「MILES AHEADマイルス・デイヴィス 空白の5年間」ドンさんの愛は分かった。しかし…

MILES AHEAD
マイルス・デイヴィス 空白の5年間(2016)

miles-ahead

監督:ドン・チードル
出演:ドン・チードル、
ユアン・マクレガーetc

評価:35点

「ホテル・ルワンダ」の名優
ドン・チードル
が初監督を
したと話題になった作品が
いよいよ日本登場。
ライムスター宇多丸の
ウィークエンドシャッフル

来年1発目のウォッチ作品にも
なっている為観てきました。
「死刑台のエレベーター」の
サントラで有名な
マイルス・デイヴィス。
彼の生き様をどう
切り取ったのだろうか?

「MILES AHEAD」あらすじ

ジャズの帝王と呼ばれ
一世を風靡したマイルス・デイヴィス。
しかし彼は1970年代後半、
ドラッグに溺れ活動を休止。
一人荒んだ生活を送っていた。
そんな彼の前に音楽レポーターが
やってくる…

玄人向け伝記映画

正直、マイルス・デイヴィス
初心者のブンブンには
非常に分かりにくい作品であった。

マイルス・デイヴィスのジャズ時代
とスランプになりながらファンク
というジャンルを極めていく1970年代
を交互に描いているのだが、
あまりにも無闇に時間軸を
いじっており、意味をなしていない。

デイヴィスの即興のように
映像の断片をつなぎ合わせる
ことで、「マイルス・デイヴィスが
何故、あそこまで『音』に
こだわったのか?」、
女性関係と音楽活動の関連性

見えてくるのかと思いきや、
ことごとく失敗している。

皮肉なことに、ドン・チードル
のかすれたヴォイスによる
デイヴィスの真似や
映像がドープでカッコイイ
から軽視したくなるのだが、
目をつむることが出来ないほど
本作は伝記映画の文法として
間違った方向に脱線しているのだ。

なので、マイルス・デイヴィス
初心者。それこそ、曲は聴いたことが
あるけど彼の人生は知らない
という人にはあまり
オススメできない作品となっている。

初心者のためのマイルス・デイヴィス

それでも観てみようという人の為に、
ブンブンはちょっぴり補助線を
引いてみたぞ。

参考程度にどうぞ。

2つのジャンルを持つ男

マイルス・デイヴィスの音楽人生は
大きく分けて2つに分類できる。
それがジャズ時代と
ファンク時代
だ。

まず1950年代頃。
彼はプロのジャズミュージシャンと
して活動していた。
「Nefertiti」等の傑作アルバムを
創り上げていった。
そして、ヌーヴェルヴァーグ第一号である
「死刑台のエレベーター」の
サントラを即興演奏でつけ
これが伝説となり時の人となった。
1960年代後半に入ると、
ジミ・ヘンドリックス等の
ミュージシャンに影響され、
ジャズにファンクの要素を
付加していくこととなる。
↑「黒いジャガー」のメインテーマも
ファンクという音楽ジャンルである。

ファンクとはざっくりいうと、
16ビートのリズムとフレーズの反復
でジャカジャカジャカという
ドープな戦慄を作り出す
ドープなサウンドが特徴の
音楽ジャンルである。

SOMEDAY MY PRINCE WILL COME


本作では度々、
女性の顔がパッケージの
「SOMEDAY MY PRINCE WILL COME」
というアルバムが象徴的に
登場する。

このアルバムの女性は
フランシス・テイラーで
1953年に彼女と出会い
1960年に結婚。
しかし、麻薬で気性が荒
くなっていたデイヴィスに
付き合っている当時から
幾度となく喧嘩は絶えず、
結婚後も一向に
収まる兆しが見えなかったので
1968年に離婚している。

マイルス・デイヴィスが
幾度か
「SOMEDAY MY PRINCE WILL COME」
をしみじみと眺めるのは、
昔の未練への暗示と言える。

なのでこのアルバムは重要だ。

最後に…

本作は映画としては失敗
しているのだが、
あまりにクールな画に
マイルス・デイヴィスの
音楽を欲することは間違いない。

ってことで、ラストの
ライブシーンの元ネタである
Montreux 1989の動画を
嗜むブンブンでした。

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