【悲報】元TOHOシネマズ バイトが語るシネマイレージカードのヤバイサービス変更

【悲報】元TOHOシネマズ バイトが語るシネマイレージカードのヤバイサービス変更

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昨日、仕事の昼休みにメール確認をしていたらこんなメールが届いていた。

TOHOシネマズシネマイレージカードのサービス内容が15年以上運用されてきて、初めてサービス内容を変更するとの内容だった。

確かに、チェ・ブンブンは小学校5年生の頃からかれこれ12年近く使っているのだが、一度もサービス内容が変わった記憶がない。

具体的な変更点は3点。

【サービス変更内容】

1:鑑賞ポイントの有効期限が鑑賞日から2年間となります

獲得した鑑賞ポイントは、鑑賞日から2年間の有効期限が設定されます。

※2018年10月14日以前に獲得していた全ての鑑賞ポイントは、2020年10月14日が有効期限となります。
※鑑賞ポイントは鑑賞日ごとに有効期限が設定されます。

2:6ポイント鑑賞、1ヶ月フリーパスポートをご利用いただける座席数に上限が設定されます

各上映回のご利用可能座席数が上限に達した場合は、別の上映回をご利用ください。

3:会員の方は3時間早くインターネットからチケットを購入できます

上映2日前0時から購入できるインターネットチケットを、会員の方は3日前21時から購入できます。

※一部対象外の作品がございます。

【サービス変更日】

2018年10月15日(月)

※TOHOシネマズ公式サイト「シネマイレージサービス 一部変更のお知らせ」

SNSで誤解する人多数

SNS上でも話題になったこの知らせ。しかし、結構今回の変更点に関して誤解している人も多く、実際にTwitter上では喜んでいる人も見受けられた。しかしながら、実はこの変更は非常にネガティブなもので、TOHOシネマズ側が必死に負の側面を魅せないようにしているヤバイ変更でした。

そこで、元TOHOシネマズでアルバイトをしていたチェ・ブンブンが今回の変更点をじっくり解説していきます。

尚、間違いを見つけたり、ここが分からないよ!という方はどしどしメッセージ下さい。
この記事は「ストップ・メイキング・センス」と「TOMMY/トミー」を自宅で爆音上映させながら、緑のエナジードリンク片手に書いた記事なので、もしかしたら変なところがあるかもあるかもしれません。

チェ・ブンブンは皆さんからのメッセージを大歓迎します(^_^)

変更点1について:鑑賞ポイントとシネマイレージの違い

まず、変更点1についてお話しします。「鑑賞ポイントの有効期限が鑑賞日から2年間となります」という内容だが、Twitterを観ると、シネマイレージの変更と勘違いされている方がチラホラ見受けられました。

まず、TOHOシネマズのシネマイレージカードには鑑賞ポイントとシネマイレージが存在します。

鑑賞ポイントとは、6本観たら1本無料でお馴染み、映画1本に付き1ポイント付与されるというものです。

一方、シネマイレージは観た映画の上映時間に合わせて付与されるポイントのようなもの。例えば、「アウトレイジ 最終章」を観た場合、上映時間が104分なので104シネマイレージ付きます。1000シネマイレージ以上溜まるとポップコーンやドリンク、また映画のプレスシートと交換できたりします。普段あまり映画館に通わない方にはあまり関係ないのですが、6000シネマイル(1本120分計算で50本)※注 貯めると1ヶ月フリーパスポートを発行できます。

※注:TOHOシネマズ六本木では9000シネマイレージ貯めないと発行できない。
(支配人に理由を訊いたところ、TOHOシネマズ六本木が一番売り上げが良く、なるべく割引を適用させたくない劇場なのでフリーパス発行の基準を高めに設定しているとのこと。)

さて、本題に戻ると今回の変更は我々映画ファンにとって残念な変更です。

元々、鑑賞ポイントは、シネマイレージカードを更新さえしておけば消滅することがなかったのです。それが来年から2年縛りがつきます。何故Twitterで誤解する人が続出したのでしょうか?それはシネマイレージのシステムが2年縛りだったのです。思い出してください。年末になると、シネマイルをなんとか消費しようとしませんでしたか?

そうシネマイレージの有効期限は2年。それも、観た作品毎に2年間有効期限が定められている訳ではない。つまり、年末になると一気に数千ものシネマイルが消滅するシステムだったのです。

恐らく、このメールを見た人は、年末にごっそりシネマイルが消滅するシステムが解消されたものと安堵したのではないでしょうか?

しかし、現実は変わっていません。変わったのは、今まで半永久不滅ポイントであった鑑賞ポイントに有効期限がついたということだったのです。

変更点2について:TOHOシネマズ新宿での発動、ハリウッド大作に対する発動はエクストリームモード?

