。そんな彼はネッド・ライフルの姿に自己を重ね合わせる…

冒頭でも言ったが、本作は単体で観ると平凡な映画にしか見えない。ただ、それがシリーズ通して観ることで非常に重層的な物語になっているのだ。ハル・ハートリーの職人芸!私は感動した!是非とも『トラスト・ミー』もDVD化してくれ!!

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