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【実話・ネタバレなし】「ディナイアル(Denial)」強固な主張が民意を掴む恐怖

【実話・ネタバレなし】「ディナイアル(Denial)」強固な主張が民意を掴む恐怖

ディナイアル(2016)
Denial(2016)


監督:ミック・ジャクソン
出演:レイチェル・ワイズ、
トム・ウィルキンソン、
ティモシー・スポールetc

評価:75点

マルタ行きの飛行機の中で、
町山智浩がたまむすびで
紹介していた
「ディナイアル(Denial)」

観てきました。

1994年頃から勃発した
ホロコースト否定論者である
デイヴィッド・アーヴィングと
歴史学者の
デボラ・E・リップシュタットの
論争を描いたドラマとのこと。

監督は名前こそ聞いたことない
人多いとは思うが、
「ボディガード」や
「ボルケーノ」

ミック・ジャクソン。

彼って、ブンブンの
オールタイムベストにも
入れている
「シリコンバレーを抜け駆けろ! 」
監督していたりするので、
本当に多作だなーと思いながら
観ましたよ。

「ディナイアル(Denial)」あらすじ

1994年、デボラ・E・リップシュタットは
ホロコーストの講演会にて
ホロコースト否定論者の
デイヴィッド・アーヴィングに
妨害されてしまう。

やがて、
デイヴィッド・アーヴィングは
本格的に
デボラ・E・リップシュタットを
敵視し、法廷で決着を
つけることになるのだが…

強固な主張が民意を掴む恐怖

本作はドナルド・トランプが米国大統領に
なった今だからこそ観るべき
非常に重要な作品です。

なぜならば、誤った価値観でも、
強固に主張し続けることで、
民意をマインド・コントロール
することができることを描いた作品なのだから。

歴史学者のデボラ・E・リップシュタットは
正しい歴史を証明する為に、
ホロコースト否定論者の
デイヴィッド・アーヴィングを
法廷で倒そうとする。
当然ながら味方も多く、
実際にアウシュビッツで
フィールドワークも行い万全の
体制で挑む。

しかし、どんなに論破しようと
してもデイヴィッド・アーヴィングは
強固な態度で一切たじろぐことがない。
しかも些細な矛盾を突いて、
なかなか一筋縄ではいかない。
さらに恐ろしいことに、
マスコミは正論を言っている自分たち
よりも過激で無茶苦茶な
デイヴィッド・アーヴィングばかり
取材する事態になる。

ドナルド・トランプもヒトラーもそうだが、
どんなにバッシングを受けても、
一切臆することなく突き進むことで
やがて民意は彼らを支持し、
独裁者へと進化させていった。

本作を観ると、まさにその過程が
いやーに描かれていて本当に怖い。
しかも、正論を言っている歴史学者が
もがけばもがくほど、論理性を
失っていき、
単にデイヴィッド・アーヴィングの
思想を無理矢理変えさせようとする
ディスカッションとして致命的な
ミスを犯していくあたりが
さらに恐怖をかき立てられる。
まさに自分たちの正義が
「ディナイアル(=否定)」される
瞬間がここに描かれています。

本作は決して過去の話ではない。
今こそ多くの人に観てもらい、
社会や政治家について考える
きっかけになってほしい作品でした。

今のところ日本公開は
決まっていませんが、
ヒューマントラストシネマあたりで
是非公開して欲しい。
というよりか公開しないと
いけない作品なので
配給会社の方々是非
一考をお願いします。

ブロトピ:映画ブログ更新

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