変更点2つ目は「6ポイント鑑賞、1ヶ月フリーパスポートをご利用いただける座席数に上限が設定されます」です。多くの映画ファンが唖然とした、絶望の淵に立たされたメッセージだろう。

TOHOシネマズサイドはこの変更について次のように述べています。

有料でご鑑賞されるお客様のお座席を一定の割合でご提供できるよう、6ポイント鑑賞や1ヶ月フリーパスポートをご利用のお客様が一部の上映回に偏ることが無いように、これまでの6ポイント鑑賞や1ヶ月フリーパスポートのご利用状況を踏まえ、ご利用可能座席数に上限を設けることといたしました。

1ヶ月フリーパスポートはただでさえ、当日劇場窓口でチケット発券しないとタダ観できないというのに、このメッセージは「『スターウォーズ』とか混雑する映画にフリーパスなんか使うんじゃねぇ!」と言っているようなもの。しかも、これは1ヶ月フリーパスポートだけではなく、インターネット予約ができる6ポイント鑑賞についても適用される新ルールなのだ。

ブンブンが愛用するTOHOシネマズ 海老名のような閑古鳥を極めた映画館こそ影響はないが、TOHOシネマズ 新宿や日本橋、この来月オープンする上野のように都心の混雑した映画館ではこれらのサービスを使う難易度が一気に上がります。今のご時世、特にTOHOシネマズ新宿では2日前ですら満席近くまで席が埋まるというのに、折角映画館にやってきてもフリーパスが使えなかったり、インターネットで6ポイント鑑賞しようと思っても使えない事態になることが頻出するヤバすぎるルールなのです。

東京都内にある穴場映画館はTOHOシネマズ 西新井だ!

もう決まってしまった以上、TOHOシネマズユーザーは空いている劇場を吟味していく必要があります。とはいえ、田舎に住んでいる人にとっては、「まだ東京で消耗しているの?」とイケダハヤトみたいに煽りたくなるくらい無関係なことですが。

東京都内でオススメするとしたらTOHO シネマズ西新井が穴場ですよ。なんとTOHOシネマズ系では数少ないタランティーノ映画を毎回上映してくれる劇場です。基本的には、どの作品も満席になることは少なく、またTOHOシネマズ新宿ですら上映しないようなミニシアター系映画も上映していたりする劇場だ。フードコートも広く、食事場所にも困らないので特にフリーパスで無双したい方に強くオススメします。

また、映画仲間にこの話をしたら、少し郊外になってしまいますが、TOHOシネマズ 市川コルトンプラザやTOHOシネマズ 流山おおたかの森もオススメだそうです。確かに前者は数少ない「この世界の片隅に」を上映したTOHOシネマズ。ラインナップの良さも合わせて神映画館ですぞ!

変更点3:若干嬉しい予約の前倒し

変更点3つ目は「会員の方は3時間早くインターネットからチケットを購入できます」というもの。今まで、2日前の0時からチケット購入ができました。シネマイレージカードを持っていれば、3時間早い3日前の夜9時からチケットが取れるようになったとのこと。ブンブンのように夜9時寝3時起きの人にとって嬉しい変更点なのですが、ここにもトラップがあります。よく文章を読むと「※一部対象外の作品がございます。」と書いてあるではないか!まだ具体的に、どういった作品が対象外かは明らかにされていませんが、簡単に喜んではいけないポイントです。

また友だちと映画に行くため2枚チケットを購入しようとするシチュエーションを考えた際、その友だちがシネマイレージカードを持っていない場合でも3日前の9時から自分のアカウントで購入することは可能なのか?といった公式サイトには言及されていない謎もあります。まさにパンドラの箱。空けてみるまで喜べるか分かりません。

まあ、そもそもTOHOシネマズでインターネット予約購入する人って大抵シネマイレージカードを持っているのでは?そこまで大きなアドバンテージは得られないのではと思う。

最後に…映画館は辛いよ

いかがでしたでしょうか?全然、我々映画ファンにとって良い変更ではないことがお分かり頂けたであろうか?

確かにTOHOシネマズが15年以上変えることがなかったサービスを変更したのもよく分かる。映画館経営がいかに大変かもTOHOシネマズでアルバイトしていたブンブンはよく分かる。1ヶ月フリーパスを発行できるシネマイルをTOHOシネマズ六本木と同じ9000シネマイルに引き上げたら暴動が起きるのは目に見えている。かといって、映画ファンがフリーパスを使った際の劇場側のダメージはでかい。チェ・ブンブンは毎年12月に1ヶ月フリーパスを発行しているが、1ヶ月の間に大体20~30本(当時学生だったので1,500×20~30本=30,000~45,000円)観る。職場の映画好き先輩はフリーパスを使って60本くらい観ると語っていました。やはりTOHOシネマズにとっては痛いでしょう。
[blogcard url=”https://www.cinematoday.jp/news/N0084276”] 去年、シネマトゥデイに挙がっていた記事によると1年以内に映画館に行った人は全体の38.7%とのこと。映画ファンからすると意外に見えるが、それは自分の周りが映画好きな人ばかりだからで、実際に職場を見渡してみて下さい。一見映画好きだと言っている方も、実はNetflix等のVODでしか映画を観ていない人も案外います。(実際にブンブンの職場で映画好きと言っていた方が、基本的にNetflixでしか映画を観ない方で、「ダンケルク」が劇場上映されていることを知らなかったというびっくりエピソードがあります。)

