【ネタバレ】『オリエント急行殺人事件(ケネス・ブラナー版)』ポアロ君,,,それはキモノではない!

オリエント急行殺人事件(2017)
Murder on the Orient Express(2017)

監督:ケネス・ブラナー
出演:ケネス・ブラナー、ジョニー・デップ、
ペネロペ・クルス、ジュディ・デンチ、
セルゲイ・ポールニン

評価:40点

名探偵コナンのゲームでも露骨に真似されたアガサ・クリスティの名作ミステリー『オリエント急行殺人事件』をケネス・ブラナーの手で映画化。ジョニー・デップやペネロペ・クルス、ジュディ・デンチ、さらにはバレエダンサーのセルゲイ・ポールニンまで出演しているオールスター映画だ。ミステリー映画は苦手だが、フリーパスポートを発動して観てきました。

※【ネタバレ注意】本記事はオチについて書かれています。未見の方はゼッタイに読まないで下さい。

『オリエント急行殺人事件』あらすじ

名探偵エルキュール・ポアロは休暇のためオリエント急行に乗り、ディケンズを読みふけっていた。すると殺人事件が勃発。しかも、雪崩によりオリエント急行は脱線してしまう。あまり気乗りがしないポアロだったが、オリエント急行が復旧するまでの間、暇つぶしにこの殺人事件の真相を解き明かそうとするが…

ポアロがねぇ薄いんだよねぇ

映画好きなら誰しもシドニー・ルメット版と比較したくなる案件だ。残念ながら、私は中学時代に観ているもののほとんど記憶がないので、シンプルに一つの映画として観てみた。すると、どうもよろしくない映画に見えた。映画の衣裳や美術は確かに美しく観るものを魅了する。私はこの画作りは好きだ。しかし、どうもポワロの推理が後出しじゃんけんにしか見えなかった。というよりか、ミステリー映画を描くつもりがうっかり007をやってしまっているように見えた。

冒頭、軽いジャブがてらエルサレムでね推理が始まる。しかし、観客に推理させようとはせず、勝手に自己解決されていく。しかも、コメディタッチで描いているのだが、これが滑っている。絶望的な程に。

そして、本題のオリエント急行での推理が始まるのだが、ポワロは非常に感情的で、とても探偵には見えない。ただ、気まぐれに、気休めに推理しているようにしか見えない。まだ『探偵はBARにいる3』の大泉洋の方が証拠集めしている。いつしか、本作は推理を忘れて『ロシアより愛をこめて』の真似事を展開し始めて頭を抱えた。こんなのミステリーじゃない。茶番だと。

何よりも致命的なのは、ポアロがどう考えても中国の民族衣装なのに、「キモノ、キモノ(字幕では書かれていない)!」と言っている点。ポアロは語学知識が豊富で英語、フランス語、ドイツ語が話せ、さらにはロシア語に関する知識もある。そんな博識にも関わらず、あれをキモノと呼んでしまうことで、彼のキャラクター像がぶれてしまった。シドニー・ルメット版やアガサ・クリスティの原作がもし同様のことを行っているのなら、ここは改編してもよかったんじゃないだろうか。

ポアロ、推理放棄

そして、ラスト、「この列車には、名優が必要だった。」という日本の宣伝通り、乗客全員グルで一人の男を殺そうとしていたことが分かる。ポアロは大げさに、事件のネタばらしをした後、「正義について考えさせられた。本来だったら警察に明け渡すところだが、君たちは殺人者じゃない。」といって列車を去るのだ。確かにこの殺人事件は、多くの人の人生を不幸にした奴に対する復讐劇。1殺して10救うタイプの殺人だ。だが、いくらなんでも警察に「あっ犯人逃げましたよーんじゃ俺は去るわ!」と言うポアロは軽すぎるんじゃないかと思ってしまった。これって事実から目を背けた。ただ面倒ごとから逃げた奴じゃん!とブンブンは不満を抱きました。

お前そんなんで良いのかい!とブチ切れそうになった。シドニー・ルメット版もこんなんだったっけ?と改めて思ってしまった。

続編あるぞ!

最近のハリウッド映画は、何でもパンくずをラストに残して、続編を作るぞアピールをしているが、本作も同様の事が行われていました。なんと次回、『ナイル殺人事件』を映画化するそうです。

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