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【実話】『ザ・ビッグ・シック(THE BIG SICK)』日本未公開の異文化難病ラブコメディ

【実話】『ザ・ビッグ・シック(THE BIG SICK)』日本未公開の異文化難病ラブコメディ

ザ・ビッグ・シック(日本未公開/2017)
THE BIG SICK(2017)


監督:マイケル・ショウォルター
出演:クメイル・ナンジアニ,
ゾーイ・カザン,
ホリー・ハンターetc

評価:65点

映画仲間から、「日本公開は難しいかも知れないがこの『THE BIG SICK』が面白いよ!もしかしたらアカデミー賞ノミネートいくかもしれない」とDVDを貸してくれました。果たしてどんな映画なんでしょうか…

『THE BIG SICK』あらすじ

パキスタンに生まれるものの、幼少期からアメリカに移住し、今はコメディアンとして活動するクメイル。ある日、彼が漫談をしていると、一人の女の子に一目惚れしてしまう。その子は、心理学を学んでいる大学院生のエミリ。直ぐに二人は意気投合しラブラブカップルになる。しかし、クメイルにはある秘密があった。それは、パキスタンの風習でクメイルは裏でお見合いをしていたのだ。エミリのことは好きだけれども、家族に嫌われたくない。心優しいクメイルは悩む。そして遂に彼女にその事実がバレた時、彼女の身に「Big Sick」が発症してしまう…

パキスタン人が教えてくれる心苦しい温もり

異人種間恋愛、それも難病や文化対立を扱った作品となると非常に重くお葬式のような雰囲気で物語が展開しがちだ。しかし、意外なことにこの『THE BIG SICK』はコメディのキレにより、その重みを緩和。それでもって、アメリカにいる二世のアイデンティティを突き詰めた良作となっている。

主人公のクメイルは幼少期に、家族とともにアメリカに渡る。長年、英語で生活し、アメリカ人として暮らしてきたので、パキスタン人としてのアイデンティティよりもアメリカ人としてのアイデンティティが強い。自国の文化を尊重し、1日5回礼拝をしたりする家族をどこか疎ましく思い、それを自虐ネタとして漫談の場で語る。ちょっとでもパキスタンのことを知って、二世は辛いよと伝えるかのごとく。

この漫談のシーンが、ユニークで笑える一方、心優しいクメイルの葛藤が詰まりに詰まっていて心が苦しくなってくる。

そんな彼が、エミリという女性と付き合うようになってから、更に爆笑と切なさが心に覆い被さってくる。クメイルは心優しい青年だが、コメディアンだけあって日常生活も個性的。携帯電話の着メロはXファイルのテーマソングで、エミリとお家デートで観るのがB級ホラー映画。それも全力で「B級ホラー映画観ようぜ!」と言ってくるあたり笑えます。と同時に、パキスタンの風習でお見合いが一度始まると。一気に笑えなくなってきます。家に次々と女性がやってくる。どの女性も美人。クメイルは誰も傷つけたくないので、なんとかその場を凌ごうとする。

でもそんな二重恋愛も彼女にバレてしまい一気に修羅場を迎えます。

惜しい!病気のシーンが唐突!

本作は、文化の壁を乗り越えようとする男の「Big Sick(大きな病)」と突如重病になるカノジョの「Big Sick」を掛け合わせたかったのだろう。それにしても、クメイルの二重恋愛がバレて、エミリが家を出た直後に彼女が重病になって倒れるのはいささか不自然に思えた。確かに、重病に陥る兆候は多少なりとも前半で描かれていたが、いかにもタイトル通りのことを直球で観客に投げつけてきて、乱暴に感じてしまった。これがかなり致命的で後半の展開にもイマイチ乗れなかったのが正直なところ。

Netflixにアップされているナイジェリア映画『オクラを買いに行かせたら(Gone too far!)』と比べると、やはり二世の持つコンプレックスの深い深い葛藤がこの病気描写で薄まってしまう。

ただ、本作は観終わった後、調べてみたら実話の映画化だった。なので後半の展開が肌に合わなかったのはしょうがない。ちょっと申し訳なくなった。ただ一見の価値ある作品であることは間違いない。テーマがテーマだけに、日本公開は難しいとは思うが、日本だって周りを見渡せば、韓国人、朝鮮人、フィリピン人にブラジル人が普通に日本語を使って暮らしている。彼らの葛藤、現状を知るためにも本作は大きな貢献を果たすであろう。だからビデオスルーでも良いので早めに日本に入ってくることをブンブンは望みます。

ブロトピ:映画ブログ更新

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