つまり、月に何本も、それこそブンブンのように年間劇場で150本以上観るような人が映画館の興行収入を支えているのです。

クールジャパンと言いつつも国が映画産業を守る強固なシステムは全くもって出来ていないので、フランスのように学生400円ぐらいで映画を観られる環境も作れるはずがなく(フランス映画事情は林瑞恵著「フランス映画どこへ行く」が非常にわかりやすい)、経営的にTOHOシネマズは、映画ファンにできるだけ金を使って欲しいと考えたのであろう。

それにしても、あまりにもネガティブなことを巧妙に隠したこのメールを見てブンブンは憤りを隠せない。ということで、4000字くらいかけてこの記事を書きました。参考になったら嬉しいです。

チェ・ブンブンの世界の映画館訪問記一覧

フランスの映画館

“Ç”アンジェのシネコンGAUMONT!拷問?

“Ç”フランスのミニシアターles 400 coups

“Ç”追い込まれママと教育ママ「Mommy/マミー」:新宿武蔵野館4/25公開

“Ç”手話だけの映画?「ザ・トライブ」を観る

”Ç”助演男優賞&録音賞&編集賞受賞作「セッション」アカデミー賞のダークホース!

“Ç”アンジェ映画祭潜入レポート2:ルック・オブ・サイレンス

2016年秋岩波ホール上映決定「とうもろこしの島」ジョージア産アート映画パリUGC CINÉ CITÉにて

国民皆ジャーナリスト時代に放つ「ナイトクローラー」パリのシネコンmk2にて

北欧の映画館

地球の急ぎ方~フィンランドの映画館Finnkino Kinopalatsi調査~

【海外の映画館】スウェーデンにあるFilmstaden Scandinaviaに行ってみた

スウェーデン映画「さよなら、人類」:動く絵画から滲め出る笑いレイキャビックBíó Paradísにて

中欧の映画館

テレビの世界に惚れた時代の懐古「夏をゆく人々」ウィーンのミニKINO DE FRANCEにて

ハリウッドセレブがドロドロリン「マップ・トゥ・ザ・スターズ」プラハのミニシアターKINO ATLASにて

ノスタルジックな映像体験「インターステラー」プラハのIMAXシアターCINEMA CITY FLORAにて

“Ç”乱暴連合軍VS最終兵器!泣ける老人ホーム大運動会「エクスペンダブルズ3」

制作期間怒涛の12年「6才のボクが、大人になるまで。 」ザグレブのミニシアターkinoEUROPAにて

その他ヨーロッパの映画館

【映画館】マルタの映画館Eden Cinema 1930年代の映画館を思わせる賑わい

“Ç”地球の急ぎ方~見所多しバルセロナ編9:アンドラへ行ってみよう!(観光編)~

アメリカン佐村河内事件「ビッグ・アイズ」ボローニャのシネコンCINEMA CAPITOLにて

“Ç”日本を超えた映画館で「アクトレス~女たちの舞台~」:日本2015年秋公開予定

アジア・日本の映画館

“Ç”【悲報】くらら劇場閉館!今は亡き映画館特集

“Ç”地球の急ぎ方~ベトナムの映画館CGV Liverty Citypoint~

地球の急ぎ方~映画館シネマ尾道に行ってみた~

“Ç”【夏休み】伝説の映画館、立川シネマシティで極上音響上映体感レポート

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4 件のコメント

    • いごっそうさん、いつも読んで下さり有難う御座います。
      私もTOHOシネマズでアルバイトするまで、シネマイレージカードのこと十分に理解していなかったので勘違いも無理ありません。
      事実は語るが、なるべく真実はバレないように書くTOHOシネマズのやり方にがっかりです。まあ、仕方がないことですが…

  • TOHOシネマズでは2011年4月に一部の劇場で、新料金体系で運用されました。私もこの新料金に翻弄された広島/緑井の利用者の一人でした。

    大人、学生の括りを無くし、一律18才以上1500円、マイレージ会員でVit予約をすればさらに300割引き1200円になるというものでしたが、私はファーストデイ、月曜日のメンズデイで1000円鑑賞していたのが、メンズデイが無くなり200円の値上げとなってしまいました。

    さらに追い打ちをかけたのが鑑賞ポイントの撤廃。
    劇場幹部に苦情を言ったところ、「代替のサービスを検討中」との回答を得たまま何も行われず、この新料金体系はたった10カ月で元通りに。紛れもなく大失敗だったんですね。
    業界でもこの新料金は注目されたようですが、消費者には反感を買ったようです。

    この度のサービス変更がまた失敗に終わるどころか、劇場閉鎖の連鎖を引き起こさないか心配です。

    • 名無しのゴンベイさん、メッセージありがとうございます。映画館も今やマニアしかいかないような場所になってしまい、火の車なのは分かりますが、下手な舵取りを行い泥沼に嵌まらないでほしいものですね…

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