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『アイスと雨音』長回しフェチ必見!松居大悟の慟哭

『アイスと雨音』長回しフェチ必見!松居大悟の慟哭

アイスと雨音(2018)


監督:松居大悟
出演:森田想、田中怜子、田中偉登、
青木柚、紅甘、戸塚丈太郎、門井一将、
若杉実森、利重剛、MOROHA 

評価:75点


男子高校生の日常』『アズミ・ハルコは行方不明』の松居大悟最新作が遂に公開。東京国際映画祭の時から気になっていただけに、ようやく観ることができてワクワクしながらユーロスペースに行ってきました。果たして…

『アイスと雨音』あらすじ

2017年、とある演劇公演が中止となった。憤りを隠せない松居大悟と劇団員は映画を作ることで、その悲しみを形にしようとした…74分ワンカットで送る慟哭がここにある!

長回しフェチ必見!松居大悟の慟哭

松居大悟が企画し、潰れてしまった演劇公演の一部始終を映画に収め、主演は当事者、それも74分ワンカットで撮るという異色作だ。

東京国際映画祭の時は時間が合わず観られなかった。5ヶ月首を長くして待ち、ようやく観ることができた。

私は長回しに目がない。ソクーロフの『エルミタージュ幻想』やドイツ映画『ヴィクトリア』には目を奪われた。だから本作を嫌いになるはずがなかった。

最初はアンディ・ウォーホルの『ヴィニール』を思わせる一部屋劇で幕をあける。一部屋でカメラを右左に動かすだけで時が進む。ワンルームで徹底的に企画当初の熱気、不安と期待を切り出す。これは映画ではない。《演劇》なんだということを強烈に打ち出す。

公演1週間前になり中止が決まる。そこから、この作品は怒り、慟哭を《演劇》という空間から《映画》もとい《拡張された演劇》へと広がりを魅せる。

役者は街を彷徨い、自分たちが立つことできなかった劇場に辿り着く。そこで、10万ボルトの雷を放つ。

目の前に映るエモく、痛く、そして切ない青春の蹉跌。その悔しさを忘れないように映画に閉じ込めた。辛酸を舐める劇団員を再度輝かせた松居大悟は本当にええ人やなーと惚れ惚れとした。

ただ、惜しいところもある。時間の経過をテロップで表示するのは流石にあかんよ。演劇的ではないし、あのエセ長回し映画『バードマン』だってやっていなかったでしょ!

とまあ不満点はあるものの、本作はなかなか観ることの、感じることのできない映画体験ができます。これは、是非劇場でウォッチしてみてください。

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