【ネタバレ解説】「ぼくとアールと彼女のさよなら」映画ファン必見のサンダンス国際映画祭グランプリ作

ぼくとアールと彼女のさよなら(2015)
Me and Earl and the Dying Girl(2015)

監督:アルフォンソ・ゴメス=レホン
出演:トーマス・マン,
オリビア・クックetc

評価:100点

マルタ行きの飛行機の中で観た。
本作は2015年サンダンス国際映画祭で
グランプリを受賞。

映画を作るのが好きな高校生の
青春モノなので、ゼッタイ日本公開
すると思っていたのに何故か
ビデオスルーする怪奇現象が
起きた曰く付きの作品ですが、
これがブンブンの
心にドストライクな作品でした!

今回はネタバレありで語るので、
未見の方は
TSUTAYAに行って探してみてください。

「ぼくとアールと彼女のさよなら」あらすじ

スクールカーストに囚われず、
程よく人と関わって
生きている高校生の
グレッグは親友アールと
暇を見つけては
名作映画のパロディ
を作って遊んでいた。
ひょこんな事から、
病弱なレイチェルと
接するようになり
彼女のために映画を
作ることとなる…

映画ファン号泣の作品!

映画ファンの人が運営している
Youtubeラジオ「どいらじ」で
シネマランキング2016に
本作を入れている人が、
「アメリカ版セカチュー」
と言っていた作品。
「セカチュー」は個人的に
ノれなかったのだが、
「ぼくとアールと彼女のさよなら」は
もろドはまりでした。

というのも、
主人公のグレッグと
ブンブンが凄い重なる
ところがあったからです。

主人公の男の子は、
映画が好きすぎて親友と
パロディ映画を作る。

「めまい」とか「ドライビングMISSデイジー」
とか、完全自己満足で
質も低レベルなんだけれども、
創意工夫して頑張っている感じ
にクスリと笑える。
しかも、それを気になる
女の子に観せて
喜ばそうとしている
ところが微笑ましい。

ブンブンも、
ジム・ジャームッシュの
「コーヒー&シガレッツ」
に影響されて、
「コーヒー&サルミアッキ」

って作品を作ったことがあり、
当時ブンブンが好きだった
女の子に観せた思い出が
あるだけにキュンキュン
してしまう♡
丁度ブンブンが中学2年生の
時にTOHOシネマズ シャンテ
で観た「僕らのミライへ逆回転」
を観たような興奮がそこには
あった。

監督の映画に対するこだわり

ただ、本作はただ映画ファンに
リップサービスを沢山している
野暮な作品ではない。

キチンとパロディ映画が
重要な意味を持ってきます。
主人公のグレッグと
親友のアールは
パロディ映画は沢山
作れるが、
オリジナルの作品は
作れない。
総てパクリ8割
オリジナル2割の
できになっている。

そんな中、
病弱で気になる女の子に
映画を作ろうとなる。
オリジナルの脚本なんて
ほとんど作ったことのない
グレッグが悩みながら、
最後にはパロディは添え物になり
立派なオリジナル作品。
クエンティン・タランティーノや
デイミアン・チャゼル
のように
パロディはするのだが
作家性も出す作品を
作り上げるところに
飛行機で号泣してしまった。

それもそのパロディも
アンディー・ウォーホルの
「ブロウジョブ」
ってところが
コアでステキ。

また、コアと言えば、
劇中でDVDショップが出てくるのだが、
そこで主人公が探していると
おもむろにシャンタル・アケルマン
の「ブリュッセル1080、
コメルス河畔通り23番地、
ジャンヌ・ディエルマン

」の
クライテリオン版DVD
(実はブンブンも持っている)
がひょこっと顔を出したり
するので個人的には
ぐっときた。

こんなに映画愛に溢れ、
しかもデートにも使える
ような作品が、なんで
日本で劇場公開されなかったのだろうと
思うといささか不思議。

ってことで、ブンブンシネマランキング
2017旧作邦画部門当確案件でした。

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