【ネタバレ酷評】『嘘八百』武正晴も足立紳も大手映画に堕ちた、、、

嘘八百(2018)

監督:武正晴
出演:中井貴一、佐々木蔵之介、友近etc

評価:25点

百円の恋

』から約2年、武正晴監督×足立紳脚本最強コンビが帰ってきた!しかも、東映という大手看板をしょって。出世したなーと涙をハンカチで拭いながら観にいった。

『嘘八百』あらすじ

冴えない古美術商はある日、お屋敷で利休の幻の茶碗を見つける。お屋敷の主人を騙し廉価で落とし大満足の彼だったが、実はそれは贋物だった。お屋敷の主人だと名乗るその男は、落ち目の陶芸家で、行きつけ飲み屋の職人仲間と一緒に古美術商を嵌めたのだ。悔しがる古美術商だったが、その陶芸家の過去を知り、彼と一緒に利休の幻の茶碗(贋物)を作り上げ、ライバル老舗古美術商を騙そうとする…

製作委員会方式、大手映画に魂を売ってしまった

かつて、園子温や入江悠が大手という名のダークサイドに堕ちたように、彼らも残念な作品を作ってしまった。中井貴一扮する古美術商が、佐々木蔵之介&愉快な仲間たちによるペテン師に嵌められたことから、共に千利休の茶器の贋物作って大金を得ようとする話。

しっかり、古美術商の世界を調べに調べて作ったような印象を受ける。『スティング』の要素を引っ張ってきつつ、独自色を出そうとしている志も伺える。伏線張りも頑張っている。

ただ、東映や製作委員会方式の言うなりになってしまったのだろう。脚本を守りきれなかったのだろう。実にダサい。素人茶器のような、100均で売っていそうな茶器レベルの作品になってしまった。

まず、ギャグやユーモアを観客の心に届ける為の、演出の強弱、音や間の使い方がコントロールされておらず、シラケにシラケまくっている。

それ自体は、終盤の競りシーンで持ち直すからまだ良い。

今年ワーストシーン確定か!ラストにやらかすトンデモ展開

しかし、競りの見せ場が終わってからダラダラとドラマを続けてしまっているのだ。そして、なんて愚かなことだろうか、目を疑うような茶番、「追いかけっこ」というものなんですけど、これをやってしまうのだ。

無事、老舗古美術商を騙し、大金を得た主人公ら一向。古美術商の娘は陶芸家の息子と結婚式を挙げる。こりゃめでたいシーンだ。しかし、何故か陶芸家の息子には女がいたらしく、その女がナイフ振り回し追いかけてくるのだ。数分に渡り、待てーと大根演技で追いかけるその女。伏線があるわけでもなく、非常に投げやりだ。

そこから繰り広げられるどんでん返しも、正直必要がない。正月映画として、開運映画として宣伝しているにも関わらず、こう後味悪くしてどうするの。

結局大金は、古美術商の娘夫婦が奪って飛行機で逃走したかに見せかけて、エンドロールでは空港の検問に捕まりバッドエンド。誰一人救われてない。結局何がしたかったの?というエンディングになってしまった。

このオークション後の一連のシーンだけで、この映画の評価はマイナス5億点に失墜しました。

足立紳の脚本は『キャッチボール屋

』『お盆の弟

』『14の夜

』と好きだっただけに残念でした。

ただ、これはきっと製作委員会方式や東映の偉い方が悪いんだと思うので、次回作に希望を抱いて待つことにしよう。

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