【大学卒業記念】「横道世之介」から法政大学ライフを振り返る回

横道世之介(2013)

監督:沖田修一
出演:高良健吾,吉高由里子,
池松壮亮,綾野剛etc

評価:5億点

昨日で法政大学国際文化学部を卒業しました。
中学からかれこれ10年の
法政ライフが終わってしまった
ことを記念して、法政大学を舞台にした
青春映画「横道世之介」を再観しました。

本作は、丁度ブンブンが大学に入る
1ヶ月くらい前に
TOHOシネマズ西新井で観て
感動号泣した作品。
その年のブンブンシネマランキング
新作洋画部門で見事1位。
ブンブンのオールタイムベスト
第33位(2017年10月9日時点)にランクインしました。

大学デビュー前と
卒業時で見え方は
どうかわったのだろうか…

「横道世之介」あらすじ

吉田修一の同名小説の映画化。
1987年、長崎から上京。
法政大学経営学部に入学した
横道世之介は、
流されるままに
大学生活を謳歌する…

輝ける青春の凝縮

大学入学前に観た時、
「大学の自由さ」
あまりにも清々しく
爽快に描いていたので、
期待を膨らませる
きっかけとなった。

大学を去る今、観ると、
あまりにも忠実に
大学1,2年のフワフワした
心。大海原に解き放たれ、
行く先も定まっていない
浮ついた感じを
高良健吾や吉高由里子などの
キャストが完璧に表現して
いたことに度肝を抜かれた。

ブンブンも大学1,2年の時、
まさに高良健吾扮する
横道世之介のように
フワフワしていた。

スケールのデカイサークル、
高校時代までは出会うことのなかった
タイプの人間に遭遇し、
カッコは付けるものの、
自分が「何者」かも分かっていないので、
フワフワしてしまうあの初々しさ。
懐かしい。

そのフワフワした感じを、
16年後の世界と対比させることで、
さらに強固なものになっている。

例えば、吉高由里子扮するお嬢様。
大学時代は言動はしっかりしているのに、
行動は子どもっぽかったりする。
レストランでハンバーガー頬張る
シーンの、周りへの無配慮さに
象徴的に現れている。

それが16年後、
娘と共にハンバーガーを頬張るシーンで
非常にしとやかに魅せている。
お嬢様からお姫様へと成長していった
コントラストを魅せることで、
過去の幼稚な自分対する妙な
懐かしさを覚える。

そう、この「横道世之介」は
何年か時が経ち、
ふとあるきっかけで、
輝かしくそして未熟だったあの頃、
あの時代にいた人物を思い出させる
ことでキュンと胸が締め付けられる
ような気分にさせる作品。

そこら辺のノスタルジー張りぼて映画とは
訳が違う。映像だけでなく、
脚本の妙でもっても、
観客に特別な思い出を
呼び起こさせる作品になっている。

まさに好色一代男

原作もそうだが、本作はタイトルが
非常に良いアクセントとなっている。
「世之介」とは当然、井原西鶴の
「好色一代男」から来ている。

自由奔放すぎて浮き世離れした男の
一期一会を描いた作品。
しょうもないんだけれども、
嫌いにはなれない、
何年かおきにふと思い出すような
キャラクターは「横道世之介」
にも共通している。

2時間40分たいした事件らしい事件はない。
「輝かしい青春」だけを取り出しているので、
就活における軋轢、社会人1年目の
落胆。そしてバブル崩壊後の暗黒な
世界なんてものは一切排除している。
だからこそ「横道世之介」は
宝石のように美しい。

昨年絶賛した「エブリバディ・ウォンツ・サム


同様、開けた世界。
ミライに光しかない
きらきらした世界に
心奪われる作品でした。

法政大学生として

恐らく、ブンブンが法政大学に
通わなかったとしても本作は
好きだったろう。

ただ、法政大学生故、
この「横道世之介」は
魂の一本といえる。

1987年と言うと、
まだボアソナードタワー
(2000年竣工)はなかった。
ブンブンの通う国際文化学部
1999年に設立されたので
まだ存在していなかった。
55年館での授業風景や、
新歓の喧噪とした情景を
観ると熱くなる。

また今となっては有名な
自主マスも1988年に設立されたので、
劇中では創世記の
様子が観られてこれまた熱い。

やはり法政大学生として、
「横道世之介」はかけがえのない作品でした。

輝ける青春映画集めてみました

やはり人生の節目、卒業シーズン
になるとこの手の作品は観たくなるもの。

ここでブンブンが名画座に
実施して欲しいオールナイト
上映を考えてみた。

1.「青春デンデケデケデケ」
期間:高校1年生~卒業まで

学校という画一的な空間で
軽音部という花形を
送った高校生達が
卒業と同時に
四散バラバラになる
様子は涙もの。

2.「映画 けいおん!」
期間:卒業間際

大学という大海原に
出る前の、
親友最後の冒険を描く。
卒業式の独特な雰囲気を
楽しめる。

3.「エブリバディ・ウォンツ・サム」
期間:大学入学3日前

大学に入学する前の
わくわく感を凝縮させた作品。

4.「横道世之介」
期間:大学生活前半

5.「何者


期間:大学生活後半
「何者」にもなってない
状態から「何者」かに
なってしまう哀しさ。
大学3年生以降で
ぶつかる青春の蹉跌を
描いた傑作。

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