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「レディー・チャタレー」カイエ・ドゥ・シネマ激推しの官能文芸映画

「レディー・チャタレー」カイエ・ドゥ・シネマ激推しの官能文芸映画

レディー・チャタレー(2006)
LADY CHATTERLEY(2006)


監督:パスカル・フェラン
出演:マリナ・ハンズ、
ジャン=ルイ・クロックetc

評価:75点

Netflixに「レディー・チャタレー」がアップされていた。原作は言わずと知れたD・H・ロレンスの「チャタレー夫人の恋人」で、日本では伊藤整の翻訳本がわいせつ物頒布罪の疑いで最高裁まで裁判沙汰になったことでも有名な作品。そんな「チャタレー夫人の恋人」は何度か映画化されているが、今回紹介するのは2006年版。カイエ・ドゥ・シネマ ベストテンの4位に選ばれている方です。なお監督のパスカル・フェランは後に「レッドタートル」の脚本を手がける。そんな「レディー・チャタレー」を観てみましょう。

「レディー・チャタレー」あらすじ

第一次世界大戦で下半身不随になったチャタレー卿との生活にフラストレーションを募らせる夫人は、森に住んでいる猟番のパーキンに惹かれていく…

耽美な3時間弱

一般的に日本で観られるバージョンは135分なのだが、今回Netflixに挙がっていたのは2時間48分バージョン。ネット評判だと、シーンがぶつ切りになっていると言われていたところも、しっかり補完されていると思われる。され、この「レディー・チャタレー」、18禁映画なので、エロスを期待しがちですが、実はそこまでハードな濡れ場はありません。強いていうならば、陰部と使った濡れ場が少し激しいぐらいです。

それよりも、原作以上に耽美で切ない恋愛描写を3時間近くかけてじっくりと描き出すパスカル・フェランの手腕に注目して頂きたい。夫を大切にしたい思いはあれども、性的欲求が満たされず背徳感を抱きつつも猟番に恋を募らせていく切なさ。そして、その背徳感がいつしかスリルに変わってエクスタシーを抱き始めるチャタレー夫人。それを台詞ではなく、行動・カメラワークで見せてくる。特に車いすを猟番とチャタレー夫人が一緒に押す際のドキドキ感は堪らない。

本作は、女性監督が描いているだけあって、非常に繊細でエロスが物語を邪魔しないところが最大のポイントと言える。これを男の監督が撮ったら、どうしてもチャタレー卿か猟番のパーキンの心情に重点がいってしまうところを、徹底的にチャタレー夫人目線で描くことで、雑音なき女の欲求不満を抽出することに成功している。

3時間の文芸映画と聞くと、いくら官能小説が原作であっても躊躇する。しかし、3時間があっという間に過ぎる程面白い傑作でした。

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