「夏の終止符」変なロシア映画、ゲーム画面の使い方に注目!

夏の終止符(2016)
KAK YA PROVYOL ETIM LETOM(2016)

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監督:アレクセイ・ポポグレブスキー
出演:グリゴリー・ドブリギン,
セルゲイ・プスケパリスetc

評価:55点

聴講している映画ゼミで観た作品。
第60回ベルリン国際映画祭で
男優賞と芸術貢献賞
を受賞した
作品だが果たして…

「夏の終止符」あらすじ

放射能に汚染された島で、
妻子と離れ放射能観測を送っている
セルゲイのところに大学を出たばかりの
パーシャがやってくる。

荒々しくも愛を持って仕事を
教えるセルゲイだったが、
世代間の溝は深くなかなか
打ち解けない。
そしてある日、パーシャが
隠し事をしているのがわかり…

「ストーカー」の語り直し

本作は、明らかにタルコフスキーの
「ストーカー」
を意識した作品である。
しかし、そのアピールの仕方が
ユニークだ。

放射能という得体の知れない
ものにおびえながらも、
それらをある種の「宗教」として
生活の一部になってしまっている人と
第三者の男が接触することによる
化学反応は「ストーカー」を匂わせる。

そのアピールの仕方が、
ゲームなのだ!

「ストーカー」はなんとFPSゲーム化
されており(タルコフスキーとは
あまり関係ないようですw)、
主人公パーシャが
仕事の空き時間で
このゲームに没頭しているのだ。

物語が進み、
セルゲイとの関係が悪化していくと
ゲーム内でもすぐにゲームオーバー
になるといったシンクロを
魅せる。

世代間との軋轢描写が面白い

本作は登場人物2人だけという
非常にミニマルな世界の中で、
世代間の軋轢を上手く描いている。

セルゲイはアナログ人間で
またソ連時代の社会主義を
引きずっている男。
毎日淡々粛々と、
放射能測定を行い、
紙の帳簿に結果を記入する。

一方、パーシャは
パソコンで総てを終わらせようとし
合理主義で退屈が嫌いな男。
そして、面倒なことを後伸ばしに
しようとする。

そんな二人の溝がある地点を
境に深くひび割れていく。
そして巻き起こる、
バトルの緊張感は
溜まりません。

ただ…ちょっと長いかな

まあロシア映画ってこともあり、
2時間20分とちょっと長め。
タルコフスキーならこの手の
長さは必然だと思うのだが、
「夏の終止符」に関しては
ちょっと長すぎたかな~

ミニマムってこともあるのだが、
長さと静けさの中にある
行間というか内容が
薄かった気がする。

まあ、早回しで展開される
雪景色は見応えありましたけどね~

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