「シークレット・オブ・モンスター」冒頭5分5億点!独裁者が生まれる過程

シークレット・オブ・モンスター(2015)
The Childhood of a Leader(2015)

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監督:ブラディ・コーベット
出演:ベレニス・ベジョ、
ステイシー・マーティン、
ロバート・パティンソンetc

評価:75点

シネフィルの間で、
失神する程すげー映画がある
と話題になっている作品がある。
それが「シークレット・オブ・
モンスター」だ。

予告編を観る限り、
少年が独裁者になるまでの
過程を描いたってところ以外
よくあるミニシアターものに
見えるが果たして…

「シークレット・オブ・
モンスター」あらすじ

サルトルの「一指導者の幼年時代」
ベースに描いた心理劇。
第一次世界大戦終了後
ヴェルサイユ条約締結直前、
フランスに送り込まれた米政府高官
の一家。

息子は段々と親へと反抗していき…

冒頭5分が凄い!

まず、噂通り冒頭失神レベルに
凄かった。今年ベストタイトル
シーンと言っても過言ではない。

レオス・カラックスの「ポーラX」
の音楽を手がけたスコット・
ウォーカー
の、観客の全身を
痺れさせる不協和音と不穏の
戦慄。

そして、映し出される
ニュース映画に
乱れ出る役者やスタッフ表示。

たった5分で、この映画は
ただ者ではないと思わせられる。

そして、そのまま約2時間
窮屈で得体の知れないヤバサに
観客を引きずりこむのだ。
これは凄いとしか言い様がない。

環境が先か、先天的なモノか?

本作のベースが哲学者サルトルの小説
だけあってか、結構難解な作品である。
てっきり、ヒトラーの話かと思いきや、
ここで登場する独裁者は
架空の人物である。

前半から、少女のような美少年は
オトナに石を投げつけ、
徹底的に反抗する。
それがエスカレートし、
家庭教師の胸を唐突に
鷲掴みしたりする。

あまりに酷いので、
母親は怒る、
父親も怒るが、
彼はドンドン
ひねくれていく。

よく、犯罪を犯す人は
家庭環境や育った家庭に
問題があると安直に
言われるが、
本作を観る限り、
遺伝でも環境でもなく、
もとから先天的に
ヤバイ性格を少年が
宿していたのではと
思わせられる。

そう考えると、
どのように躾ければ、
少年は独裁者に
ならなかったのか
と観終わった後
悶々とし始める。

そう、この
「シークレット・オブ・
モンスター」は、
観終わった後に価値が
ある珍しい作品なのだ。

決して戦争映画、歴史劇ではなく、
「子育て」に関する哲学が底にある。
卵が先か鶏が先か問題のように
ぐるぐる駆け巡る難題を、
こうも面白く提示してくれるとは
良い意味で憎い。

知恵の輪のように解けそうで
解けない本作は、完全に
解釈するのではなく、
ブンブンはしばらく放置
したい作品でした。

まあ、少年は先天的で、
どうやっても独裁者の道を
断つことができそうにないと
いうのが見解ですかね~

唯一の不満点

映画は悪くないのだが、
一点不満を言うとすれば、
配給のREGENTSが行為で、
冒頭のニュース映画に
説明的テロップを流したのだが、
あれは正直いらなかった気がする。

戦争の話を描きたいのではなく、
本作は閉塞的な環境での
少年の心の揺らぎを描くのが
目的だ。故に、不穏感を
出すためにも
ニュース映画は説明なしに
した方が良かった。

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