【追悼・鈴木清順】「ピストル・オペラ」変態映画の美学

ピストル・オペラ(2001)
PISTOL OPERA(2001)

監督:鈴木清順
出演:江角マキコ、
山口小夜子、
韓英恵etc

評価:70点

先日2/13鬼才・鈴木清順監督が
93歳で亡くなりました。
慢性閉塞性肺疾患とのこと。

鈴木清順監督といえば、
「ツィゴイネルワイゼン」や
「オペレッタ狸御殿」
など
ユニークな作品で有名。
「殺しの烙印」ではあまりの斬新さに
日活社長・堀久作と喧嘩し、
干されてしまう騒動を起こすほど、
前衛的だったが、それが
一部の映画ファンを虜にし
カルト映画の巨匠として
名を轟かせた。
また「ルパン三世」の映画版も手がけており、
「ルパン三世 カリオストロの城」
では第一稿を書き(これは宮崎駿の
原稿が採用されてボツに)、
後に「ルパン三世 バビロンの黄金伝説」
の監督を務めている異色の
キャリアを持っている。

そして、極めつけは
東京流れ者

」にある。
明日2/24から公開の
ラ・ラ・ランド


の主要部分に影響を与えていたり、
ネオン・デーモン

」の
ニコラス・ウィンディング・レフン監督の
クライテリオンで発表した
オールタイム・ベストでも
1位を獲得するほど
世界中のクリエーターに
影響を与えている。

※ちなみに
レフン監督のオールタイム
ベストは下記の通り。
あっ「殺しの烙印」も
ランクインしていたww
(詳細はクライテリオンサイトで

)

1.東京流れ者(1966)
2.アルジェの戦い(1966)
3.吸血鬼(1932 ドライヤー版)
4.狩人の夜(1955)
5.ヴィデオドローム(1983)
6.悪魔のはらわた(1973)
7.成功の甘き香り(1957)
8.マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ(1985)
9.美女と野獣(1946 コクトー版)
10.殺しの烙印(1967)

実はブンブン、スウェーデン旅行行った際に
鈴木清順監督作「ピストル・オペラ」の
DVDを買ったので観てみたぞ!

「ピストル・オペラ」あらすじ

カルト映画「殺しの烙印」の後日譚。
殺し屋組織「ギルド」のNo.3は
殺しの依頼を受けるが、
誤って別の人物を殺してしまう。
そして別の依頼でNo.1を殺すよう
依頼されるのだが…

鈴木清順Hentaizm!

鈴木清順監督は「東京流れ者」
「ツィゴイネルワイゼン」
の時代から
演劇やオペラ的要素を
映画的に拡張しようとしていき、
その集大成と言える作品が
この「ピストル・オペラ」です。

鈴木清順監督のクールな映像を
作ってやるぞ!という気概が
暴走しまくって、もはや
ストーリーなんてありませんww

えっつ「殺しの烙印」の後日譚だって?
確かに「殺しの烙印」にあった
殺し屋組織のNo.3が
No.1を殺そうと躍起になる
ベースはあるのだが、
基本的にはビジュアル優先。

車いすの男と宙返り交えながらの戦闘や、
まるで演劇の舞台のような
張りぼて空間での激しい
アクションと、頭が
クラックラする描写の連続で
まるでドラッグをやっているような
感覚に陥ります。

ニコラス・ウィンディング・レフン
といえば、ホドロフスキー愛の
イメージが強いが、
どうやら相当な鈴木清順ファンなんだろう。
レフンの「ネオン・デーモン」や
「オンリー・ゴッド」に通じるモノを感じた。

決して観やすい作品では内ので
初鈴木清順としてはあまりオススメしないが、
「東京流れ者」や「殺しの烙印」で
嵌まったあなたにオススメする一本
と言えようw

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