*

【実話】『ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ(THE BIG SICK)』日本公開2/23の異文化難病ラブコメディ

【実話】『ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ(THE BIG SICK)』日本公開2/23の異文化難病ラブコメディ

ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ(2017)
THE BIG SICK(2017)


監督:マイケル・ショウォルター
出演:クメイル・ナンジアニ,
ゾーイ・カザン,
ホリー・ハンターetc

評価:65点

映画仲間から、「日本公開は難しいかも知れないがこの『THE BIG SICK』が面白いよ!もしかしたらアカデミー賞ノミネートいくかもしれない」とDVDを貸してくれました。果たしてどんな映画なんでしょうか…

※弟90回アカデミー賞脚本賞にノミネートされました。

『ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ』あらすじ

パキスタンに生まれるものの、幼少期からアメリカに移住し、今はコメディアンとして活動するクメイル。ある日、彼が漫談をしていると、一人の女の子に一目惚れしてしまう。その子は、心理学を学んでいる大学院生のエミリ。直ぐに二人は意気投合しラブラブカップルになる。しかし、クメイルにはある秘密があった。それは、パキスタンの風習でクメイルは裏でお見合いをしていたのだ。エミリのことは好きだけれども、家族に嫌われたくない。心優しいクメイルは悩む。そして遂に彼女にその事実がバレた時、彼女の身に「Big Sick」が発症してしまう…

パキスタン人が教えてくれる心苦しい温もり

異人種間恋愛、それも難病や文化対立を扱った作品となると非常に重くお葬式のような雰囲気で物語が展開しがちだ。しかし、意外なことにこの『THE BIG SICK』はコメディのキレにより、その重みを緩和。それでもって、アメリカにいる二世のアイデンティティを突き詰めた良作となっている。

主人公のクメイルは幼少期に、家族とともにアメリカに渡る。長年、英語で生活し、アメリカ人として暮らしてきたので、パキスタン人としてのアイデンティティよりもアメリカ人としてのアイデンティティが強い。自国の文化を尊重し、1日5回礼拝をしたりする家族をどこか疎ましく思い、それを自虐ネタとして漫談の場で語る。ちょっとでもパキスタンのことを知って、二世は辛いよと伝えるかのごとく。

この漫談のシーンが、ユニークで笑える一方、心優しいクメイルの葛藤が詰まりに詰まっていて心が苦しくなってくる。

そんな彼が、エミリという女性と付き合うようになってから、更に爆笑と切なさが心に覆い被さってくる。クメイルは心優しい青年だが、コメディアンだけあって日常生活も個性的。携帯電話の着メロはXファイルのテーマソングで、エミリとお家デートで観るのがB級ホラー映画。それも全力で「B級ホラー映画観ようぜ!」と言ってくるあたり笑えます。と同時に、パキスタンの風習でお見合いが一度始まると。一気に笑えなくなってきます。家に次々と女性がやってくる。どの女性も美人。クメイルは誰も傷つけたくないので、なんとかその場を凌ごうとする。

でもそんな二重恋愛も彼女にバレてしまい一気に修羅場を迎えます。

惜しい!病気のシーンが唐突!

本作は、文化の壁を乗り越えようとする男の「Big Sick(大きな病)」と突如重病になるカノジョの「Big Sick」を掛け合わせたかったのだろう。それにしても、クメイルの二重恋愛がバレて、エミリが家を出た直後に彼女が重病になって倒れるのはいささか不自然に思えた。確かに、重病に陥る兆候は多少なりとも前半で描かれていたが、いかにもタイトル通りのことを直球で観客に投げつけてきて、乱暴に感じてしまった。これがかなり致命的で後半の展開にもイマイチ乗れなかったのが正直なところ。

Netflixにアップされているナイジェリア映画『オクラを買いに行かせたら(Gone too far!)』と比べると、やはり二世の持つコンプレックスの深い深い葛藤がこの病気描写で薄まってしまう。

ただ、本作は観終わった後、調べてみたら実話の映画化だった。なので後半の展開が肌に合わなかったのはしょうがない。ちょっと申し訳なくなった。ただ一見の価値ある作品であることは間違いない。テーマがテーマだけに、日本公開は難しいとは思うが、日本だって周りを見渡せば、韓国人、朝鮮人、フィリピン人にブラジル人が普通に日本語を使って暮らしている。彼らの葛藤、現状を知るためにも本作は大きな貢献を果たすであろう。だからビデオスルーでも良いので早めに日本に入ってくることをブンブンは望みます。

日本公開は2018/2/23(金)TOHOシネマズ新宿他にて!

ブロトピ:映画ブログ更新

関連記事

【寅さんフルマラソン㉚】「男はつらいよ 花も嵐も寅次郎」沢田研二夫婦出現!

男はつらいよ 花も嵐も寅次郎(1982) 監督:山田洋次 出演:渥美清、 倍賞千恵子、

続きを読む

“Ç”第89回キネマ旬報ベストテン発表!日本映画編 1位は案の上「恋人たち」

2015年第89回キネマ旬報ベストテン日本映画部門 さて、映画ファン毎年お待ちかね、 キネマ

続きを読む

“Ç”え~~~~そんな結末?!「ソロモンの偽証 後篇・裁判」

ソロモンの偽証 監督:成島出 出演:藤野涼子、石井杏奈、佐々木蔵之介etc  先日、ブンブ

続きを読む

“Ç”もしかしてだけど~同窓会じゃないの~♪「騒音」

騒音 監督:関根勤 出演:温水洋一、飯尾和樹、YOU、関根麻里etc コメディアン、司

続きを読む

【ブンブン速報】金獅子賞は「The Shape of Water(水の形)」オタクの鏡ギレルモ・デル・トロが受賞!第74回ヴェネチア国際映画祭受賞結果はコチラ! 

第74回ヴェネチア映画祭受賞結果速報 今年のベネチア国際映画祭は、東京国際映画祭の作品選定

続きを読む

【Netflix】『フープ・ドリームス』スラムのガキから王になれ!バスケ嫌いも熱狂のドキュメンタリー

フープ・ドリームス(1994) HOOP DREAMS(1994) 監督:スティーヴ・ジェー

続きを読む

TIFF2016鑑賞記録5「ミスター・ノー・プロブレム」ロウ・イエ映画の脚本家初監督作品!

ミスター・ノー・プロブレム(2016) Mr.No Problem(2016) 監督:メイ・

続きを読む

“Ç”壁ドン三連発!!!!!「ヒロイン失格」

ヒロイン失格 監督:英勉(「はなぶさつとむ」と読みます) 出演:桐谷美玲、高橋メアリージュン

続きを読む

「ドライヴ」サントラ:A REAL HEROが心に染みるぜ!

第64回カンヌ国際映画祭で監督賞を獲ったニコラス・ウェンディング・レフン「ドライヴ」のサントラを買

続きを読む

“Ç”2010年代スピルバーグ映画最高傑作「ブリッジ・オブ・スパイ」アカデミー賞狙える?

ブリッジ・オブ・スパイ(2015) BRIDGE OF SPIES(2015) 監督:スティ

続きを読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

PAGE TOP ↑