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2016年ブンブン映画ランキング(旧作洋画編)

2016年ブンブン映画ランキング(旧作洋画編)

2017年ブンブン映画ベストテン
(旧作洋画編)

今年は沢山シネフィルの
人と出会えたこともあり、
外国映画もなかなか
いい掘り出し物を
見つけられました。

中でも今年は
ライナー・ヴェルナー・
ファスビンダー

作品で沢山良作を見つけました。
ファスビンダーは本当は、
「マリア・ブラウンの結婚」と
「四季を売る男」

入れたかったのだが、
全体的なバランスを
踏まえて1本に留めました。

また、今年は卒業論文の
関係もあって欧米の
官能映画を多数観ました。
10位は特別枠として
官能映画を入れています。

それでは行ってみましょう♪
※青下線をクリックすると各作品のレビューが観られます。

1.不安と魂/不安は魂を食い尽くす(1974)

鑑賞環境:アテネ・フランセ

ダグラス・サークの大傑作
「天が許し給うすべて」を
基にファスビンダー監督が
トンデモない作品を作った。

お掃除おばちゃんと
モロッコ移民の純愛を
ファスビンダーならではの
乾いた、でもねっとりとした
演出で描く。

ファスビンダー監督が同性愛
だったこともあり、
この異質なカップルを観る
周りの軽蔑の目が本当に
怖いほど観客に突き刺さる。

そして、ユートピアを
維持しようとするあまりに、
お掃除おばちゃんが
ソクバッキーに変貌していく
様子など見事としか言いようがない。

ダグラス・サークの
「天が許し給うすべて」も
メチャクチャ素晴らしいだけに、
それを超えてくるファスビンダーに
感動した。

2.SHOAH-ショア-(1985)

鑑賞環境:DVD(購入)

「サウルの息子」があまりにも
凄かったので、
恐らく影響を受けているだろう
この9時間のドキュメンタリーを
買って観たのだが、これが凄い。

感動ポルノ同様、戦時中の
凄惨な生活を描いた作品は
大量生産され、
戦争ポルノというジャンルに
成り果てようとしている
ことが本作を観るとわかる。

というのも数多戦争映画は
あるにも関わらず、
全然言及されてない話が
ごまんとここで語られているのだ。

例えば、かつて収容所に向かう
汽車の車掌だった男に
カメラは向けられる。
彼から「当時は
給料の他に酒が配給された。
酒を呑んで運転しないと、
汽車にぎっしり詰められた
ユダヤ人の強烈な匂いで
死にそうになるからだ」
と衝撃的な話が
語られるのだ。

9時間と長いかも知れないが、
見始めるとあまりにも
劇映画では語られない
狂気の真実にのめり込み
あっという間に9時間が
経過していた。

戦争映画史に残る
貴重な作品だ。

3.ブリュッセル1080、
コメルス河畔通り23番地、
ジャンヌ・ディエルマン(1975)

鑑賞環境:DVD(購入)

主婦の抑圧された生活を切り取った作品。
映画的省略を限りなくなくし、
ジャガイモを延々とむく、
息子とのコミュニケーション
希薄な寂しい食事を
延々と映し出す。

重厚なミステリーのように
説明を廃した中から、
主婦のバッググラウンドを
推測していく過程が非常に
面白く、3時間半があっという
間だった。

そして、本作は
「ニーチェの馬」とは
違いブンブンを引き込んだのは、
しっかりアクションがあることに
よる。

じっくり主婦の生活を
覗いていくと、
少しずつ日常の崩壊が
見えてくるのだ。
そしてドンドン狂気へ
誘われていくアクションが
あるからこそ退屈しなかった。
これはDVDを買った
甲斐がありました。

4.皆殺しの天使(1962)

鑑賞環境:DVD(購入)

今となっては、
インターネットゲームでの
流行により、
「SAW」や「CUBE」の成功、
定期的に脱出ゲーム映画が
作られたり、
それをリアルでも楽しめる
イベントが行われたりと
一ジャンルを築き上げている。

そんな脱出ゲーム関連で
衝撃的な事実。
今から半世紀以上前に、
とてもシュールな脱出ゲーム
映画が作られていたのだ!

その名も「皆殺しの天使」。
あのルイス・ブニュエルが、
「脱出という概念から脱出する」
というアイデアで映画化したのだ。

鍵も何も掛かっていない
扉から出ればクリアにも
関わらず、「扉から脱出」
という概念がなくなってしまったが
為に、豪邸に取り残されてしまう
不条理さ。

外から助けようにも、
謎の力で近づけない不条理さ。
概念から脱出しようともがく
人々の様子は滑稽かつ、
観る者を引き込んでいく
素晴らしい作品でした。

5.読書する女(1988)

鑑賞環境:DVD
(TSUTAYA上野店よりレンタル)

タイトル通り女が読書するだけの
作品なのにこれがメチャクチャ面白い。
今となっては仮想現実という
言葉が当たり前のように使われているが、
読書もある種の仮想現実だということを
教えてくれる。

モーパッサン、ボードレール、
マルクスにキャロルと本の
世界を縦横無尽に飛び回る
「読書する女」という小説の主人公。

そして、老若男女に朗読することで、
男は発情したり、少女は
遊園地という名の
ワンダーランドへと誘われたりする。

別に本の中身について詳しく
描写している訳ではない。
しかしながら、徹底した
美術が織りなす
不思議な世界はブンブンの
心をがっしりと握り
離さなかった。

ブンブンはミウ=ミウに
プルーストの「失われた時を求めて」か
ケルアックの「オン・ザ・ロード」
を読んでもらいたいな~

→NEXT:6~10位

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