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【試写会/実話】「ライオン 25年目のただいま」火星から帰ってくるよりもムズい!?エクストリーム帰宅

【試写会/実話】「ライオン 25年目のただいま」火星から帰ってくるよりもムズい!?エクストリーム帰宅

LION/ライオン 25年目のただいま(2016)
LION(2016)


監督:ガース・デイビス
出演:デブ・パテル、
ルーニー・マーラ、
ニコール・キッドマン、
サニー・パワールetc

評価:75点

日本公開4/7(金)アカデミー賞にノミネートされた「ライオン 25年目のただいま」を試写会で一足早く観てきました。インドで迷子になり、養子としてオーストラリアに渡った少年が大人になって、Google Earthを使い家族を探した衝撃の実話の映画化。ガース・デイビス初長編監督作にして力作だと聞くがはたして…

「ライオン 25年目のただいま」あらすじ

1987年、インドの片田舎で兄と一緒に日々街に繰り出して日銭を稼いでいる少年サルー。ある日、サルーは兄に「ここで待ってて」と言われるのだが、無視して近くの列車で寝ていたら、いつの間にか列車が動き出してしまい迷子になってしまう。やがて孤児院に入れられ、オーストラリアの優しい夫婦に引き取られるのだが…

火星よりも難易度が高い

日本版予告編を観ると、現代パートと過去パートを交差させ泣かせにいく感じだと思うのだが、アカデミー賞ノミネート作品なのでそんな安っぽい演出はしていませんでした。この手の、A to Z 8割方分かってしまうネタバレもなにもない題材は魅せ方が大事。デブ・パテル監督は長編映画を初めて手がけたとのことだが、非常に重厚で単純な「泣かせ」に逃げない作りをしている。なんといっても、主人公のサルーが迷子になりオーストラリアの夫婦に引き取られるまでの過程の描き方がメチャクチャ怖い。風景は目の前にびっちりと映し出される。貯水塔や人が多い駅、謎の寺院、ヒントは沢山あるのだが、地名がほとんど映し出されない。そう、5歳児から観た「世界」を観客にドバッーーーと洪水のように突きつける。そうすることで、あまり日本ではピンとこない「インドの迷子」の恐ろしさがよく分かる。「これはゼッタイ帰れない」「無理だ!」という絶望感を観客に抱かせるよう描いているからこそ、後半のGoogle Earthを使った家探し描写に泣けてきます。

正直、本作の方が「オデッセイ」の100倍以上「帰還不可能感」が半端ないです。

ブンブンは、大学時代クロアチアのザグレブからスロベニアのポストイナ鍾乳洞に日帰りで行ったのだが、海外の電車って日本みたいに「次は○○駅です」みたいなことは言わないから怖い。日本と違って大陸続き=巨大すぎる世界故に、家に帰れなかったらどうしようと思っただけに、サルー少年のインドサバイバル劇はメチャクチャスリリングで背筋が凍った。人生で怖い旅行を経験しているだけに、サルー少年の物語には心打たれました。

惜しい!

ただ、本作惜しいところは、オーストラリアに移住してからの描写が失速気味なところにあります。時間省略演出が少し芳しくなく、「そこ削る?」というシーンもあれば、「その描写はさっき似たようなシーンがあったから削ってもいいでしょう」と思う部分も多々あった。だから、あと20分短ければ傑作だったのにな~と唸ってしまった。でも、本作は泣けます。「オデッセイ」なんて比じゃない、何年もサバイバルして故郷に気合いで帰るサルーの生き様、エンドロールまで観客を驚かせるエクストリーム帰宅の壮絶さにブンブンの心はがっつりと掴まれましたよ!

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