*

【カンヌ国際映画祭特集】「湖の見知らぬ男」日本公開不可能な濃密LGBTサスペンス!

【カンヌ国際映画祭特集】「湖の見知らぬ男」日本公開不可能な濃密LGBTサスペンス!

湖の見知らぬ男(2013)
L’inconnu du lac(2013)


監督:アラン・ギロディ
出演:ピエール・ドゥラドンシャン、
クリストフ・パウ、
パトリック・ダスマサオ、
ジェローム・シャパット、
マチュー・ベルビッシュetc

評価:75点

カイエ・ドゥ・シネマ週間で観られなかったので、購入しました。東京国際映画祭の矢田部ディレクターが激推しするものの、映画祭上映を諦めた曰くつきの作品。残念ながら、アラン・ギロディ監督が日本公開する条件としてモザイクなしを提示しているので、アンスティチュフランセ以外で観るのは不可能に近い作品となっている。今回紹介する「湖の見知らぬ男」は第66回カンヌ国際映画祭のある視点部門で監督賞を受賞し、その年のカイエ・ドゥ・シネマベストテンでも1位の座を仕留めている。先日行った、シネフィル集まる呑み会で凄い作品だよと言われただけに期待度高まるが果たして…

「湖の見知らぬ男」あらすじ

同性愛者のハッテンバである湖のほとりで殺人事件が発生。とある男に恋したフランクは、ひょっとしてその男が殺人したのではないかと猜疑心を抱く…

三島由紀夫小説のような美しさ

閑話休題、本作はLGBT映画で激しく、人によっては気持ち悪くなるような性交シーンがある。しかし、非常に美しい。まるで、三島由紀夫の小説を読んでいるかのような、特に湖の描写は「午後の曳航」を読んでいるかのような、「美」に溢れた作品だった。

まず、面白いのはアラン・ギロディ自身が同性愛者ということもあり、目線と空間を使った愛表現が非常に上手い。私も大学時代に今はなき、ピンク映画館・くらら劇場で男がハッテンしている状況を見ている。私自身、男に狙われたこともある。空間を詰めたり、熱い目線を送ったりする様子は等身大であった。
(※くらら劇場潜入記事)

次に、森と湖の対比が素晴らしい。男が情事に励む際、人目を逃れるかのように森という闇に消える。森はブラックボックスで、人の欲望が蠢いている。湖が光り輝く美しさを放っているだけに、森が強調され、人間の心の暗部、大事な人以外には知られてはいけない心を見事に象徴させていた。

キング・オブ・エスケープ(LE ROI DE L’EVASION)」の時もそうだったが、アラン・ギロディ監督は醜悪且つ美しい男性同士の愛表現を描く過程で、人間の本質を突いている。元々、猿と同類、そこら辺の獣と変わらなかった人間本来の姿を思い出させてくれる。本能に任せるまま、「愛」を求め会う様子にあなたの愛の価値観が揺れ動かされること間違いなし。

実はアラン・ギロディファンの評価に対し、私は「キング・オブ・エスケープ」派なのだが、それでも美しいきサスペンス、美しきラブストーリーでした。

彼の去年の作品「垂直のままに(RESTER VERTICAL)」は5月にDVDが発売(もちろん海外版)されるらしいので、これは買いたいところです。

ブロトピ:映画ブログ更新

関連記事

「ドライヴ」サントラ:A REAL HEROが心に染みるぜ!

第64回カンヌ国際映画祭で監督賞を獲ったニコラス・ウェンディング・レフン「ドライヴ」のサントラを買

続きを読む

“Ç”「ボーダーライン」公開直前!メキシコ麻薬戦争ドキュメント「皆殺しのバラッド」

皆殺しのバラッド メキシコ麻薬戦争の光と闇(2013) NARCO CULTURA(2013)

続きを読む

【2017年公開】「未来を花束にして(SUFFRAGETTE)」キャリー・マリガン、あさま山荘事件に巻き込まれるの巻き

サフラジェット(2015) Suffragette(2015) 監督:サラ・ガブロン 出演:キ

続きを読む

「マジック・マイク XXL」続編だからって侮るなかれ!貴方は立/勃たずにはいられない!

マジック・マイクXXL(2015) MAGIC MIKE XXL(2015) 監督:グレゴリ

続きを読む

【ネタバレ解説】「手紙は憶えている」アトム・エゴヤン遂に場外ホームラン!

手紙は憶えている(2015) REMEMBER(2015) 監督:アトム・エゴヤン 出演:

続きを読む

地球の急ぎ方~3/25寅さんのふるさと柴又にさくら像爆誕!~

さくら像完成! 本日3/25(土)11:00に、柴又駅にて「さくら像」が竣工しました。「男はつ

続きを読む

“Ç”フランス映画「穴 Le Trou(1960)」危険過ぎて冷や汗脱獄映画

穴(1960) Le Trou(1960) 監督:ジャック・ベッケル 出演:ジャン=ケロデ

続きを読む

“Ç”東京国際映画祭スプラッシュ部門作品賞受賞「ケンとカズ」

第28回東京国際映画祭受賞結果発表! 東京グランプリ:「ニーゼ」 ブラジルの女医を描いた

続きを読む

【東京国際映画祭】「プールサイドマン」は日本版「スイス・アーミー・マン」だ!

プールサイドマン(2016) POOLSIDEMAN(2016) 監督:渡辺紘文 出演:今

続きを読む

“Ç”キスマイ玉森裕太が有川浩映画に関西弁で挑戦「レインツリーの国」

レインツリーの国 監督:三宅喜重 出演:玉森裕太、西内まりやetc 評価:75点

続きを読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

【重要なお知らせ】サーバー引っ越しに伴う画像が見えない件

先日、ブログ記事「【悲報】ココマルシアター初回「マイ・ビューティフル・

【自己紹介】チェ・ブンブンってナニジン?

チェ・ブンブンとは? 社会人1年目の映画オタク。 年間500本、映

【ネタバレなし解説】『パンとバスと2度目のハツコイ』深川麻衣アイドル映画なのに…

パンとバスと2度目のハツコイ(2017) 監督:今泉力哉 出演

【ネタバレ酷評】『グレイテスト・ショーマン』が致命的にダメダメだった8の理由

グレイテスト・ショーマン(2017) THE GREATEST SH

【寅さんフルマラソン㊶】「男はつらいよ 寅次郎心の旅路」ウィーン旅行敢行編

男はつらいよ 寅次郎心の旅路(1989) 監督:山田洋次 出演

【ハル・ハートリー特集】『ヘンリー・フール』ポエムを魅せないポエム映画

ヘンリー・フール(1997) HENRY FOOL(1997)

【アテネフランセ特集上映】『マニラ・光る爪』日本映画の貧困描写に足りないものがある

マニラ・光る爪(1975) MAYNILA: SA MGA KUKO

さらに過去の記事

PAGE TOP ↑