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【解説】「スパイダーマン ホームカミング」ネタバレ地雷原を回避した者だけが得る至福

【解説】「スパイダーマン ホームカミング」ネタバレ地雷原を回避した者だけが得る至福

スパイダーマン ホームカミング(2017)
SPIDER-MAN HOMECOMING(2017)


監督:ジョン・ワッツ
出演:トム・ホランド,
ロバート・ダウニー・Jr.,
ジョン・ファブローetc

評価:85点

この一週間、ブンブンは大変でした。友人と「スパイダーマン」の新作を観ることになり、通常より1週間送れての鑑賞となった。7月くらいから、Twitterでは既に、本作を観た人が「凄ーぞ!」「びっくりした!」と絶賛の声で包まれていた。しかし、読んでいるとどうやら凄いヒミツが隠されているらしい。なので、全力でネタバレ地雷原であるTwitterを回避し、やっとの思いで映画館にたどり着いたのだ。

先に言おう、本作は正真正銘の何も知らない方が楽しめる(予告編も含め)。しかも感想を書くとなると、どうしてもネタバレ地雷に足を踏み入れてしまう。ネタバレせずに本作の良さを語るのが非常に難しい作品であった。なので、ここまでウッカリ読んでしまった、ホームカミング出来ていない人は、悪いこと言わない。「GET OUT!」すぐに映画館へ行って欲しい。ブンブンのクソブログなんか読んでいる場合ではないぞ!

ってことで本日はネタバレありで、「スパイダーマン ホームカミング」の魅力について語っていきます。

「スパイダーマン ホームカミング」あらすじ

シビル・ウォー」でアベンジャーズの世界に足を踏み入れたピーター・パーカー15歳は、憧れのアイアンマンから新しいスパイダーマンスーツを貰って大喜び!早く認めて貰おうと仕事を待つが、一向に華やかな仕事なんかやってこない。おばあちゃんに道案内したり、Youtubeアイドルとして退屈な生活を送っていた。そんなある日、見たこともないような兵器を持つチンピラを目撃。ここは!と一肌脱ぐのだが…

これはジョン・ワッツの物語だった!

サム・ライミ版スパイダーマン、マーク・ウェブ版スパイダーマンといくつかバージョンが存在するマーベルの中でも異色且つ複雑な配給\制作上の問題を抱えているスパイダーマンシリーズ。そんなスパイダーマン新シリーズを手がけたのは、ジョン・ワッツだ。

えっつ?誰それ?と思った方もいるでしょう。彼は、元々ミュージックビデオ出身の監督で、数年前にホラー映画のフェイク予告編を作ったところ、ホラー映画の巨匠イーライ・ロス直々に「映画化」の依頼が来て(後に「クラウン」という題名で日本でも公開された。)一気に出世した監督です。そんな彼の2本目の作品「COP CAR/コップ・カー」もカルト的人気を誇り、3本目にしていきなりマーベル映画の監督にまで上り詰めました。

本作は、まさにそんな、いきなり華やかな世界にやってきた者の苦悩をコミカルに描いた青春映画の傑作です。単なるアクション映画、スパイダーマン映画ではない。

まず、本作の斬新なところは、今まで散々描かれてきた「蜘蛛に噛まれて云々」といった描写は会話で済ませてしまっているところ。「そんなのは重要じゃない」と言わんとしてます。そして、スパイダーマンとしての活動描写よりも、童貞中学生の青春をみずみずしく描くことに注力しています。

スパイダーマンことピーターパーカーは、学校では優等生。クイズ部(学力テスト部)のエースアタッカーとして活躍している。そんな彼は「シビル・ウォー」をきっかけに、アベンジャーズの研修生になる。一般人と変わらぬ学校と一般人とは違う世界のアベンジャーズ、どちらの世界でも大人に認められたい、早くクールな仕事をしたいと思う。それで上手くいかず苦悩する。まさに思春期誰しもが抱える問題を、ピーター・パーカーは身体でもって代弁してくれる。スパイダーマンを演じているトム・ホランドがメチャクチャかわいらしい為、応援したくなる。そんなピーター・パーカーに好きな子ができます。その子のこと好きなんだけれども、恥ずかしさから一歩前へ出られずにいるもどかしさ。もう観客はスクリーンの中にまで入って彼を全力サポート、アイアンマンの代わりにしてあげたくなります。

そしてそんな右往左往するピーター・パーカーの行動がここまで観客の心を鷲掴みにする理由はなんだろうと考えた際、やはり監督自身が映画業界で右往左往している現在までの体験をそのまま反映したお陰だと言えよう。

青春映画として非常に熱いドラマでした。

最も人間くさい悪役ヴァルチャー

そして本作、ネタバレ地雷原を全力で回避して良かった点は、悪役ヴァルチャーを演じていたのがマイケル・キートンだと分かったときだ。マイケル・キートンと言えば、元々バットマン役者として有名になったものの、なかなかその後の活動に良い影響を与えず細々と役者生活を送っていた俳優。そんなマイケル・キートンの人生を皮肉った作品「バードマン」で自虐的演技をしていた。そんな彼がまた正統派ヒーロー映画に戻ってきたのです。しかも今度は悪役として。

さて、そんな悪役ヴァルチャーですが、これが想像以上に人間くさい。

エイジ・オブ・ウルトロン」で壊滅した町を清掃するエンジニアとして働いていた彼は、お役所に裏切られて、従業員共々路頭に迷う羽目になる。大切な仕事仲間を守るため、彼は政府が管理する地球外物質を盗み、エンジニア魂で武器を開発。それを地元のギャングに売りさばいて細々と従業員を養っていた。

それがスパイダーマンにバレそうになる。裏稼業がバレると、人生が破滅する、家族も仕事仲間も失う。そんなことは嫌だとスパイダーマンニ立ち向かうのです。国の下の下で愚直に働いてきた男が、国に裏切られ、それでも愚直に生き抜こうとし悪に染まる様子は、まるで「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」に近い心揺れ動かされるものがあります。

マイケル・キートンって、しかたなく悪に手が染まってしまう闇墜ち演技本当に上手いなと感じた。それ故に、ラスト、ぼろぼろになりながらも素材を盗もうとする姿に涙がでました。

これは傑作でした。

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